川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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648第3編経営第7章地球環境への配慮電気を一定量以上利用することを義務づけた「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法(RPS法)」が施行され、電力会社は購入できる自然エネルギーを求めており、共同でこの課題に取り組むことにより双方にメリットがあることが判明した。 そのビジネススキームを保有していた民間企業と共同でこの事業に取り組むことにより小水力発電がスタートした。自己資金で設置した発電機による電力を、自己で消費または売電する例はこれまでも行われたが、地方自治体と民間企業による共同事業としての小水力発電は、全国でも初めての試みとなった。⑵ 発電の経済性 小水力発電は、未利用の水力資源を有効に活用する発電方式である。水道局にも未利用のまま、減圧弁等で位置エネルギーを消費する管路が数か所あり、これらをすべて調査した結果、経済性・長期安定性・水利権等のハードルをクリアできる場所で、実際に発電を行うことと なった。 発電した電力は、高圧連系で直接電力会社に売電し、その収益を民間企業が受けとり、発電機に係る各種コストを差し引いた利益を両者で配分するため、水道局は発電機の設置場所や管路、位置エネルギー等の提供で、地球環境に貢献すると共に、収益を得ることが出来る見通しとなった。3 取組の経過 平成15年(2003)6月に民間企業と小水力発電を共同事業として行う基本契約書を締結し、翌年4月から第1号となる江ヶ崎発電所の発電を開始した。 その後、平成18年(2006)9月から第2号となる鷺沼発電所の発電を開始し、平成28年(2016)5月からは第3号となり、川崎市の工業用水道事業初の平間発電所の発電を開始した。発電機の設置場所(イメージ)マイクロチューブラ水車平間発電機

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