The Kawasaki City Council News 議会かわさき第138号 令和5年(2023年) 5月1日発行 2019.5 2023.5 4年間を振り返って 市議会議員の任期は4年です。令和元年東日本台風や新型コロナウイルス感染症など、 これまでにない出来事が起こり、対応が求められた4年間でした。 非常時においても、市民の生活を守り、市政を進めるために 市議会が行った活動などを紹介します。 およよん 令和元年東日本台風の復興に向けた取組  災害救助法及び激甚災害が適用された令和元年東日本台風への市の対応に関する検証結果について、2年4月の第2回臨時会にて市長から行政報告を受けました。また、同年の常任委員会において被害状況や排水樋管(ひかん)ゲートの改善後の操作手順などを確認しました。  その後も、浸水対策や避難所運営の在り方、地域防災計画の修正案などについて、きめ細かく審議し、防災力向上に向けて取り組みました。 市民ミュージアムの視察 山王排水樋管(ひかん)の視察 議会運営での取組  議会でクラスターを発生させないため、2年第2回臨時会から議場には約半数の議員のみが1席ずつ間隔を空けて着席して、議場に出席していない議員は控室でインターネット中継を視聴(または議場傍聴席で傍聴)するなどの感染対策を行いました。 オンライン会議システムによる委員会の開催  国から、感染予防などを目的に委員会に限ってオンラインでの開催が認められたことを受け、市議会で検討・協議を重ね、4年4月からオンラインによる委員会の開催を可能とし、5年3月までに計18回開催しました。 コロナから市民を守る取組  2年4月に策定された市緊急経済対策に基づき、国の緊急経済対策等の活用や市単独事業により、「生命を守る、生活を守る、経営を守る」の3つの視点から、さまざまな対策に取り組みました。  同年5月の第3回臨時会にはこれらを実施するための一般会計補正予算案が提出され、特別定額給付金の支給、プレミアム付き商品券の発行など、速やかに実施するべき対策について審議しました。また、本予算案について、議会は事業者への協力金などの支援策を速やかに行うべきとの附帯決議を付して可決しました。  同年6月の第4回定例会では、国の地方創生臨時交付金に対応するため会期を延長し、追加補正予算案を審議・可決しました。その後も国から示されるコロナ関係予算等に柔軟かつ迅速に対応し、補正予算案や条例改正議案をきめ細かく審議しました。  このほか、新型コロナウイルス感染症に対応する医療関係者への支援の充実や、医療提供体制の確保に係る緊急包括支援交付金について、県宛てに意見書を提出しました。また、コロナ禍で悪化した厳しい地方財政に対処するため、地方税財源の充実確保について国に対して意見書を提出しました。 議決・採択した主な条例・意見書 ●差別のない人権尊重のまちづくり条例(元年第5回定例会)  本邦外出身者に対する不当な差別的言動、インターネットを利用した人権侵害などの人権課題が生じている状況を踏まえ、議決しました。また、本邦外出身者以外の市民に対しても、不当な差別的言動による著しい人権侵害が認められる場合には、必要な施策および措置を検討することなどの附帯決議を付しました。 ●犯罪被害者等支援条例(3年第4回定例会)  元年5月に多摩区で発生した殺傷事件を受け、被害者の心のケアの実施などについて元年第3回定例会で決議しました。その後、犯罪被害者やその家族に対し、経済的負担の軽減や日常生活の支援等を行うための規定を明記した条例を議決しました。 ●不妊治療への保険適用の拡大及び助成制度の拡充を求める意見書(2年第6回定例会) ●出産育児一時金の増額を求める意見書(3年第3回定例会)  上記2つの意見書を国に提出しました。その後、国において議論が行われ、4年度には不妊治療の保険適用、5年度には出産育児一時金の増額が行われました。 その他の条例、意見書等は市議会ホームページに掲載しています。 開かれた議会のために  障害者や高齢者等、聞き取りが困難な方でも傍聴しやすいように、元年第4回定例会から、主に健康福祉委員会が開かれる委員会室に「ヒアリングループ」を設置しました。これにより補聴器や人工内耳でより鮮明に聴き取ることができるようになりました。 