川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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274②水質検査計画の策定 水質検査の適正化や透明性の確保の観点から、水道事業体には水質検査計画の策定・公表及び検査結果の公表が義務づけられている(水道法施行規則第17条の2)。川崎市では、毎年度、水質検査を実施する項目、検査地点及び頻度等を定めた水質検査計画を策定し、この計画に基づいて水質検査を実施するとともに、水質検査計画と水質検査結果を広報紙やウェブサイトで公表している。水質検査計画には、給水栓における水質検査のほかに水質管理上必要と判断される原水及び浄水の水質検査についても位置づけた。③検査精度の確保と信頼性の向上(水道GLPの取得) 市民が直接口にする水道水の安全確認のためには、水質検査精度の確保と信頼性の向上が必要である。「水道水質検査優良試験所規範(水道GLP)」は水道法に基づいて水質検査を実施する機関が、管理された体制の下で適正に検査を実施し、水質検査結果の信頼性を確保することを目的として、「公益社団法人日本水道協会」が策定した水道水質検査に特化した認証システムである。川崎市は平成18年(2006)に初回認証を受け、現在まで更新認定を継続している。更に定期的な内部精度管理の実施及び外部精度管理への参加等により、水質検査精度の向上に努めている。④水安全計画の策定 近年、工場排水、農薬等の水源への流入や水道施設内での消毒副生成物の生成等、様々な水道水へのリスクが増え、更に油類の流出等の水質事故や水源湖沼の富栄養化等による異臭味被害も発生しており、より包括的な水質管理が求められている。 一方、世界保健機関(WHO)は、食品産業のHACCP(危害分析・重要管理点)の概念を取り入れ、水源から給水栓に至るすべての段階で危害評価と危害管理を行い、安全な水の供給を確実にする水道システムを構築する水安全計画を提唱している。我が国においても、厚生労働省が水道水の安全を一層高めるため、水道事業者にそれぞれの水道システムに適した水安全計画を策定するよう促している。 このような状況の中で、川崎市は、水源から給水栓に至る水道システムに存在する危害を抽出・特定し、それらを継続的に監視・制御することにより、安全な水の供給を確実にするシステムづくりを目指して「川崎市水安全計画」を策定し、平成23年(2011)度から運用を開始している。水道GLP認定証第1編上水道第6章安全で良質な水道へ水質の探求

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