川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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542第3編経営第3章料金の変遷とお客さまサービスの拡充金融機関、コンビニ等で払込みが出来る「納入通知書」についても同時に発行できるようになったことから、「納入通知書」の現地投函も開始し、業務の効率化を図れることとなった。 HTを導入するに当たり、最大の課題は厳しい財政状況を踏まえた費用対効果等の問題を解消することであったが、当該機器の持っている機能を最大限に活用することで、ホストコンピュータから出力される検針票の作成、納入通知書の封入・封緘、帳票出力業務及び郵送料を削減する等業務を効率化し、導入効果を高めた。 平成12年(2000)当時、水道検針業務において検針時に調定行為まで行う自治体は川崎市が初めてだったため、導入時は業界紙にも掲載され、他自治体からの問い合わせも多くあった。②改修 平成18年(2006)4月には、検針機器経年劣化に伴い新型のHT及び携帯型サーマルプリンタを導入した。平成25年(2013)6月からHTに替え、スマートフォンを検針機器として全国に先んじて使用することとなった。 以下のような背景でスマートフォンを検針に導入し、業務の効率化を図った。1.情報セキュリティを考慮した安全性に優れた技術と環境構築を図れること2.安定性、信頼性、可用性を担保した上で、システムライフサイクルの長期的(10年運用)で安定した運用を可能とした技術を採用すること3.運用・保守に係る職員負荷の軽減化を図ること4.料金系システムとの連携について、効率性・正確性・安全性の向上を図ること⑼ クレジットカード支払い 平成18年(2006)6月7日に公布された地方自治法の改正により、水道料金等、税以外の公金についてもクレジットカードによる納付が制度上、認められるようになった。また、市民からの要望が増えたこともあり、平成22年(2010)9月から10月にかけて水道料金及び下水道使用料のクレジットカード決済導入に対するパブリックコメントを実施し、おおむね肯定的な意見が集約された。このことから、同年11月から12月にかけて委託業者を公募した結果、平成24年(2012)4月にYahoo株式会社と契約を締結した。 クレジット決済を実施する上で課題となったのが、高額なシステム改修費用であった。平成24年(2012)5月に、新料金システムの更新スケジュールに合わせシステム改修を行ったことで改修費用の低減を図った。 また、クレジット決済の実施に当たっては、お客さまのカード番号等の個人情報の保護を最重視し、上下水道局において一切お客さまのカード情報を扱わない申し込み方法を採用した。そのため、クレジットカード支払いの申し込みは申込用紙を使用せず、インターネット限定の申し込みとなった。 支払い方法は、「継続払い」と「都度払い」の2種類を用意した。「継続払い」とは、口座振替及び納付書で水道料金をお支払いいただいているお客さまを対象とし、一度の登録で以降の支払いが継続的にクレジットカード払いとなる方法である。「都度払い」とは、納付書で水道料金をお支払いいただいているお客さまを対象とし、検針月に届ける納付書で都度クレジットカード払いをする方法である。

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