川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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390 (ウ)浄水工事 長沢浄水場内の既設沈でん池1池を改造してその能力を増強するとともに、同場内に新たに凝集沈でん池2池を築造することとした。凝集沈でん池は鉄筋コンクリート造りとし、1池の処理能力は1日5万㎥とした。また、凝集沈でん池から送水管まで、導水きょと導水管口径2.0m、延長432mを設けることとした。 (エ)送水工事 長沢浄水場から菅生・馬絹・千年・子母口・苅宿を経て平間浄水場内の調圧水槽に至るまで、送水管口径1,200㎜、延長1万7,000mを布設することとした。 (オ)配水工事 平間浄水場内調圧水槽から臨海工業地帯の各会社工場へ給水するために、配水管(口径600〜1,700㎜鋼管)2万800mを布設することとした。②計画の変更 本拡張事業は城山ダム建設計画に伴って立案したが、浄水工事及び配水工事の実施に先立ち検討した結果、昭和39年(1964)3月に次のとおり設計変更を行うこととした。 (ア)浄水工事 上水道第6期拡張事業により築造する沈でん池用地が長沢浄水場の外に得られることになり、本拡張による沈でん池は、同浄水場敷地内に新たに2階層式3池を築造することとした。 (イ)配水工事○配水系統の変更 従来の工業用水道の配水系統は、ヒューム管による循環式配水管により給水していたが、管保護の必要から調圧水槽を設け、減圧配水していた。本拡張事業では、既設鋼管路線と新規布設路線を合わせて一系統とし、ヒューム管系統と分離して調圧水槽を介することなく送水管の圧力を有効利用し、新設管路を大幅に節減することとした。○加圧ポンプ設備の築造 ヒューム管系統の加圧を廃止することにより同系統への流入量が1日5万㎥減少するため、平間浄水場において鋼管系管路へ圧力流入する1日5万㎥のポンプ設備を築造することとした。○沈でん施設の築造 鋼管系統(相模川水系及び多摩川水系)とヒューム管系統(相模川水系の一部、二ヶ領水系及びさく井用水)に配水系統を分離したことにより水質格差が生じるため、平間浄水場内に水質改善を目的とする沈でん施設を築造することとした。○計測制御施設の設置 配水系統の分離により、各系統の幹線及び支管流量の制御が容易となった。このため、各系統間の相互融通並びに臨海埋立地の給水状態の均一化を図るよう、両系統の配水幹線及び各埋立地配水支管に、流量、水圧の計測制御施設を設け、平間浄水場から遠隔制御をすることとした。第2編工業用水道第2章高度成長期を支える工業用水道の拡張

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