川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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297要は以下のとおりである。⑴ 水道需要の展望 神奈川県全体の今後の水道需要を、人口動態等を勘案して検討した結果、新たな水源開発は必要ないと考えられる。⑵ 水源環境の保全・再生 神奈川県は水道水源をダム湖に大きく依存していることから、その上流部の水源地域の環境保全・再生に向けての取組と連携して、水道水源の良質な水質の確保に努める必要がある。⑶ 水質事故等への対応強化 水質事故等への対応をより迅速、的確に行うため、「神奈川県内水質管理センター(仮称)」といった恒常的組織をつくる必要がある。また、このセンターに県内全水道事業者の参加も進める必要がある。⑷ 地震対策等の強化 送配水施設の耐震化の推進等が求められる。⑸ 基幹的水道技術者の確保 技術分野の民間委託を進める一方で、県全体の基幹的水道技術者を、世代を越えて維持するために広域的な観点で配慮する必要がある。⑹ 経営効率化の推進 安全・安心への配慮を徹底した上で、民間委託の推進、市場化テストの導入等を含めて更なる経営の効率化に取り組むことが求められる。⑺ 広域的な経営調整機関の設置 経営を総合的・恒常的に調整する機関となる「神奈川県内水道事業検討委員会(仮称)」を設置し、様々な共通する経営問題の調整に当たる必要がある。⑻ フォローアップ 各事業者の経営状況や長期的経営計画等の策定状況を、毎年県民に公表する必要がある。2 神奈川県内水道事業検討委員会の設置 長期的な視野に立って、これまでの協力・連携により築き上げてきた水道施設や技術を次世代へ継承し、将来にわたり水道水の安定供給を確保していくため、平成20年(2008)8月に、県内の長期的な水道事業のあり方や、5事業者に共通する経営課題等について検討することを目的に、「神奈川県内水道事業検討委員会」を設置した。 この委員会は5事業者の水道事業管理者と外部有識者で構成され、検討が進められた結果、平成22年(2010)8月に将来(おおむね30年後)の県内水道事業のあるべき姿の構想を取りまとめ、具体的な取組として、「神奈川県内水道事業検討委員会報告書」を作成した。報告書の示す具体的な取組は以下のとおりである。⑴ 水質事故時の対応の強化及び水道水質の更なる改善 ワンランク上の水道水質管理を実現できる水質関連業務の拠点となる「水質管理センター(仮称)」の早期設置を進める。第2節県内水道事業の広域化

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