川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
451/810

413⑵ 中原区上新城漏水事故 平成21年(2009)12月4日0時頃、新城駅前交番より、中原区上新城2丁目11-25番地先の道路上で漏水しているとの連絡があった。0時40分に現地到着した上下水道局職員が道路上の漏水を確認し、施工業者を手配した。そして6時00分から掘削を開始し、12時40分に工水2号送水管の人孔溶接面の亀裂からの漏水であることが判明した。 本漏水事故は市ノ坪漏水事故の直後でもあり、二次災害防止の観点から、人孔蓋の溶接箇所を補強しながら掘削を行った。掘削完了後、漏水量が少量であったことから、送水管の断水を行わずにカバーバンドで人孔部を覆う方法により修理した。19時30分より溶接作業を開始し、12月5日2時30分に修理を完了した。掘削中の漏水状況施行前カバーバンド設置状況2 事故後の対応 本漏水事故を受けて、平成21年(2009)12月10日に川崎市上下水道局工業用水道2号送水管漏水事故調査委員会が設置され、平成22年(2010)5月28日付で「工業用水道2号送水管漏水事故調査報告書」がまとめられた。 本漏水事故は、監視制御装置の保守点検作業により発生したものであり、弁の急閉止に伴う圧力上昇が事故の要因と想定された。そこで、工水2号送水管全線にわたる安全確保の対策として、次の対応を実施した。⑴ 路線巡視及び漏水調査 平成21年(2009)12月2日以降、管路全線の路線巡視及び音聴による漏水調査を実施するとともに、工水2号送水管路のすべての付属設備(仕切弁及び空気弁計44か所)の目視点検を定期的に行った。また、平成22年(2010)1月下旬から3月上旬にわたり、相関式漏水探知機を用いて漏水調査を実施し、当該路線にて漏水がないことを確認した。⑵ 弁のリミッター開度の変更 ウォーターハンマーの抑制対策として、急閉止を起こした工水2号送水管着水下弁について、リミッター開度(設定値以下への閉止を機械的に制限する機能)を変更した。⑶ 監視制御装置保守点検作業の見直し 監視制御装置の保守点検作業により発生した弁の急閉止を防止するため、各種保守点検作業におけるリスクを受託者とのヒヤリングにより検証し、作業手順書の見直しを行った。また、保守点検作業の着手前に作業手順書に基づき、上下水道局職員及び受託者が遵守すべき項目を再確認することを徹底した。第9節工水2号送水管漏水事故

元のページ  ../index.html#451

このブックを見る