川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
569/810

531の昭和59年(1984)度には累積資金不足額を解消した。また、目標年次経過後においても、効率的な事業運営に努めたこと、社会経済情勢が安定的に推移したことや受水費の軽減等により現行の料金水準を維持していた。しかし、水需要の伸び悩み等によって水道料金収入は増加せず、一方で企業団からの受水費に加えて、第1導水ずい道改良事業費、相模貯水池大規模建設改良事業費、川崎縦貫道路関連施設整備費等の各種事業費の増加により、平成6年(1994)度末には約15億円の資金不足額が生じ、経営の効率化等に努めても、平成10年(1998)度末には累積資金不足額は約227億円になることが見込まれた。 このような財政危機を打開し、財政の健全化を図り、給水サービスの万全を期すため、水道料金の改定を行うこととなった。②公共料金の値上げ凍結 当初、料金等改定案については、川崎市専門委員会の答申(平成6年(1994)5月2日)を受け、同年6月の市議会に上程すべく準備を整えていたが、同年5月20日の「公共料金の値上げ凍結要請」の閣議了解(事務次官通達)や社会経済情勢等、諸般の事情を総合的に勘案して、平成6年(1994)中の料金改定を見合わせた。③議会提案内容 議会に提案された料金改定の基本的な考え方は次のとおりである。1.財政収支計画は、平成7年(1995)度から10年(1998)度までの4か年2.料金改定時期は、平成7年(1995)10月1日3.平均改定率は、26.4%4.料金体系は、次のとおりとする。(1)現行の用途別料金体系を維持し、同一の水量区画とする。(2)平均改定率を一律に各使用者に配賦する。(3)一般家庭の使用に係る料金については、生活用水への影響を考慮する。(4)公衆浴場・共用栓については、その性格及び使用者実態を考慮し、軽減措置を現行どおり継続する。(5)生活保護世帯等に対する基本料金相当額の減免措置は、現行どおり継続する。④議会(委員会)での審議 水道料金等改正案は、平成7年(1995)6月15日から開かれた第3回市議会定例会に上程し、代表質問が本会議で行われた後、第5委員会に付託された。委員会は3日間開催されたが、参議院議員選挙をひかえ、審議日程が十分に取れないため、6月27日の委員会で審議未了の継続審議となった。その後、委員会は4日間の審議を重ねたが決着を見ず、8月7日に臨時市議会を開催し、本会議での決着を図ることとなった。 本会議は、共産党が工業用水道条例・設置条例に対する修正案を、自民党・社会党・市民同志会の 3会派が水道条例に対する修正案をそれぞれ提出した。採決の結果、工業用水道条例・設置条例は原案が賛成多数で可決され、水道条例は修正案が少差で可決された。⑤修正内容 一般専用の11㎥〜100㎥での範囲で、1㎥当たり4円〜5円減額された。また、公衆浴場用・第1節 上水道

元のページ  ../index.html#569

このブックを見る