川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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415 (イ)リミッター開度の変更による最高圧力の抑制 弁開閉速度を4.8分、リミッター開度を15%とした場合のウォーターハンマー解析を行い、その解析結果と事故当時のウォーターハンマー解析結果を比較した。この結果から、ウォーターハンマーによる圧力上昇を管路の設計許容圧力1.2MPa以下に抑制することが可能であると分かった。そこで、弁開閉速度を変更するとともに、開度リミッターを15%以上に設定変更することとした。なお、リミッター開度の設定に当たっては、3%程度の安全性を見込んで18%とした。②監視制御装置のソフトウェア改良 監視制御装置から工水2号送水管着水下弁の開度を変更する場合は、開閉速度を遅くするため、閉動作と停止とを繰り返しながら閉止するようにソフトウェアの改良を行った。 また、流量等の設定値の入力時には、ヒューマンエラー対策としてオペレータに入力値の確認を求める仕組みとなっている。しかし、本漏水事故のようなオペレータを介さないデータにおいても、弁開度値0%等の通常運用と異なる設定値が送信される場合には、オペレータに確認を求めた上で制御に移行するようにソフトウェアの改良を行った。第10節 工業用水道施設整備事業1 背景 取水の安定性の確保や水源水質の悪化等に対応するため、前述の浄水関連諸施設の整備に続いて、取水関連諸施設の更新及び改良等を実施し、取水所の取水管理の円滑化を図ることを目的として行った。また、配水施設の電気計装設備の改良も併せて実施した。2 工事内容 整備した施設は次のとおりである。①さく井   取水ポンプ設備②稲田取水所 除塵機設備③平間配水所 電気計装設備3 工事期間起工 平成22年(2010)度竣工 平成22年(2010)度4 事業費及び財源 総事業費1億3,032万1,000円をもって完成した。財源は、自己資金の1,332万1,000円ほか1億1,700万円を起債に求めた。第10節工業用水道施設整備事業

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