川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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596第3編経営第3章料金の変遷とお客さまサービスの拡充4 その他の給水⑴ 下水処理水の廃止 昭和37年(1962)4月に3社3工場に通水を始めた頃、下水処理水における使用水量の契約水量に対する割合はおよそ80〜90%であった。しかし、昭和47年(1972)度に73.1%となってからは急激に落ち込み、昭和48年(1973)度には59.7%、昭和50年(1975)度には51.8%となり、契約水量(平均)1万8,812㎥/日に対し、使用水量はわずか9,752㎥/日となった。 当初、下水処理水は冷却用水として使用されていたが、管の腐食、臭気、衛生上の観点から次第に用途が限定され、鉱さいや炉体の冷却及び原料ヤード、工場内の散水等、雑用水的な利用目的へと変化していった。 水道局は、昭和46年(1971)度から3か年にわたって下水処理水の工業用水化再生実験を行っている。これは下水道事業が公害防止や環境整備に大きな期待がかけられる状況にあって、工業用水道事業の長期計画に下水処理水を昭和50年代の新しい水源として位置づけるため、十数年の実績に加えて、処理過程や腐食等の問題点を解明することにあった。 しかし、昭和48年(1973)10月の石油ショックが水使用の合理化に拍車をかけ、回収水の増大や設備の近代化に伴う省資源化の徹底により、下水処理水の比重を低下させていった。この結果、下水処理水の供給は昭和52年(1977)11月1日から休止し、平成7年(1995)10月に廃止された。昭和45年(1970)〜昭和52年(1977)度 下水処理水の推移(単位:㎥)年 度年度末契約水量配水量使用水量使用水量契約水量契約会社・工場数日契約水量年間水量1日平均年間水量1日平均1日最大年間水量1日平均昭和45年(1970)2・218,8006,862,00018,8006,209,14017,011(4月23日)19,6605,622,56915,40481.9%昭和46年(1971)2・218,8006,880,80018,8006,549,44017,895(7月24日)20,7006,364,13217,38892.5昭和47年(1972)3・318,8506,864,95018,8085,245,30014,371(11月6日)19,9405,021,48413,75773.1昭和48年(1973)3・318,8506,880,25018,8504,343,17011,899(8月29日)21,4004,105,25711,24759.7昭和49年(1974)3・318,8506,880,25018,8504,715,87012,920(8月14日)15,3504,398,26712,05063.9昭和50年(1975)2・218,8006,885,35018,8123,890,57010,630(7月4日)14,0403,569,385 9,75251.8昭和51年(1976)3・319,8007,197,00019,7184,132,45011,322(10月5日)19,1503,642,647 9,98050.6昭和52年(1977)3・319,8003,469,200 9,5052,197,760 6,021(4月2日)17,8602,064,619 5,65659.5昭和52年(1977)11月1日以降給水停止、平成7年(1995)10月廃止。

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