川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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620第3編経営第5章お客さまとのコミュニケーション7 首都圏事業体共同広報 平成22年(2010)から毎年夏に、首都圏の七つの水道事業体(埼玉県企業局、千葉県水道局、東京都水道局、神奈川県企業庁、横浜市水道局、川崎市上下水道局及びさいたま市水道局)は、水道水のイメージ向上を目的として、都県域を越えた広報キャンペーンを共同して行うこととなった。更に、平成28年(2016)からは茨城県企業局が加わり、八つの水道事業体でこのキャンペーンを行うこととなった。 この広報キャンペーン実施に先立って参加水道事業体は、各事業体で行われた水道キャンペーンの実施効果について意見交換を行い、広報キャンペーンを行う媒体、掲載場所、テーマ、時期等を慎重に検討した。その結果、毎年、テーマを定めてポスターを作成し、首都圏を走る鉄道車両の窓上広告(夏期に1万3千枚)の掲出、各事業体庁舎にポスター(B1・B3サイズ)コラムこれからも手をつないで~水源のまち山北と川崎~ 山北町役場から話が来て、川崎市と交流事業をやるって最初に聞いたときは驚いたけど、ワクワクしたね。どんなことをやってみようか、共和の皆で相談して、本当に心が躍ったよ。 でもいざ山北町、川崎市上下水道局、共和のもりのメンバーで会議が始まったら、なかなかうまくいかなくってな。みんな自分の主張ばかりして。まずは山がちゃんと整備されてないといい水は作られない。だから山北町も共和も、川崎市に人手不足を補ってもらって山の担い手を育てたくてしかたなかったんだ。でも神奈川県と山北町と川崎市との協定は、あくまで「交流事業」っていう水源ツアーをやることになっていて、そこでお互いの考えがすれ違っちゃってて。 平成24年の4月から何度も会議を開いて話し合って、そんな根本的な話から、交流事業の内容や役割分担、いろんな細かいことを相談して決めて、本当に大変だったけど、8月に初めての交流事業を実施することが出来て、そこで川崎から来た子どもたちの笑顔を見たら、そんな苦労は吹っ飛んだね。ヤマメのつかみ取りで大はしゃぎしたり、流しそうめんを流す竹にそうめんだけじゃなくいろんな食べ物を流して大笑いしたり。本当に楽しそうで、やってるこっちも大満足だったよ。 そのうち水源ツアーだけじゃなくて、川崎市の小学校に行って出前教室をやったり、川崎市のまちづくり局の木材利用の委員会に参加するようになったり、どんどん川崎市との繋がりが強くなって…。他の団体からも声がかかったりして、いろんな方面に広がっていったんだ。 初めての交流事業から3年が経って、川崎の最初の担当者が異動するって挨拶に来て、「最初は『協定を結んだから水源ツアーを実施しなさい』って突然仕事が下りてきて、仕事は増えるは、会議は揉めるはで本当にしんどくて、正直嫌々だったところもあったけれど、『山を守っていきたい』っていう皆さんの熱意に動かされて、いつの間にか自分から水源ツアー以外にも何かできないか考えるようになっていました。」って言われた時には、涙が出たよ。後にも先にも会議なんかで泣けたのはあの時だけだったな。 今でもいろいろなことをチャレンジしてて、山北町も共和もどんどん面白いことになってる。でもそのスタートを川崎市上下水道局と一緒に切れて、本当に良かったと思ってるんだ。NPO法人 共和のもり 理事長 大野 博世 氏

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