川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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540第3編経営第3章料金の変遷とお客さまサービスの拡充ついて局の基本構想を示した。基本実施策としては、以下の三つの方針を立てた。(ア)情報の処理形態としては、検針台帳をコンピュータに総合データベース化・日本語化することにより、必要な情報を必要な形態で即時に提供できるようなシステム化を目指す。また、業務の処理形態については、経理課にOCR(光学文字認識)装置と、検針台帳に代わるポータブルターミナルを設置し、コンピュータと連動させた形態のシステムを開発する。(イ)関連機関との情報連動機能の強化・拡大と、情報サービスの充実としてネットワーク化に取り組む。(ウ)データ処理の即時性及びネットワーク網による情報交換機能等を最大限に生かし、事務の簡素化を追及する。 なお、処理機能はオンライン処理、オフラインバッチ処理、ローカルバッチ処理であり、以下の処理内容を行うこととした。処理機能オンライン処理オフラインバッチ処理ローカルバッチ処理使用する装置各営業所に設置された端末装置を使用ホス卜コンピュータを使用端末装置をオフライン装置として使用処理内容①移動(給水装置、使用者、所有者等)②検索・照会(給水装置、使用者、所有者、調定、収納等)③検針(検針情報の集配信)④調定(定期、随時、追加故障修理代金等)⑤収納(現場及び窓口収納、還付、督促、停水等)その他日計等①水道料金調定②水道料金調定リスト作成③口座振替データ作成④収納マスタ消込⑤検針データ作成⑥未収管理⑦統計⑧マスターメンテナンスその他①POT(携帯型受付端末機)へのデータ登録(検針用)②POTからのデータ読み取り(検針済)③OCRデータ読み取り(納付制納入済通知書) また、システム開発は水道局職員とメーカーのシステムエンジニアとの共同で行った。作業内容としてはシステムの設計、プログラム作成及びテストマスターファイルの日本語化、帳票の見直し等であった。水道局では検討機関として調査課を中心に業務課、営業所等によるプロジェク卜チームを編成し実施案の作成に当たり、その上部組織として検討委員会を設置し開発に当たった。 その後、平成6年(1994)2月にオンラインとオフラインの並行稼働を実施し、同年4月に水道料金業務オンラインが本格稼働した。③料金収納システムの再構築 これまでの水道料金業務等オンラインシステムは、水道料金等に関する検針から収納までの一連の業務を管理するシステムである。本システムは、業務の変化に即した機能追加等によるシステムの複雑化、メンテナンス費用等の高騰化及び開発から20数年経過していることに起因する当時の設計思想と現ニーズとのかい離が顕在化していた。 これらの問題を解決するため、上下水道料金業務等再構築推進委員会及びその下部組織として

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