川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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6494 発電の効果 落差36.1mの潮見台配水池~末吉配水池を結ぶ送水管に170kW(江ヶ崎発電所)、落差13.1mの長沢配水池~鷺沼配水池を結ぶ送水管に90kW(鷺沼発電所)の横軸プロペラ水車を取り付け、年間約107万kWhの水力発電を行う。江ヶ崎発電機のレイアウト江ヶ崎発電機 また、工業用水道の水源として平間調整池は、上水からの給水を受ける際の、落差32.5mを利用して得られる121kW(平間発電所)のフランシス水車を取り付け、年間約86万kWhの水力発電を行う。三つの発電所の合計で、年間発電量約193万kWhが見込まれ、世帯数に換算すると、約480世帯の年間使用電力量に相当する(※1世帯4,000kWh/年として計算)。 第4節 太陽光発電1 長沢浄水場⑴ 計画 平成18年(2006)に策定した「川崎市水道事業の再構築計画」では当初、ピーク時に使用電力を抑えることを目的に、ろ過池に設置する毒物等の投入防止用の覆蓋の上に200kWの太陽光発電設備を導入することとしていた。また、非常時は自家発電設備により長沢浄水場全体で必要となる約1,500kWの電力を賄うこととしていた。 その後、東日本大震災において、沿岸部のコンビナートが被害を受けたことで自家発電設備の燃料確保が困難な状態となったため、給水に影響を及ぼすのではないかとの懸念が発生した。このため、環境負荷の低減に加え、今後の災害等を考慮して給水に支障のない自立型のエネルギー対策が求められた。 整備に当たっては、「環境にやさしい水づくり」を基本コンセプトとした長沢浄水場の施設整備の一環として、「創エネ・蓄エネ・省エネ」を実現する太陽光発電設備の導入を検討した。導入に当たっては、通常時だけではなく、大規模地震による被災等の非常時も想定し、信頼性、安定性及び経済性に優れたシステムを実現するため、平成24年(2012)度に公募型プロポーザルを実施し、資格要件を満たす者から広く技術提案を求めた。第4節 太陽光発電

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