タブレット端末によるペーパーレス化の推進  タブレット端末機を導入し、文書共有システムによるペーパーレス化の検討を進め、委員会での実施に続き、2年第5回定例会から本会議等の議場における会議について、原則ペーパーレスでの会議運営となりました。 議会かわさきは、町内会またはポスティングによりお届けするほか、区役所、市民館、図書館、行政サービスコーナーなどに置いてあります。 2 議会かわさき 第138号 令和5年(2023年)5月1日 令和5年 第1回 定例会(2/13 〜 3/17) 代表質問 各会派を代表する議員が、市長から提出された議案や市政の重要な事項について代表質問等を行いました。その主な質問と答弁の要旨は次のとおりです。 ※詳しい内容は市議会ホームページの「会議録検索システム」をご覧ください。 自 民 党 青木 功雄(あおき のりお) 2050年の当市の社会像の発信 Q新型コロナウイルス感染症の発生から丸3年が経過する中で、この間の取組について点検・評価した上で、今後の社会のステージに求められるカーボンニュートラル施策など、そしてゴールとなる2050年の社会像を市民に分かりやすくメッセージとして発信する必要があると考えるが、見解は。 A脱炭素社会の実現を最重要課題として、市民一人一人が危機感を共有し、今できる最善の行動を選択することによる社会変革を進めることが現代を生きる我々の責務であり、そうした取組の延長線上にこそ、脱炭素社会が実現し、子どもたちが安心して心豊かに暮らせる持続可能で競争力のあるまちとなっている2050年の当市の姿があると確信している。 市税流出の歯止めとなる取組 Q市独自の財源を確保した上で先行的な取組により「どこよりも住みやすく子育てしやすいまち」を醸成することでふるさと納税による市税流出の歯止めにもつながる。根本的課題へもう一段ギアアップした取組が求められるが見解と対応は。 A未来を担う子どもへの投資や脱炭素社会の実現、臨海部における税源培養の取組等をしっかりと進めていくことにより、成長と成熟の好循環につなげていく。 新産業創出に関する発信力 Q新産業創出政策は、全国、全世界の若者が、川崎なら新しいものが生み出せる、ライフサイエンスの分野を研究するなら川崎市が一番と考えているのか、それを当市が伝えられているのかが重要であるが、発信力について見解は。 A起業家精神に富む若者が当市での起業体験等を自ら発信することでさらに多くの若者を当市に引き付けていくことが重要と考えている。全国の起業家や研究者が社会課題の解決を目指し、起業家支援拠点K−NIC(★1)等を拠点に活躍し、先輩起業家の成功事例として周知され、新たな起業家を呼び込むエコシステムにつなげられるよう取り組んでいきたい。 町内会・自治会活動応援補助金 Q5年度予算は1億8440万3千円と、3年度、4年度と比較して大幅に減額されているがどのような基準で予算計上したのか。適切な予算措置と考えているのか。 A4年度の申請額の実態を踏まえ算出しており、減額であるものの4年度の執行見込額より5千万円以上多い額を計上した。本補助制度のより一層の活用を働き掛け、町内会・自治会の公益的な事業活動の活性化に向けた支援を推進していく。 不登校対策の充実に向けた取組 Q別室指導の現状と課題は。 A不登校傾向のある児童生徒に対し、本人及び保護者と相談の上、教室以外の場で学習等の指導や支援を行っており、登校への不安の軽減や教室への復帰等につながっているが、教職員体制や使用する教室環境等に課題があると認識している。 産後ケア事業 Qこれまでの経緯、事業の内容、予算額と内訳は。 A本事業は平成27年度に助産所に宿泊してケアを受ける宿泊型と助産師による訪問型から開始し、平成30年度には助産所に行く日帰り型を追加し、母体及び乳児のケアと育児に関する指導等を実施している。宿泊型の利用料を1日9千円としていたが、宿泊によるケアを必要とする方がより利用しやすい制度とするため、5年4月から利用料を減額するとともに、10月からは医療的ケアを必要とする方が利用できる宿泊ケアを開始することとした。予算額は、産後ケアの宿泊型、訪問型、日帰り型に関する委託料として約3073万円を計上しており、内訳は宿泊型が約2688万円、訪問型が約310万円、日帰り型が約75万円である。