川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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3633 事業認可の経過昭和31年(1956)3月27日 市議会可決        6月11日 工事施行承認申請        12月15日 施行認可承認 第1次暫定拡張事業の施行認可承認は、昭和31年(1956)6月11日に通商産業省により制定された工業用水法が適用された。4 工事施行の経過⑴ 地質調査と設計変更 川崎市は、昭和31年(1956)8月に通商産業省(現:経済産業省)から補助金交付内定通知を受け、直ちに同省地質調査所の指導のもと、さく井のボーリング工事に着手し、各井の揚水試験を行った。その結果、計画水量の取水が不可能であることが判明したため、当初の設計を変更することとした。昭和32年(1957)8月、通商産業省に設計変更承認申請書を提出し、同年12月7日に承認を得た。 設計変更の概要は次のとおりである。①取水方法 当初計画のさく井は10井で、1井当たり1日2,000㎥の取水を想定した。しかし、試掘の結果、予定の水量が得られないと分かり、さく井位置を変更して1井当たり1日3,000㎥を取水することとした。したがって、7井で1日2万1,000㎥を取水し、1井を予備として8井を築造することとなった。このため水中電動ポンプを8台とし、送水管の管径及び延長も変更した。また、水中電動ポンプが不時の停電等で停止すると水衝圧によって送水管が破損するおそれがあるため、中継する木月ポンプ場を新設し、高水圧による送水方法を改善することとした。②配水方法 国鉄の軌道下横断部分の配水管が、地下埋設物や交通事情等が障害となって路線の迂回を余儀なくされたため、口径800㎜の配水支管を延長することとした。⑵ 工事の完成 さく井の位置変更により当初計画の施行期限を1年延長し、工事は昭和33年(1958)3月31日をもって完成した。同年4月から、本拡張事業の対象工場である日本鋼管へ1日5,000㎥、昭和電工へ1日1万5,000㎥の給水を開始した。第5節第1次暫定拡張事業

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