川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
366/810

328る宮ヶ瀬ダムの建設により、両水系合わせて約3億4,000万㎥の貯水容量を獲得した。近年は気候の変動により少雨の頻度が高くなっているが、宮ヶ瀬ダムの本格運用を開始した平成13年(2001)以降は、渇水対策を要する状態には至っていない。 平成25年(2013)並びに平成29年(2017)には、少雨対策として相模川水系と酒匂川水系の2水系の連携と相模川水系の3ダムの総合運用等、ダムや導水路等の施設を活用した効率的な運用で対応した。⑵ 平成25年(2013)夏期の少雨対策 平成25年(2013)は、梅雨時期の降水量が平年より少なく、7月に入り早々に梅雨明けとなった。相模川上流域においては、7月の降水量が過去10か年平均値の25%、8月は35%と記録的な少雨となり、8月下旬には相模川水系3ダム(相模ダム、城山ダム、宮ヶ瀬ダム)の貯水率は70%を下回った。  このため、神奈川県企業庁利水課及び県内の5事業者は少雨対策を協議し、県内の4ダム(相模川水系の相模ダム、城山ダム、宮ヶ瀬ダム、酒匂川水系の三保ダム)を最大限に活用するため、相模川水系からの取水の一部を酒匂川水系からの取水に振り替える2水系間の連携を実施することとし、8月29日から取水振り替え5%を開始した。 また、水道取水や河川維持流量等、必要水量を確保するため、県内の4つのダムに貯留した水を放流して水量を補った。4ダムの合計貯水量は7月1日時点で2億5,526万8,000㎥(貯水率96%)から最低となった9月14日には貯水量1億5,683万5,000㎥(貯水率59%)まで低下した。必要水量を補うために放流した水の量は総量で9,843万3,000㎥、東京ドーム約79杯分に達し、水道取水の確保等に大きく貢献した。 その後、9月15日〜16日にかけての台風18号に伴う降雨により貯水量が回復したため、2水系間の連携を中断、また10月16日の台風26号に伴う降雨により貯水量が平年並みまで回復したため、10月17日で少雨対策は終了した。⑶ 平成29年(2017)夏期の少雨対策 平成29年(2017)は1月からの雨量が平年の50%程度で推移し、特に梅雨時期における相模川上流域の雨量は、昭和40年(1965)の観測開始以来最少レベルとなった。 7月17日には、相模川水系の3ダムの貯水率は67%(平年比の73%)となり、相模川水系と酒匂川水系の2水系間の連携による水源振り替え5%を実施した。7月18日には、上下水道局内にて渇水対策に関する準備会議を開催し、また7月28日には、水源をともにする5水道事業者において、渇水対策等連絡会議準備会を開催し、渇水となった場合の対応等について具体的な検討に入った。 8月7日の台風5号に伴う降雨により、貯水率が一定程度回復し、8月22日に2水系間の第2庁舎の立看板第1編上水道第7章安全・安心のための取組

元のページ  ../index.html#366

このブックを見る