このほか、医療的ケア等が必要な産婦のための宿泊ケアの委託料として約156万円を計上した。 JR南武線連続立体交差事業 Q条例環境影響評価準備書と、関連道路整備事業に係る自主的環境影響評価準備書等の閲覧が始まり、5年2月に幸区と中原区で説明会が行われたが、説明会の概要、参加者数、参加者からの意見等は。 A環境影響評価準備書説明会は、本事業による工事中や完成後の騒音、振動など環境に与える影響の予測結果などについて、幸区、中原区で5年2月4日から11日までの間で、それぞれ平日の夜間、休日の昼間に計4回開催し、参加人数は延べ600名程度だった。参加者からは、工事車両の通行ルートや騒音、日影の影響についての御意見等があった。 太陽光発電設備導入制度 Q特定建築事業者太陽光発電設備導入制度について、改正される地球温暖化対策の推進に関する条例の条文中には、特定建築事業者の行動に対して「○○しなければならない」と表記されている。罰則規定の記載がない以上、この表現は努力義務とも受け取れるが、見解は。 A本制度は特定建築事業者に対して市長が報告及び立ち入り調査を行うことができ、市が定める太陽光発電設備の設置基準量に達しないと認められる場合等において、市長が勧告し、事実の公表ができることとしているので、特定建築事業者に対し義務を規定する制度となっている。 小児医療費助成制度の拡充 Q制度拡充に伴う財政への影響は年16億円程度の規模を見込み、その財源は今後子どもの減少が続くと見込まれる中で、子育て施策全体における重点の見直しを含め全庁的な調整を進めることにより確保していくとしているが、5年9月からの施行を念頭に編成された5年度予算の算出根拠は。またその財源は。 A実際に扶助費、審査支払手数料への影響が生じる5年11月以降、6年3月までの5カ月分の支払額の増加に対応できるよう予算を計上した。財源は保育事業等の子育て施策に係る事業費の精査による歳出の抑制や、小児医療費助成事業に係る県の助成対象年齢の拡大に伴う歳入の増加などにより確保した。 等々力緑地再編整備 Q近隣住民と等々力緑地再編整備・運営等事業を担う特別目的会社「川崎とどろきパーク株式会社」との意見交換の場を設けることが必要では。 A町内会や利用者団体等との意見公聴や情報交換などについて、事業者と協議調整しながら丁寧に対応していきたい。 等々力緑地再編整備イメージパース図 提供:川崎とどろきパーク株式会社 このほか、都市農業施策、多摩川スカイブリッジ開通による効果、保育施策、認知症対策、南武線駅アクセス向上等整備事業などについての質問がありました。 共 産 党 宗田 裕之(むねた ひろゆき) 5類移行後の医療機関への支援 Q新型コロナウイルス感染症の感染状況に応じて中等症、重症のベッド数を柔軟に調整するとともに、病床確保料も医療機関が無理なく体制を維持できるよう、市が財政支援すべきでは。 A市民が症状に応じて適時・適切な医療を受けられることが重要と考えており、これまで同様、国、県、市の役割分担の下、必要な取組を進めていきたい。 小児医療費助成制度の対象年齢の拡大 Q18歳までの医療費助成は県内では従来の大井町と松田町を含め5年度中に6市4町となり、全国的には約半数の自治体に広がっている。当市も18歳まで対象を拡大すべきでは。 A通院医療費助成対象を小学校6年生から中学校3年生に拡大することとしたため、この取組を着実に推進していきたい。 学校給食費の無償化 Q4年12月議会で全国256自治体での実施を紹介したが、その後も東京都内では7自治体が次々と無償化を決めており、これだけ広がっているということは自治体の判断で実施できるという証明である。当市も無償化に踏み出すべきでは。 A学校給食に係る経費は学校給食法等に基づき、学校給食の実施に必要な施設及び設備に要する経費や人件費、光熱水費等は公費で負担し、食材料費のみを学校給食費として保護者の負担とすることを原則的な考え方としており、今後も適切に学校給食を実施していく。 学生向け給付型奨学金制度の創設 Q藤沢市では入学金相当額上限15万円、学費相当額上限40万円の給付型奨学金制度を実施している。当市独自の学生向け給付型奨学金制度を創設すべきでは。 