川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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453第1節水質の変遷配水水質(昭和35年(1960))平均最高濁度9.880鉄(ppm)1.69.04 第3期拡張事業 第3期拡張事業における配水量の増強分(1日25万㎥)は、新水源として多摩川表流水(20万㎥)と菅地内6か所のさく井(5万㎥)に求めた。これを生田浄水場で高速凝集沈でん処理した処理水の水質は良好で、新たに布設した2号送水管で送水した。 また、配水量の増加に応じて3号配水本管を新設し、2号送水管の水に平間浄水場調圧塔水(既設1、2号配水の水)を若干混合して配水した。水源の違いにより水質の異なる工業用水を平間浄水場内の調圧塔で混合できなかったため、既設1、2号配水の水質は水質良好な新水源による希釈効果が得られず、配水系によって水質に差が生じた。配水水質の比較(昭和38年(1963))1、2号配水本管3号配水本管濁度(度)平均114.4鉄(ppm)平均1.40.665 第4期拡張事業 神奈川県相模川総合開発事業計画による川崎市の分譲水1日24万㎥のうち、1日15万㎥を工業用水として長沢浄水場において円形横流式凝集沈でん池で処理し、送水した。更に創設以来の平間浄水場にIS型アクセレーターを建設し、昭和40年(1965)6月から平間系原水(二ヶ領用水、さく井)が除濁、除鉄を主とした新たな処理方式で完全処理されることとなった。このように、工業用水道の浄水施設として必要な設備が整った。 この処理方式の基本的な考えは、川崎市の浄水場における水質処理目標値で濁度10度以下、鉄1.0ppm以下としているが、平間浄水場において、原水が下水的性格を帯びつつある二ヶ領用水と鉄分の多いさく井水との2系統があり、従来、これを別々に硫酸バンドによる凝集沈でん処理をして混合配水を行ってきた。しかし、十分な水質改善が行われないため、次のような考え方で新しい処理方式を導入した。1)さく井水と二ヶ領用水を混合して高速凝集沈でんを行う。2)さく井水に含まれる第1鉄イオンを塩素によって酸化させ、硫酸バンドの代わりに凝集剤として利用する(二ヶ領処理分も含む)。この方法により同時に鉄分の除去が可能となる。3)真空脱水方式による汚泥処理を行う。平間浄水場は汚泥水の排水が不可能な立地にあるため、機械的強制処理を行うこととし、濃縮及びろ過特性を高めるために硫酸及び石灰を添

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