川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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312は、給水台帳等の保有情報の確認により特定に努めることが明記されており、残存する宅地内の鉛製給水管への対応が必要であった。 川崎市では、平成13年(2001)に市内120か所を対象に鉛製給水管の水質実態調査を実施しており、基準値0.01㎎/Lを超過するものは、流水中では0件、停滞水では11件存在した。これを受け、局の広報紙やウェブサイトによる広報活動を行うとともに、平成15年(2003)及び平成21年(2009)に、鉛製給水管の使用者に対し、ダイレクトメールを発送し周知した。 鉛製給水管の使用状況は、平成13年(2001)〜平成15年(2003)に実施した給水台帳調査のデータを基に随時情報更新を行ってきたが、経年するにつれデータの信頼性及び正確性の低下が懸念された。不確定な情報の周知によって、水道水に対する不安を煽ることがあってはならないことから、平成29年(2017)度からは、検満メーターの取り替え時に、図面調査及び現地でのメーター前後の配管確認を行い、宅地内の鉛製給水管使用の把握に努めると同時に使用者等に周知することとした。第6節 災害対策・危機管理1 川崎市上下水道局危機管理推進委員会の設置 平成16年(2004)10月、川崎市水道局危機管理対策委員会を設置することとなった。この委員会で災害対策や危機事象の対処に関することを審議していたが、各部局で危機管理推進委員会を設置するよう市から通知があったことや、局の危機管理主管が委員でないこと、委員会の下部組織の部会の設置規定がないこと等の課題があった。 その後、平成23年(2011)に東日本大震災、平成28年(2016)に熊本地震が発生し、また首都直下地震の懸念が高まる中、平成29年(2017)4月、危機管理に係る施策の充実を図ることを目的とした川崎市上下水道局危機管理推進委員会へと組織変更した。 この委員会の設置に併せて、平成29年(2017)度に庶務課庶務係が所管する危機管理業務の執行体制を強化するため、庶務課担当係長〔危機管理〕を、平成31年(2019)度に危機管理業務の更なる充実を図るため、庶務課担当課長(危機管理)を設置した。更に令和3年(2021)度には、局全体の危機管理業務の総合調整を行う部署として経営戦略・危機管理室を設置した。 こうした局の危機管理体制の強化により、MCA無線の配備、応援隊の活動体制・本庁舎の代替施設・広報体制の見直し、重要施設の自家発電設備の燃料確保の方針、水道事業、工業用水道事業及び下水道事業間の資機材及び薬品の融通等について川崎市上下水道局防災計画の改訂等により危機管理の取組を推進してきた。また、19大都市水道局災害相互応援に関する覚書・実施細目における第1・2位の応援幹事都市である静岡市・札幌市と平成30年(2018)1月に他都市への応援要請に関する調整等の活動を行う情報連絡調整担当水道事業体の活動に関する覚書を締結した。 なお、覚書中、第2条(用語の定義)の出典元である公益社団法人日本水道協会の「地震等緊急時対応の手引き」が令和2年(2020)4月に改訂されたことに伴い、「情報連絡調整担当水道事業体」という用語は、「現地調整隊」へ改訂された。第1編上水道第7章安全・安心のための取組

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