A当市の大学奨学金制度は国の奨学金制度との併用が可能で、国では意欲ある学生等が経済的理由で進学を断念することがないよう2年度から高等教育の修学支援新制度を開始し支援が拡充されたところである。今後も社会経済状況や国及び他の自治体の制度の内容を注視していく。 国民健康保険料の引き下げ Q当市の5年度の神奈川県国民健康保険事業費納付金は4年度比23.9億円増とのことで保険料の引き上げの可能性があるが、負担は限界である。一般財源からの繰り入れ増額と国保財政調整基金を活用し、保険料を引き下げるべきでは。また相模原市をはじめ県内6市町村では子ども均等割減免を独自施策で実施しており、当市でも減免に踏み出すべきでは。 A国民健康保険料は賦課総額を基に被保険者の前年所得に応じて算定しており、5年度も財政調整基金を活用し、負担緩和に努めながら適切に対応していく。子どもの均等割額については、減額などの実施には一般会計からの法定外繰り入れが必要となるが、国からは法定外繰り入れの早期解消を求められており、法令に従い計画的に縮減する必要があるため、独自に子どもの均等割額を減額または免除することは困難と認識している。 ぜんそく患者の医療費助成制度の廃止 Q4年3月の予算審査特別委員会で健康福祉局長は、成人ぜん息患者医療費助成制度について健康の回復と福祉の増進に寄与したと評価していた。なぜ効果を認めていた制度を廃止するのか。 A現状を踏まえたこれからのアレルギー疾患対策として国の基本法や新たな改正基本指針に照らしても特定の疾患に医療費を助成し続けることは改めるべきで本制度は所期の役割を終えたと判断した。 臨海部の大規模事業 QJFEスチールの高炉休止に伴い当市の施策に多大な影響を及ぼすことから、土地利用方針を策定するとしている。この土地利用転換の範囲は400ヘクタールと跡地利用としては市がかつて経験したことのない広さである。計画では基盤整備については扇島との交通アクセス、鉄道、大水深バース、空飛ぶ車発着場、大規模展示場などが検討されている。これらの基盤整備がどれだけかかるかは明記されていないが、この事業に対して一体どれだけの市費が投入されるのか。 A5年9月の高炉等休止までの土地利用方針策定に向けて、国やステークホルダーとなる民間事業者、地権者等と導入機能や必要となる基盤の具体化と、それらの整備主体について検討・調整を行っており、税収などの効果も考慮しながら、役割分担や想定される事業費などについて整理していく。 臨海部(東京湾上空から) このほか、救急搬送体制、市民館・図書館、青年の家賃補助、「痴漢ゼロ」の取組、就職氷河期世代支援、災害対策、水道事業などについての質問がありました。 令和5年(2023年)5月1日 議会かわさき 第138号 3 公 明 党 花輪 孝一(はなわ こういち) ふるさと納税による市税流出への対応 Q当市はいわゆる返礼品競争には加わらないとの方針だが、ここまで深刻化している状況の中で、発想の転換が必要と考える。見解と5年度の具体的な取組は。 A当市ではこの制度を市内の魅力ある資源を発掘、再確認し、それらの魅力を市内外へ発信し、当市のイメージの向上と応援してくれる方、来てくれる方を増やすためのツールの一つとして活用することとしている。4年度からは、行政課題の解決に向け、使い道がより明確で共感を得やすいガバメントクラウドファンディングの取組を開始した。こうした「税の使い道の選択」や「応援したい地域の支援」といった制度本来の趣旨を踏まえた取組を継続することにより、シビックプライドの醸成を図るとともに、寄付額の増や流出額の減にもつなげていきたい。 かわさき電子図書館サービス Q新しい生活様式に対応するため、非接触・非来館型の図書館サービスを4年度末に試行導入する予定だが、5年度に新規事業で計上した概要等、今後の取組は。 A5年度予算は電子書籍閲覧用ホームページの使用料や、学校での活用を想定した児童向け電子書籍使用料などを計上している。今後は利用者へのアンケートや、分類ごとの貸し出し統計などから市民の利用ニーズの検証を行い、本格実施に向けた取組を進めていく。 産後ケア事業 Q利用負担の軽減と産後うつ等など医療的ケアも含めた支援へ事業の拡充策について提案してきたが、今後の取組は。 