川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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666第3編経営第9章水道事業の中長期展望・上下水道ビジョンの策定第1節 水道事業の中長期展望 (平成13年(2001)4月策定)1 背景  創設から80年目を迎えようとしていた川崎市の水道事業は、老朽化した施設の大規模更新や耐震化をひかえる一方で、水需要の低迷から料金収入は横ばい、もしくは下降傾向にあり財政は厳しい状況であった。こうした状況下で、限られた財源を有効活用し、効率的に事業を執行するには、長期的な構想に基づき施策を推進していくことが必要であった。 そこで、川崎市水道局の事業経営について、事業全体を施設、財政、組織等の面から評価・検証し、今後実施すべき施策を整理するため、平成12年(2000)6月に「川崎市水道局経営問題検討スタッフ会議」を設置した。会議での検討結果を取りまとめ、水道及び工業用水道事業の将来のあるべき姿を展望し、これに向かう方向性や具体的な取組等を示した「中長期展望」を平成13年(2001)4月に策定した。2 概要 21世紀を迎える水道事業に求められたのは、質的にも量的にも良好な水を供給することにとどまらず、環境保全に対する取組や市民ニーズの高まりに応えるための取組等を積極的に実施し、なおかつ、健全な経営管理を継続していくことであった。「中長期展望」は、川崎市水道局の今後進むべき方向性を示すとともに、実施すべき施策を体系づけることにより、これを明確にするものである。 水道事業の基本的な目的は、市民に安全な飲み水を確実に供給することであることから、これを達成するための施策体系を「安定した飲み水づくり」、「環境にやさしい水づくり」、「豊かさが感じられるサービス」、「たゆまぬ経営努力」の四つの柱で構成し、各々の施策は、これを実現するための計画・具体的事業で構成することとして、中期(平成13年(2001)度〜17年(2005)度)の財政計画を付した。各々の事業は、この中長期展望に示された方向性や具体的目標に基づいて実施していくこととした。中長期展望施策体系の4本柱

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