川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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538第3編経営第3章料金の変遷とお客さまサービスの拡充3 料金徴収 水道料金の徴収に関する業務は、使用水量を算定する検針、使用水量に応じた水道料金の徴収、督促、収納等に分かれる。徴収方法に関しては、利用者を訪問して水道料金を直接集める集金制から、利用者に口座振替、コンビニ、クレジットカード等で支払ってもらう納付制へと移行してきた。また、これら料金徴収に関する業務は、民間活力の有効活用によるお客さまサービスの向上及び業務の効率化を目的として外部委託で行われるようになっている。⑴ 納付制 我が国における水道料金は、水道事業の強い生活必需性から、経済上の理論からではなく、営造物使用という概念の規律を受け、主として負担能力という課税上の原理に基づき、社会的、政治的考慮が払われてきた。川崎市においても、徴収方法は税金に準じて取り扱われ、創設時から昭和14年(1939)10月までの集金制の実施は、納額告知書による払い込みで、集金した水道料金は市金庫へ納入されていた。徴収期間は、当初1か月ごとだったが、大正14年(1925)9月から昭和11年(1936)9月までは2か月ごとの徴収となり、同時に料金の予納制も採用した。更に、不況時の料金値下げの際には再び毎月徴収となった。 ⑵ 集金制度①毎月集金制 納付制は、水道使用者の利便性を考えて見直されることとなり、各都市の水道事業は、昭和初期から集金制に転換しつつあった。川崎市でも、昭和14年(1939)10月から、一部大口使用者を除き、毎月集金制を採用した。1か月ごとの徴収で料金の予納の必要がなくなったため予納制は廃止された。 料金の徴収は、終戦直後の職員不足により、一時一括徴収を行うこともあったが、創設からおおむね毎月検針、毎月集金制を実施していた。②隔月集金制 昭和34年(1959)以降、設備投資の活発化による水需要の増大は、業務量の大幅な増加をもたらし、徴収事務に従事する職員も増加し、経費の節減と事務能率の向上を図る根本的改革が必要となった。また、家庭用1か月の平均使用料は210円と少額で、ガス・電気事業等と比較してはるかに少ないことから、川崎市では昭和37年(1962)4月から隔月集金制を実施した。ただし大口使用者は従来からの毎月納付制を継続し、湯屋営業用も従来どおり毎月集金を行うこととした。⑶ 口座振替制度 この制度は、銀行に普通または当座預金の口座を設けている使用者が、銀行の窓口で銀行口座振替申込書を提出することにより、納入通知書が当局から銀行に送付され、使用者の口座から自動的に水道料金と下水道使用料金が支払われる制度である。なお、領収書は銀行から発送される。利用者は、決まった日に自動的に支払いが出来るという利点があり、市民サービス向上の一つとして昭和44年(1969)11月10日から実施された。 根拠法令は、地方公営企業法施行令(昭和27年政令第403号)第21条の2(口座振替の方法による収入の納付)である。取扱金融機関は、水道局が指定している金融機関の本、

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