A助産所に宿泊してケアを受ける宿泊型の利用料を1日9千円としていたが、宿泊によるケアを必要とする方がより利用しやすい制度とするため5年4月から利用料を7500円に減額し、10月からは医療的ケア等を必要とする方が利用できる宿泊ケアを開始することとした。現在、医療機関との調整を含め準備を進めている。 5年度産後ケア事業チラシ 武蔵新城駅南口広場 Q5年度に予定されている広場の利便性向上については、市バス利用時のバス停の安全性・利便性確保や歩行者の信号待機時間の課題があるが、具体的な取組は。 Aバス広場では複数路線の乗り入れがあるが、停車スペースの関係から停留所が1カ所となり乗車しづらいなどの意見をいただいているため、バス利用者の利便性向上に向け、バス広場を一部改良し、バス待ち環境の改善を図る。引き続き、交通事業者や交通管理者等と協議しながら5年度から設計に着手する予定である。 プラスチックごみ一括回収 Q実証事業の結果と5年度予算案で示されたプラスチックごみ一括回収の実施に向けた施設の整備の内容は。 A3年度に高津区内の大規模集合住宅、4年度に川崎区内の戸建て住宅が中心の地区を対象に実証事業を実施し、収集量はプラスチックごみ全体で平均約17%増加し一括回収の効果が確認できた。一方、汚れの付着しているプラスチックごみを含む異物混入量が増加し、発火原因となるリチウムイオン蓄電池等の危険物の混入も複数確認されたため、適切な広報の実施と処理施設の改修の必要性を認識した。こうしたことから今回の施設改修は、リチウムイオン蓄電池等を含む禁忌品(★2)対策として、高磁力磁選機への更新や火災対策設備の新規設置を行うほか、硬質のプラスチック製品に対応するため、圧縮梱包(こんぽう)設備等の補強工事を実施する。 カーボンニュートラル化に向けた取組 Q川崎カーボンニュートラルコンビナート構想(★3)で示す理念を踏まえ段階的かつ着実に取組を進める必要があるが、どのように推進するのか。市長の決意は。 A立地企業・周辺自治体等と連携し、国の支援制度を活用しながらCO2フリーエネルギーの需要拡大や供給拠点の形成、必要なインフラの検討、社会実装に向けた技術実証などを着実に進め、我が国のカーボンニュートラル化を先導していく。 JFE高炉休止に伴う土地利用転換 Q大規模な土地利用転換に伴い、社会的な問題に当市はどう取り組むのか。 A産業構造の転換やカーボンニュートラル化など大きな課題に直面しているが、このような状況下でも当市経済が活性化し、市民生活を支えていくには臨海部が持続的に発展していくことが重要である。今後とも活力ある産業エリアの形成に向けて、新たな産業拠点の形成や交通機能の強化などに着実に取り組んでいく。 このほか、新型コロナウイルス感染症対策、防災・減災対策、高齢者施策、障がい者支援策、健康・医療施策、中小企業支援策などについての質問がありました。 み ら い 岩隈 千尋(いわくま ちひろ) 市職員の人件費の今後の見通し Q5年度は定年延長による退職手当の減などにより4年度比19億円減の1539億円となっているが、6年度には退職者と定年延長後の在籍職員の人件費が発生し支出増となることや、出資法人へ再就職する市職員OBの報酬も当市が補助金として予算措置することから、人件費総額の増加が当市財政の大きな課題であると再三指摘してきた。いまだ明確な算定根拠や収支は示されないが、今後の見通しは。 A一定の条件の下に収支見通しの期間である13年度まで推計すると、定年引き上げに伴い1年ごとに増減し6年度は5年度比64億円増の1603億円、7年度は6年度比58億円減の1545億円、12年度は1615億円、13年度は1558億円と推計される。 健康福祉局における事務ミス Q4年度の発生件数は。とりわけ回収が困難な案件については行政の事務ミスによって生じた損失補填(ほてん)を税金で行うのか。 A9件あり、そのうち追加徴収や返還を求める必要がある案件は3件である。このうち1件は全額追加徴収済みとなっており、残りの案件も時効等による欠損処理とならないよう対象の方に説明を尽くし御理解をいただけるよう努めていく。 二十歳を祝うつどいの開催方法 Q4年の式典における会場広場内での暴走行為により、5年は自家用車による送迎を禁止し、会場周辺を広範囲で進入禁止としたため、参加者や近隣住民から多くの苦情が寄せられた。