川崎市水道百年史 川崎市上下水道局
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55第5節配水管増設工事ていた。更に、日中戦争による軍需工業関係の工場が飛躍的に増加したため、市内の至る所に配水管の布設が必要となった。2 昭和13年(1938)度配水管増設工事⑴ 計画の概要 昭和13年(1938)度配水管増設工事は、工事費46万円を計上し、配水管布設区域は、大師、浅田、渡田、御幸西部、中原、日吉及び高津方面と63線にわたり、鋳鉄管口径100㎜から口径350㎜、延長3万1,569mを布設することとした。⑵ 事業認可の経過昭和13年(1938)2月25日市議会可決6月15日事業認可、起債許可申請11月10日事業認可(条件付)昭和14年(1939)1月9日起債許可⑶ 工事施行の経過 認可の条件により、管径を順次縮小する一方、主として口径の大きいものに高級鋳鉄薄手管を使用し、一部引抜鋼管及びエタニットパイプに変更し、実施することとした。口径150㎜〜300㎜延長1万3,935m 高級鋳鉄薄手管口径75㎜〜300㎜延長 4,863m 引抜鋼管口径75㎜〜100㎜延長1万4,186m エタニットパイプ計延長3万2,984m 工事は日中戦争による物資の統制等の影響を受け、資材の購入も思うようにならず、また、労力も次第に不足した。 昭和14年(1939)8月19日に同年度末までの工期延長の認可を得たが、日中戦争の長期化に伴い資材・労力は一層不足し、工事は予定どおり進捗せず、順次繰り延べを余儀なくされ、昭和17年(1942)度にようやく完成した。⑷ 事業費及び財源 当初、工事費46万円のうち、43万円を起債に求め、残額3万円を自己資金によることとしたが、起債は40万2,600円に減額許可となったため、工事費は、この許可額に前述の3万円を加えて、43万2,600円をもって着工することとした。 工事は、延期に延期を重ね、昭和17年(1942)度に自己資金を新たに加えて、総額47万1,302円7銭をもって完成した。昭和13年度配水管増設工事の財源及び事業費の内訳は以下のとおりである。配水管増設工事 財源及び事業費内訳表(単位:円)財 源事業費1 市債402,600.001 工事費471,302.072 自己資金68,702.07計471,302.07計471.302.07

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