川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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367造していた。しかし、これらの用地買収に際し、1日5万㎥の取水に起因して地域住民に被害を与えた場合の処置について、川崎市との協定が締結されていなかった。そこで地域の代表者との協議において、本拡張工事の用地買収の交渉に入る前に、改めて協定の締結を要求された。⑵ 協定の締結 川崎市は、上水道第5期拡張事業の水源として、前記の既設さく井5か所から更に1日5万㎥の増量取水を条件として協議を重ねた結果、地域の代表者たちの了解を得て、昭和33年(1958)6月23日「さく井取水増量に関する協定書」を締結した。 川崎市は、この協定の趣旨に基づき、用地買収について具体的折衝に入った。まず、さく井新設により予想される被害(農地かんがい用水に対する支障及び地元市民の飲用井枯渇等)について対策を協議するため、菅地区においては菅町会、菅農業協同組合及び大丸用水土地改良区総代、また、生田土淵地区は土淵自治会、土淵生産組合、明王宿生産組合及び大丸用水土地改良区総代等の関係団体とそれぞれ折衝を重ね、「工業用水道さく井に関する協定書」を締結した。この協定書に基づき、昭和34年(1959)3月には、水源予定地として1,909坪を1坪当たり6,500円で買収することに協議が整い、同年7月に全用地の買収を完了した。6 施設の概要さく井市内菅地内にさく井 口径6m、深さ15m、鉄筋コンクリート造り、1井配水管市内塩浜から市内千鳥町に至る間に配水管を布設し、産業道路沿いに埋設されている既設配水管に連絡口径1,000㎜コンクリートライニング鋼管、延長1,031m口径800㎜コンクリートライニング鋼管、延長859m口径650㎜コンクリートライニング鋼管、延長36m口径450㎜鋼管、延長235m7 事業費及び財源 総事業費1億1,526万2,537円をもって完了した。その財源及び事業費の内訳は次のとおりである。第2次暫定拡張事業 財源及び事業費内訳表(単位:円)財源事業費1 埋立事業会計繰入金50,000,0001 取水工事費6,345,7712 配水工事費79,982,6162 自己資金65,262,5373 土地購入費25,182,3534 事務費3,751,797計115,262,537計115,262,537第6節第2次暫定拡張事業

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