川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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614第3編経営第4章健全な財政基盤の確保年(1998)度までの4か年の財政健全化計画を策定し、平成7年(1995)10月に料金改定(改定率12.2%)を行った。この改定では昭和49年(1974)度以降、水資源枯渇に伴う補填水を臨時措置として水道事業の余裕水に求め、これに伴う同事業への分水負担金を納付金として契約者から徴収していた。しかし、平成7年(1995)10月の料金改定では、臨時的措置を解消し、納付金の水道料金への一本化を図ることにより、納付金を廃止することとした。 その後、工業用水道料金等の事業収益がほぼ予定額どおりであったこと、また、諸経費の節減等に努めたことにより、平成13年(2001)度末では36億4,051万3,669円の累積資金残額を計上し、健全財政を維持することが出来た。12 更なる経営の効率化 更なる経営の効率化を目指して、平成12年(2000)度以降、部の統廃合を含む効率的な執行体制の見直しにより職員数の削減を行った。決算人員については、平成11年(1999)度の147人と平成22年(2010)度の99人とを比較して48人の削減(削減率32.7%)を行った。給与制度については、平成18年(2006)に、社会経済情勢、勤務形態、業務内容の変化等を踏まえ、特殊勤務手当の見直しを行った。給与制度の見直しによる財政効果は、平成18年(2006)度1,287万9,000円から平成21年(2009)度6,044万6,000円と拡大した。これら職員定数・人件費の削減等による経営の効率化、今後の施設更新に備えた建設改良費の抑制等により、平成21年(2009)度末時点で、約56億円の累積資金残額を計上した。 こうしたことから、事業環境の変化を踏まえた目指すべき料金体系の見直しと平成22年(2010)度における給水能力の見直しにより使用者負担を軽減するため、同年4月に-10.7%の減額改定を行った。  また、工業用水道においても、水道と同様に給水能力と配水量のかい離を是正するため、平成18年(2006)に「川崎市工業用水道事業の再構築」を策定し、平成21年(2009)度から順次、取水・導水・浄水・送水各施設の更新、新設を行った。 この再構築計画に伴う施設整備は、平成28年(2016)度に完了したが、これらの取組により経営の効率化が図られ、安定的な純利益が計上できる状況となった。13 新地方公営企業会計基準の適用 地方公営企業会計制度は、取り巻く環境が事業拡大の時代から人口減少による更新・縮小の時代へと変わる中、昭和41年(1966)以降大きな改正が行われていなかった。一方、企業会計基準は頻繁に見直しが行われ、事業の財政状態及び経営成績をより適切に表示できるものとなっていた。民間企業との比較分析を容易にするためにも企業会計制度との整合を図るため見直しが行われ、工業用水道事業会計においても、平成26年(2014)度から新基準を適用した。

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