川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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366第6節 第2次暫定拡張事業1 背景 川崎市千鳥町工業地帯埋立事業の完了に伴い、工業用水道施設の整備は生産力増強上極めて急を要する状況にあった。このため、前節でも述べたとおり、拡張計画基本方針に基づき、第1次暫定拡張事業を実施、昭和33年(1958)3月31日に給水量1日2万㎥の増加を図ることとした。 更なる施設能力の増強を図るため第3期拡張事業の計画を立てたが、第2期拡張事業が完了して間もないとの理由で主務省の承認を得ることが出来なかった。しかし、前述の千鳥町の埋立地帯に通じる幹線道路の舗装を行う関係上、これと並行して配水管を布設する必要に迫られた。このため、第3期拡張事業の一部として千鳥町地区への配水管布設と生田、菅地区の水源用地買収を行うこととし、第2次暫定拡張事業として施行することとした。2 計画の概要⑴ 規模給水量の増量なし(第3期拡張事業の一部として施行したため)⑵ 工事計画①菅地内にさく井を1井新設し、かんがい用としても利用できることとした。②塩浜町から千鳥町に至る配水管を布設し、産業道路の既設管に連絡することとした。③第3期拡張事業の水源として予定される生田土淵及び菅地内に8か所のさく井用地及び管路用地を買収することとした。3 事業認可の経過昭和33年(1958)3月27日 市議会可決4 工事施行の経過 配水管布設工事は、道路舗装との関係から急を要していたため、昭和33年(1958)4月から直ちに着手し、鋭意工事の進捗に努めた結果、同年12月に完成した。一方、さく井工事は用地買収の完了を待って施行しなければならなかったため、翌年度に繰り越すこととなり、昭和35年(1960)3月に完成した。5 さく井用地の取得⑴ 菅地区を選定 水源用地の買収交渉は、すでに昭和33年(1958)1月から開始されていた。当初、水源予定地として中野島地区を選定し買収の折衝に入ったが、地域住民の大多数は買収交渉に応じなかった。そこで川崎市は、やむを得ず予定地を変更し、菅地区に選定し直した。 菅地区では、昭和15年(1940)度から施行した上水道暫定拡張事業で5か所のさく井を築第2編工業用水道第2章高度成長期を支える工業用水道の拡張

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