川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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290 同年4月4日、厚生労働省の「水道水中の放射性物質に関する指標等の取扱い等について」(平23健水発0404第2号)、「今後の水道水中の放射性物質のモニタリング方針について」によって、検査頻度(1週間に1回以上)や降雨の影響を受けた原水の監視について示されたため、高濁度時の原水についての検査を開始した。検査頻度については引き続き毎日検査を実施した。 同年6月30日、厚生労働省の「今後の水道水中の放射性物質のモニタリング方針について」の改定について(平23健水発0630第3号)で、改めて頻度等について示されたが、毎日検査の体制を継続した。 同年7月には水道水質課にNaIシンチレーションスペクトロメータが配備され、調整後の同年7月19日からは、横須賀市に依頼していた長沢及び潮見台の配水池水の毎日検査は水道水質課で実施した。生田浄水場配水池水については引き続き川崎市衛生研究所へ委託するとともに、水道水質課においても並行して実施していたが、8月以降は放射性ヨウ素が検出された場合はGe半導体検出器で確認する条件のもと水道水質課で実施した。 平成24年(2012)3月5日、厚生労働省から「水道水中の放射性物質に係る管理目標値の設定等について」(平23健水発0305第3号)、「水道水中の放射性物質に係る指標の見直しについて」が通知された。これは、飲料水を含む食品中の放射性物質について、食品衛生法の規定に基づく新たな基準が設定され、同年4月1日に施行されることを踏まえ、水道水についても当該指標を見直して新たな目標値、放射性セシウム10Bq/kgを設定した。頻度については原則として1か月に1回以上とし、検査は、「水道水等の放射能測定マニュアル」に従ってGe半導体検出器を用いることにより、放射性セシウムについて、検出限界値1Bq/kg以下を確保することを目標とされた。 これを受け川崎市では、長沢及び生田浄水場の原水と配水池水について1週間に1回の検査とし、検出限界値の確保のため川崎市衛生研究所へ委託した。また、長沢及び生田浄水場の配水池水について、水道水質課のNaIシンチレーションスペクトロメータで1週間に2回補完的に検査を行った。(補完的検査は平成25年(2013)3月で終了した。)(潮見台浄水場は平成23年(2011)3月末で廃止された。) 平成26年(2014)9月には、不検出が継続していること及び高濁度時の状況も確認済みであること等から検査頻度を1か月に1回とし、引き続き川崎市健康安全研究所(平成25年(2013)度に組織変更により衛生研究所から名称変更)へ委託した。 その後、同じく不検出が継続していること、高濁度時の状況も確認済みであること、放射能に関する問い合わせ件数が少なくなったこと及び原子力発電所の稼働状況から判断すると放射性セシウムが上昇する要因が見当たらないことから、平成29年(2017)4月、厚生労働省から「水道水中の放射性物質に係る管理目標値の設定等について」(平23健水発0305第3号)、「水道水中の放射性物質に係る指標の見直しについて」が出された。これに示される検査頻度を最大に減じた場合の3か月に1回とし、検査月を5月、8月、11月及び2月とした。(生田浄水場は平成28年(2016)3月末で水道事業としての機能を廃止した。)⑶ 乳児の水道水摂取制限への対応 厚生労働省は、平成23年(2011)3月21日「乳児による水道水の摂取に係る対応について」第1編上水道第6章安全で良質な水道へ水質の探求

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