川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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607計上したが、昭和53年(1978)に加入金の改定を行い、昭和55年(1980)度には11億3,316万円となった。一方、営業外費用の支払利息及び企業債取扱諸費は、昭和55年(1980)度に41億3,980万4,104円と、昭和49年(1974)度の29億174万4,920円に比べて大幅に増加した。このため収益的収支では昭和51年(1976)度から3年間は純利益を計上したものの、昭和54年(1979)度には純損失4億1,021万9,961円、翌年度にはその約6倍となる24億5,100万8,035円の純損失を生じた。 資本的支出のうち企業債償還金は、昭和49年(1974)度が23億1,775万2,734円、昭和55年(1980)度が18億1,224万1,038円となった。資本的収入不足額は、昭和49年(1974)度は27億594万5,543円で、このうち13億668万1,050円に対しては、損益勘定留保資金等をもって充当したが、なお不足していた13億9,926万4,493円は、一時借入金で措置した。その後も資本的収入不足額に対しては、同様の処理を行った。累積資金不足額は、昭和49年(1974)度では約50億円、昭和51年(1976)度では約63億円、昭和55年(1980)度では約71億円であったが、料金改定等によって財政危機を切り抜けてきた。8 健全化へ向かう水道財政 昭和56年(1981)度の給水収益が174億6,194万9,958円に対し、純利益は34億6,890万4,570円を計上した。受水費は109億5,027万500円で、給水収益に対して約63%を占めていた。 昭和57年(1982)度には、前年度9月に料金改定を行ったことで、財政状態が好転し給水収益が213億6,886万8,427円に対し、純利益は34億6,890万4,570円となった。また、昭和58年(1983)度には、給水収益が216億8,997万4,186円に対し、39億4,473万6,199円の純利益を生じた。 昭和59年(1984)度には、給水収益が222億9,176万1,453円に対し、46億3,479万7,574円の純利益を生じた。前年度末の資金不足額16億7,280万3,138円は、昭和59年(1984)度で解消し、当年度末における資金残額は19億7,157万9,992円を計上し、財政の健全化を達成することが出来た。これは昭和56年(1981)の料金改定後、料金収入の伸び悩みはあるものの諸物価が引き続き安定して推移したこと等によるものと思われる。受水費は110億6,856万5,000円で、給水収益に対して約50%とわずかながら下がった。 昭和60年(1985)度は、神奈川県内広域水道企業団からの川崎市配分水量のうち、日量50,000㎥を同年度から相模川水系の用水供給が開始されるまでの間、災害、事故等の緊急時における円滑な水運用を図るため、企業団の保有水量としたことにより、受水費の負担が年間10億7,675万円軽減され、同年度決算では51億9,583万4,707円の累積資金残額が生じ、純利益は47億6,064万1,536円となった。 以降の純利益は、昭和61年(1986)度47億2,519万9,548円、62年(1987)度42億8,369万8,780円、63年(1988)度42億5,552万2,590円、平成元年(1989)度37億5,876万1,919円、2年(1990)度30億8,390万1,030円を計上し、引き続いて健全財政を維持することが出来た。第1節 上水道

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