川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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597第2節 工業用水道⑵ 清掃局処理用水の供給 川崎市清掃局(現:環境局)では人口増加に伴うゴミ・し尿等の廃棄物の増大に対処するため、終末処理施設の整備や処理能力の増強に迫られていた。また、処理に伴う用水の確保も不可欠であったため、昭和42年(1967)2月、水道局に対し工業用水の供給を依頼した。そこで、水道局で検討した結果、工業用水としての供給は出来ないものの、清掃事業の切迫した状況を考慮すると、処理用水を確保することで住民福祉の増大に多大な寄与をもたらすと判断し、市内部の運用で工業用水道料金に準じて費用負担させることにより、昭和44年(1969)11月1日から加瀬、堤根、臨港の3処理場に処理用水の供給を開始した。また、休止していたさく井の代替として稲田取水所内に工業用水道管8号さく井を築造し、給水能力の確保に万全を期すことにした。 その後、昭和48年(1973)に水需要のひっ迫による水資源の有効活用を目的とした通商産業省(現:経済産業省)から「工業用水道からの雑用水の試験的供給について」の通達があり、供給能力に一定の余剰が生じている場合には工業用水道からの「雑用水」として処理用水を供給できることが明確になった。そこで、平成13年(2001)4月1日から環境局と工業用水(雑用水)需給契約を結んで供給している。5 水道用水の補てん⑴ 水源開発・高度利用についての覚書 昭和41年(1966)3月に完了した第4期拡張事業で、給水能力は1日62万6,000m³となった。しかし、今後も工業用水道の需要増加が予想されることや、既存の水源に枯渇化等の傾向が見られることから、新規に水源を開発する必要があった。そこで、同年12月27日、神奈川県知事と川崎市長との間で「水資源の新規開発ないし高度利用に関する水配分についての覚書」が交わされ、川崎市は、県内の新規開発水量の中から工業用水道分として1日27万6,300m³の配分を受けられることとなった。

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