川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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626第3編経営第5章お客さまとのコミュニケーション⑵ 新しい広報施設の建設への構想 再構築事業完了後、長沢浄水場は川崎市唯一の上水の浄水場となり、市内の小学4年生の校外学習、市民や国内外からの視察を合わせ、年間1万人を超える見学者が訪れる施設となった。そのため、子どもたちや視察者等にも対応できる充実した研修施設や展示施設等を備え、浄水場見学の拠点としての機能も併せ持つ広報施設を長沢浄水場内に整備することとし、平成29年(2017)度からの開設に向け、平成27年(2015)度に基本実施計画を立案した。 新しい広報施設を整備するに当たり、事業費や施設規模、見学者の動線等を総合的に比較検討した結果、再構築事業完了前まで使用していた活性炭注入棟を改修し、広報施設を整備することに決定した。この活性炭注入棟は、再構築事業完了に伴い不要となったが、この棟の2階部分が6mと階高が高く、既存建物の柱や梁を生かして3階建てにできる等の利点があったことから、新設するよりもこの棟を改修した方が適切だと判断したためである。 広報施設整備のコンセプトについては、様々な角度から検討を行った。まず、小学生の施設見学の学習機能については、水道水を作る過程を総合的に学習してもらうため、研修やビデオ上映を行う大会議室、浄水場の仕組み等が理解できる展示室、水循環や自然流下の仕組み等が実感できる体験学習室等の整備を検討した。次に水道技術等の広報機能については、川崎市や我が国のすぐれた水道、下水道の技術や最先端の環境技術等、国内外の視察者を対象とした展示物や資料等を集め、様々な情報発信が出来る専門エリア等の整備を検討した。なお、整備を進めるに当たっては、小学校教諭、児童、更には市民、企業等、幅広く意見を聴取していくこととした。⑶ 長沢浄水場広報施設完成記念式典 平成29年(2016)6月10日に、長沢浄水場広報施設の完成記念式典を実施した。式典では、福田紀彦川崎市長が「水循環の流れに沿って、川崎の水道の特徴である自然流下の水道システム等をしっかり学び、水を大切にしようという心を育んでもらいたい。子どもたちの笑顔があふれる学習の場になれば」と挨拶した。また、この式典の中で、広報施設の愛称を川崎市内の小学4年生に募り、47校505点の中から「水とかがやく未来館」が選ばれたことも発表し、表彰した。2 施設の概要 見学棟では、コンセプトにある水循環や自然流下の仕組みを理解してもらうために3層構造で展示を行っている。見学棟のレイアウト

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