川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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39 この認可申請に際し、当時田島町は、民営の橘樹水道株式会社の給水区域内であったため、同社の給水区域からの除外を申請し、大正15年(1926)3月19日に認可された。次いで、同月24日に水道使用条例も認可され、上水道組合は、従来の川崎市特別会計水道費に属する設備財産一切の権利義務を継承し、発足することとなった。 組合の組織は、組合長を川崎市長、組合助役を田島町長とし、組合会議員は、川崎市及び田島町の議員をもって構成された。2 計画の概要⑴ 規模給水区域田島町一円計画給水人口1万2,750人1人1日最大配水量3立方尺(83.4L)1日最大配水量3万8,250立方尺(1,063㎥)⑵ 工事計画 大正15年(1926)3月31日をもって完了した第1期拡張事業に引き続いて、現有設備の余剰水の一部を田島地区に供給するため配水管布設工事を施行することとした。なお、同給水区域内にある工場の使用量は、当時、すでに計画中であった第2期拡張事業によるものとした。配水管は、3インチ(76㎜)から8インチ(203㎜)までの鋳鉄管とし、新川通り地先において、既設8インチ(203㎜)配水管から分岐し、順次管径を細め、給水区域内へ至る延長6,194間(1万1,260m)を布設することとした。3 事業認可の経過大正15年(1926)6月7日事業認可申請、起債許可申請10月30日事業認可、起債許可4 工事の施行 工事は計画どおり直営で施行し、昭和元年(1926)12月末に完成通水するに至った。5 事業費及び財源 当初、工事費は10万6,000円であり、全額起債により施行することとしたが、起債額は10万円に修正された。工事費は10万8,531円であった。第3節 第2期拡張事業1 背景⑴ 田島町との合併 前節のとおり、川崎市の水道は、川崎市田島町上水道組合によって経営されることとなったが、これはやがて川崎市と田島町との合併を促進する結果となった。 組合設立を契機として、再び起こった合併運動は、大正15年(1926)を迎えて一層その機運が高まり、同年2月4日には最初の合併委員会が開かれた。その後、会議を重ねた結果、同第3節第2期拡張事業

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