川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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545第1節 上水道②集金業務の法人委託 平成4年(1992)4月に集金業務の個人委託を廃止したことに伴い、増加していた口座振替を主体に、一部納付制と集金制への切り替えとなったが、いずれの徴収方法においても納期限内に支払われないケースが相当数予想されることから、一定期間を定めて未納者宅を訪問し、料金回収をする必要があった。当初、水道サービス公社への一次未納徴収業務の委託と委託集金員の移行を前提に協議を重ねたが、公社側における将来的な対応要員の確保が難しいことから公社への移行は見送った。 そこで、法人委託することにより法人側の弾力的な訪問時間が設定できることから、検針事務委託で実績のある株式会社宅配と第一環境株式会社の2社に委託した。⑶ 上下水道お客さまセンター 上下水道の使用開始・休止、名義変更等の受付、料金及び修繕に関するお問い合わせ対応、その他上下水道に関するお問い合わせについては、これまでは複数部署で行っていた。これらの業務を一元的に受け付ける「上下水道お客さまセンター」を、平成25年(2013)1月1日に開設した。 開設の目的として、次のような内容を掲げた。1.年中無休24時間、いつでも、お客さまのお問い合わせ等の目的を達成していただくためのお手伝いを最大限行う。2.お客さまのお問い合わせ等へ迅速な応対とワンストップサービスを提供する。3.施策の充実を図るため、お客さまの声の収集・分析・説明に努める。4.管理指標により業務全体を管理し、より一層効果的・効率的な業務管理を継続的に行う。 現在、上下水道お客さまセンターの品質向上を図るため様々な活動を行っている。例えば、応答・応対時間の短縮等のため、業務マニュアルの更新やFAQ(よくある質問)の充実を図るとともに、オペレーターの増員やオペレーターを指導するスーパーバイザー等への定期的な研修を実施している。また、上下水道お客さまセンター等に寄せられる意見、要望、お褒めの言葉等を上下水道局内で共有化し、水道メーターの検針業務等の委託会社の業務改善、ICT(情報通信技術)活用による各種届出の効率的な受付の実施を進めるとともに、職員の意識改革や意識向上に繋げている。更に、上下水道お客さまセンターの業務を管理する職員に対しても、知識を継承するための研修を継続的に実施している。5 給水状況の変遷⑴ 創設から戦前まで 創設時の大正10年(1921)度の川崎町における総戸数は、5,121戸、うち給水戸数2,675戸で水道普及率は52.2%であったが、大正13年(1924)度には92.6%と急速に普及した。これには住民の衛生意識が向上し、水道に対する認識が広く行きわたっていたことに加えて、川崎市の給水工事費の月賦支払制度、低所得者に対する公設共用栓の設置も寄与したことと思われる。同年度末における内容をみると給水戸数のうち58%が共用栓(公設・私設)を使用し、給水量のうち約50%が工場で使用されていた。

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