川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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325⑧令和元年東日本台風(令和元年(2019)) 令和元年(2019)10月の台風19号は、12日午後7時前に大型で強い勢力で伊豆半島に上陸した後、関東地方を通過し、13日未明に東北地方の東海上に抜けた。川崎市は台風の通過に備え、12日午前10時に災害警戒本部を設置し、避難指示・避難勧告等を発令した。また、12日午後11時に川崎市災害対策本部の設置及び災害救助法の適用を行った。 この台風によって川崎市内の川崎区、中原区、高津区、多摩区で深刻な浸水被害が発生した。上下水道局の対応としては、マンション等集合住宅等で、ポンプ等の故障により各家庭の蛇口から水道水が使用できない市民を対象に、応急給水袋(10L)の配布を行った。また、浸水被害者等を対象に令和元年の10月及び11月の検針分以降の水道料金及び下水道使用料の減免措置を行った。 この台風の被害による他都市での応急給水活動として、日本水道協会神奈川県支部の要請で、相模原市、南足柄市、山北町、清川村において10月13日から15日まで給水車及び職員を派遣し、以下のとおり応急給水活動を行った。10月13日〜14日相模原市給水車1台(2t)    4名派遣10月13日〜14日南足柄市給水車2台(4t、2t) 7名派遣10月15日山北町給水車1台(2t)    4名派遣10月15日清川村給水車1台(2t)    4名派遣 その他、山北町へ導水管破損の管路復旧に関する技術支援で、15日及び17日から19日まで延べ10名の職員、復旧工作車1台、給水車1台等を派遣した。また、10月18日に日本水道協会東北地方支部から救援本部に応急給水20班の応援要請があり、川崎市は以下のとおり応急給水活動を行った。10月19日〜23日 福島県いわき市 給水車1台(4t) 5名派遣6 東日本大震災の対応 平成23年(2011)3月11日に東北地方太平洋沖地震が発生し、水道施設被害への対応とともに計画停電及び夏期の節電対策の対応に当たった。 なお、この地震で被災した他都市の応援活動については、第7章第6節、「5 他都市との相互応援」で記載し、福島第一原子力発電所事故による放射能の水質への対応については、第6章第2節「9 東日本大震災後の放射能対応」で記載している。⑴ 水道施設の被害 地震発生後、幸いにも管路の漏水修理のための断水を除き、水道及び工業用水道の給水に支障となる水道施設の被害は発生しなかった。主な被害状況は以下のとおりである。・取水施設:生田浄水場第2取水系(上水)さく井群の原水濁度上昇。長沢浄水場から生田配水池への送水を増量して対応した。・導水施設:長沢浄水場内の原水3号連絡管が漏水。潮見台・長沢浄水場間を断水させて対応した。その他、地震動による緊急遮断弁の停止や取水ゲートの動作不良等が発生し、また停電により水位計等の計装設備が停止したが、水運用に影響はなかった。第6節災害対策・危機管理

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