川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
623/810

585第2節 工業用水道⑶ 電力料金の増加等による値上げ 昭和25年(1950)11月に電気需給調整規制の改正により電力使用量の割当が削減されたことから超過電力料金が増加したことや、昭和27年(1952)の電力料金値上げ、諸物価の高騰等の影響を受け、同年9月1日に料金改定を行った。⑷ 第3種・第4種料金の設定 昭和27年(1952)11月1日、従来の第1種を第2種、第2種を第1種として種別を変更して値上げした。また、第2期拡張事業の一部完了により、新たに給水する需給会社に対し第3種料金を設定した。一方、本事業の起債許可が遅れたことから、多額の一時借入れをしたため元利償還額が増大した。その財源を確保するには料金値上げ以外になく、昭和28年(1953)8月と昭和29年(1954)7月の2回にわたって料金改定を行った。 昭和33年(1958)4月の第1次暫定拡張工事完成及び昭和34年(1959)8月の水源増強工事完成により新たに給水する需給会社に対し第4種料金を設定した。⑸ 格差料金を統一 昭和35年(1960)4月、それまで種別ごとで異なる料金を徴収していたことで事務処理が複雑化することから、経営の効率化を図るため、第1種から第4種までの格差料金をまとめて統一料金(基本料金1㎥につき4円、超過料金1㎥につき6円)とした。 また、昭和37年(1962)2月から入江崎ポンプ場の完成により下水処理水の供給を開始することになったため、同年4月から下水処理水料金(基本料金1㎥につき2円50銭、超過料金1㎥につき3円)を新しく設けた。⑹ 元利償還額の増に対応 第3期及び第4期拡張事業は、設計変更等で事業費が増額となったことや、元利償還額が当初の予定より上回ったことに加えて諸物価の高騰等により健全財政を維持できなくなったため、昭和38年(1963)4月に23%の料金値上げを行い、更に昭和40年(1965)4月にも23.1%の値上げを実施した。⑺ 設備投資の増大(昭和44年(1969)6月改定) 昭和40年(1965)の料金改定以降、工業用水道事業はおおむね順調に運営されていたが、中野島堰堤が度重なる災害により全面的に改修を迫られる状態にあった。更に平間浄水場を起点とする1,000㎜配水本管(ヒューム管)の老朽化が著しく、布設路線の交通に影響を及ぼすことが憂慮されていた。このため、中野島堰堤については昭和44年(1969)までの2か年計画による3億1,300万円、配水本管については昭和44年(1969)度から当面5か年計画による15億円の改良工事が必要であった。更に、安定供給を維持するために、第1導水ずい道と水道第7期拡張事業による第2導水ずい道の併用が必要となるため、水道事業に対する負担増が避けられない状態であった。これらのことから、昭和44年(1969)度は8億3,000万円、昭和48年(1973)度末には約40億3,000万円の累積資金不足額が生じる見込みとなった。 そこで、昭和48年(1973)度までの財政計画に基づいて、料金改定を提案し、当初の原案から自由民主党と工業クラブの指摘に基づいて修正を行い、昭和44年(1969)6月1日から実施された。

元のページ  ../index.html#623

このブックを見る