川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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647第3節 小水力発電を企業会計の中で示すことで、環境に関してどれだけ経営資源を投入し、どれだけの成果を上げたかを測定するものである。 環境省においては、環境会計への取組を支援するために、環境会計に関する共通の枠組みを構築することを目的として、平成11年(1999)3月に初めてのガイドラインが定められた。以来、数度の改訂を経て、平成17年(2005)2月に「環境会計ガイドライン2005年版」が公表され、広く用いられている。2 上下水道局での取組 水道事業において平成14年(2002)度から、工業用水道事業及び下水道事業において平成16年(2004)度から環境会計を導入し、「環境計画年次報告書」の中で公表しており、環境会計の導入には、以下のような効果が期待される。・環境保全への取組を定量的に評価することで、より効率的で効果の高いものにしていくことができる。・環境会計を作成することによって、環境保全への取組の状況を報告するとともに、職員の環境意識向上を図り効果的な環境施策を実施し、今後の事業運営に反映させていくことができる。第3節 小水力発電1 導入計画の背景 川崎市は、地球温暖化防止への挑戦として平成10年(1998)10月に「地球環境保全のための行動計画」を策定した。この計画の目的は、地球環境問題とライフスタイルや社会経済システムとの関連を明らかにし、市民、事業者、学校、行政、すべての主体の具体的な行動計画を策定することで、地球温暖化をはじめとする地球環境の保全を各主体が協力して実施することである。特に、二酸化炭素等の排出削減が大きな課題となる中で、川崎市としての取組の方向や具体的内容を示しており、環境負荷低減に向けた目標として、資源の利用に当たっての環境配慮が求められている。 そこで着目したのが、小水力発電や太陽光発電等の再生可能エネルギーである。小水力発電とは、一般河川、ダム、農業用水、上下水道の水を利用して水車を回して発電する小規模の水力発電である。水道局においても、豊富な水力資源があり送水時の高低差を利用して発電が可能であることから、小水力発電の導入が検討された。2 計画の概要⑴ RPS法と水力発電 環境への配慮を踏まえ、各種新事業手法を検討する中で小水力発電を立案したものの、発電機のイニシャルコスト・ランニングコスト、また各種取扱主任技術者の養成等、新たな経費を水道料金で負担するメリットが得られず、計画を断念せざるを得なかった。 しかし、平成15年(2003)4月、電気事業者に対して新エネルギー等を利用して得られる

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