川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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663第5節 菅さく井の有効利用第4節 長沢浄水場用地の有効利用 施設再構築事業により生じた長沢浄水場の更新予定地を有効活用し、水道料金以外の収入確保を目的として、有償貸付を実施することとした。 ただし、貸付用地部分が浄水場と同一敷地内のため、安全で安心な飲料水の安定供給及び安全性の確保を阻害しないこと、地下埋設構築物への影響を与えないこと、責任体制の明確化等を貸付の基本条件とした。 また、複数の学校法人からグラウンドとしての利用要望を受けたことから、学校法人のグラウンドとしての利用が有効活用策として最適であると判断し、学校法人がグラウンドとして使用及び管理するという条件を附した一般競争入札を平成29年(2017)9月に実施した。 平成29年(2017)12月に貸付期間を平成30年(2018)7月から令和10年(2028)6月までとした契約を締結し、学校法人による施設利用が令和元年(2019)5月から開始された。第5節 菅さく井の有効利用1 計画の背景 多摩区にある菅さく井については、これまで生田浄水場の水道及び工業用水道の水源として利用してきたが、平成27年(2015)度末に浄水場の再構築事業が完了したことに伴い、生田浄水場は工業用水道専用の浄水場となり、水道水源としての利用は終了した。そこで、取水停止後の水質調査やそのデータを用いた水質的評価を行い、水道水源として廃止や停止中のさく井の中で水質良好なさく井を有効利用することになった。2 有効利用の方向性 工業用水道の水源(農事用利用を含む)【工水用】等として、引き続き利用するため、再構築事業の完了に伴いさく井を有効利用する方向性を次のとおり定めた。⑴ 災害時の備え【災害用】 大規模災害時においても被災者の生命維持を図るため、地域の方々に飲料水を供給する「災害用の井戸」として利用する。災害時には、可搬式膜ろ過装置内蔵のエンジンポンプにより地下水を採水し、膜ろ過処理と消毒を経て、仮設の浄水タンク及び給水スタンド等により飲料水を供給する。有効利用の方向性

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