川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
397/810

3593 事業認可の経過昭和26年(1951)6月21日 市議会可決4 工事施行の経過⑴ 起工 当初、工事は全額起債により施行する予定であったが、許可の見込みが立っていなかった。しかし、関係各社から工事の早期完成が強く望まれ、昭和26年(1951)8月に市議会の議決を得て繰り越し金を配水管工事に充てることとし、工事に着手した。⑵ 第1回設計変更 当初計画では、既設配水管の連絡に口径600㎜管を使用する計画であった。しかし、会社工場の需要が増加したため口径1,000㎜管に変更し、昭和27年(1952)3月に市議会の議決を得た。⑶ 第2回設計変更 昭和27年(1952)度末に至っても工事は予定どおり進捗せず、1年の工期延長を余儀なくされた。また、当初計画の一部変更や追加変更等により第2回設計変更を行うこととし、事業費の増額等に伴う変更は、昭和28年(1953)3月に市議会の議決を得た。 設計変更の内容は次のとおりである。①送水管(長沢浄水場〜平間水源管理所間)口径900㎜を950㎜に変更②加圧ポンプ設備工事  配水管の末端における水頭を9mに保ち、給水量を確保するため、市内中瀬町に750馬力加圧ポンプ3台を設備することとした。③平間水源管理所増強工事 本拡張工事完成までの間、長沢浄水場から二ヶ領用水に原水を放流し、平間水源管理所で取水するとともに、ポンプ圧送により配水するため、150馬力送水ポンプ1台を増設した。また、二ヶ領用水とさく井揚水の水質を長沢浄水場の沈でん水と同質にするため、凝集沈でん池を築造することとした。⑷ 工事期間の延長 資金調達が思うように進まないため工事の進捗が遅れ、工事完成予定の昭和28年(1953)度末に至っても、送水管工事及び附帯工事の一部が完成せず、翌年度に繰り越すこととなった。更に、残りの起債許可が昭和29年(1954)度になる見通しのため、1年の工期延長を余儀なくされた。なお、この変更に伴う議案は、昭和29年(1954)3月に市議会の議決を得た。⑸ 事業の完了 各社からの早期給水の要望を満たすため、昭和27年(1952)1月から、配水管路が完成したところから一部給水を開始した。そうして順次給水対象会社を増加し、昭和29年(1954)7月に各社との給水契約に基づく1日10万㎥の給水を開始した。 以後、残工事の進捗に努め、昭和30年(1955)3月31日に全工事を完成し、既施設と合わせて1日18万1,000㎥の施設能力を保有することとなった。第4節第2期拡張事業

元のページ  ../index.html#397

このブックを見る