川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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295止を目指している。貯水池上流の基準地点(桂川橋)で1.2m以上の堤防余裕高を確保する。また、現行のしゅんせつ船団と陸揚げ施設を活用して有効貯水容量の減少を最大限に抑制する予定である。現時点で想定する減少抑制量は、計画の10年間で約150万㎥である。 ②河床のポケット化は、これまでに湖面部へ流入する土砂量の割合を約30%低下させる等の効果が確認され、有効な堆砂対策として新計画でも継続することになった。対策箇所は桂川橋の下流側である。 ③流入支線の保全としては、秋山川と沢井川の河床維持を行う。沢井川の一部は、中央本線の建設に伴ってトンネル河川(疎水ずい道)となり、相模ダムの完成後は、低下した疎水ずい道の能力を補うために余水吐トンネルを建設した。保全対策として、疎水ずい道下流側のしゅんせつを行うとともに、沢井川余水吐トンネルの通水能力を向上させる改良工事を実施し、疎水ずい道の建設当初の通水能力を確保する。上流部(Cゾーン)2.5km狭窄部(Bゾーン)4.6km湖面部(Aゾーン)2.7km神奈川県山梨県相模原市緑区(旧藤野町)上野原市相模原市緑区(旧相模湖町)鏡渡砂 防堰堤うえのはら新田地区桂川(相模川)川鶴川境橋川境橋川桂堤堰防砂留松川井沢橋天弁橋大連日川山秋境県橋瀬勝橋大湖模相鶴島陸揚場・仮置場上野原市 用地仮置場ふじの秋川橋余水吐トンネル沢井川陸揚場相模湖相模ダムさがみこ民間業者砂利採取区間(想定量0.5万㎥/年)しゅんせつ優先実施区間相模貯水池堆砂対策事業範囲(目標しゅんせつ量15万㎥/年)相模貯水池堆砂対策事業範囲3 ダム湖の水質改善事業 相模湖・津久井湖では周辺部の開発により富栄養化が進み、夏期にはミクロキスチス等の藍藻類が異常繁殖してアオコが発生するようになり、湖の環境保全と水道水源の両面から問題となっていた。 相模湖では藻類であるミクロキスチスの繁殖対策として、昭和57年(1982)度から神奈川県企業庁、横浜市水道局、川崎市水道局、横須賀市水道局が共同でエアレーション装置による植物性プランクトン発生抑制の調査を行った。エアレーションとは、揚水筒という筒を水中に設け、そこから空気を注入してその泡と一緒に相模湖堰堤付近に設置されたエアレーション装置第1節水源の保全

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