川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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287シスト/10L検出された。翌年5月には潮見台浄水場原水で8オーシスト/10Lを検出し、川崎市で検出された最大値となった。 平成19年(2007)3月30日健水発第0330005号「水道水中のクリプトスポリジウム等対策の実施について」厚生労働省健康局水道課長通知を受け、長沢、潮見台浄水場では原水の毎月試験を開始した。平成16年(2004)以降、長沢浄水場ではクリプトスポリジウムは検出されていないが、潮見台浄水場では少量であるものの検出が続いていた。平成22年(2010)から、他事業体の試験体制等を考慮し、配水池水での試験を取りやめ、平成26年(2014)から、過去の検出状況を踏まえ、毎月試験を年4回に試験頻度を減らした。 クリプトスポリジウム等が検出された場合は、平成15年(2003)6月施行、平15川水工水運第88号「水質異常事態における緊急措置要綱」及び平成22年(2010)7月制定「水道水質課クリプトスポリジウム等対応マニュアル」に基づき対応している。更に予防対策として、ろ過池の出口の濁度を0.1度以下に維持することが可能なろ過設備を整備し、凝集剤の注入量、ろ過池の出口濁度等、浄水施設の運転管理に関する記録を残すこととなっている。8 鉛給水管に関する水質実態調査⑴ 鉛濃度の規制強化 厚生省は、昭和63年(1988)11月に「給水管衛生問題検討会」を設置し、給水管等による水道水中への鉛溶出の問題に関し調査検討を行い、給水管等にかかわる衛生対策を講ずる通知がなされた。 平成4年(1992)には、水質基準に関する省令(厚生省令第69号)で鉛の水質基準値は0.1mg/L以下から0.05mg/L以下に改められ、平成15年(2003)4月には鉛濃度の一層の低減化を推進するため水質基準値が0.01mg/L以下に改正された。採水方法は「水質基準に関する省令の制定及び水道法施行規則の一部改正等並びに水道水質管理における留意事項について(平成15年10月10日)(健水発第1010001号)」で「(2)水質基準項目のうち「鉛及びその化合物」に係る検査に供する水の採取方法については、毎分約5リットルの流量で5分間流して捨て、その後15分間滞留させたのち、先と同じ流量(毎分約5リットル)で流しながら開栓直後から5リットルを採取し、均一に混合してから必要量の検査用試料を採水容器に分取する方法とすること。」とされ、現在に至っている。⑵ 川崎市での水質調査 川崎市では、平成元年(1989)から鉛給水管を使用している職員の住宅及び一般利用者の住宅を対象とした水質調査を行った。各調査の内容は以下のとおりである。①平成元年(1989)1回目の調査(水質基準値0.1mg/L) 対象となった21件の停滞水では、0.01mg/L以下17件、0.01mg/Lを超えた世帯は4件、鉛の溶出がみられたが滞留時間と鉛濃度との相関はみられなかった。また、流水時における鉛の溶出はみられなかった。②平成元年(1989)2回目の調査(水質基準値0.1mg/L) 対象とした一般利用者の家庭30件(流水)すべてに鉛の溶出はみられなかった。第2節水質問題

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