4年1月の中原警察署との協議では場所が悪いと指摘され、日付や場所を分散し開催した方がよいとの意見が付されたが、他会場での開催や区ごとの分散開催は難しいとして厳しい交通規制に至った。分散開催が難しいとした理由は。 二十歳を祝うつどい会場内の様子 A人生の節目を迎える若者を、議長、副議長をはじめ御来賓の皆さまをお迎えする中で市を挙げてお祝いするべきもので、会場を分散するのは難しいと考えている。 新型コロナウイルス感染症の5類移行 Q類型変更に伴い、当市が担ってきた入院調整など行政の役割が縮小される一方、市立病院を含む医療機関同士の調整が増す可能性があるなど、役割分担を整理し類型変更に対応した準備を行う必要があると考えるが、見解と取組状況は。 A医療機関との意見交換を重ね、入院・転院調整に必要な支援を行い、医療機関間における病床・患者情報の連携の在り方や院内感染防止対策の好事例を共有し、通常医療の一環として円滑に患者受け入れが行われるよう取り組んでいきたい。 アレルギー疾患対策 Q出産・子育て応援事業における伴走型相談支援にアレルギー疾患の発症予防を明確に位置付け、取組を進めるべきでは。 A伴走型相談支援のアンケートでアレルギーに関する相談が寄せられた場合の対応を検討するほか、乳児家庭全戸訪問時に配布する資料等へのアレルギー疾患の発症・重症化予防に関する情報の掲載など、情報発信の手法等を検討している。 不適切な保育への対応 Q昨今、保育施設における園児の死亡事故や虐待等に基づく不適切な保育の発覚が相次いでおり、子どもたちの生命と心を守るためには適切に監査を執行する必要がある。コロナ禍で実地監査の実施率が大幅に減少しているが、5年度は例年以上に実施すべきでは。 A5年1月末時点の実施率は約75%と回復している。5年度は新型コロナウイルス感染対策が緩和されることを踏まえ、全施設に対して実地監査を行っていく。 太陽光発電設備の設置義務化 Q地球温暖化対策の推進に関する条例の改正により、今後、特定のハウスメーカーに発注し新増築される建築物に対し太陽光発電設備設置が義務化されるが、説明会の実施状況と今後の予定は。 A川崎区、高津区、麻生区での市民説明会を実施したほか、全町内会連合会への説明、関係事業者等への個別ヒアリングを22回、関係事業者団体等への合同ヒアリングを11回、その他広報媒体等による周知・広報活動を行ってきた。今後は、建設業協会や制度対象外のハウスメーカー等も含めた説明会の開催など本制度を御理解いただけるよう取り組んでいく。 このほか、施政方針、川崎市市制100周年記念事業・全国都市緑化かわさきフェアの取組、内部統制全般、空家対策などについての質問や代表質疑がありました。 用語解説 P2 ★1 K−NIC 当市、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、公益財団法人川崎市産業振興財団の3者で運営し、起業に関する相談窓口やワーキングスペースの提供を行うほか、起業に関するさまざまなイベントを実施して、起業や成長を支援する拠点のことです。 P3 ★2 禁忌品 資源回収における禁忌品とは、電池、ライター、カミソリ、注射針などの危険な異物のことで、リサイクルを行う過程で危険を伴ったり、不良品を産出したりする可能性があります。 ★3 川崎カーボンニュートラル コンビナート構想 国が2050年のカーボンニュートラル社会実現を目指す中で、川崎臨海部が社会経済状況の変化や社会的要請に適切に対応し、日本のカーボンニュートラル化をけん引するモデル地域になるとともに、2050年以降も企業等に選ばれ続け、産業競争力のあるコンビナートであり続けるよう、あるべき将来像とその実現に向けた戦略を示すため、4年3月に策定したものです。 議長・副議長の主な出席行事 (令和5年1月〜3月) …………………………………令和5年1月………………………………… 5日(木) 川崎市新年賀詞交歓会 9日(月) 二十歳を祝うつどい …………………………………令和5年2月………………………………… 10日(金) 川崎市青少年健全育成功労者表彰式 14日(火) 川崎市自治功労賞贈呈式 …………………………………令和5年3月………………………………… 4日(土) 川崎市立看護短期大学卒業式 24日(金) 生田ふれあい広場・多目的広場・Ankerフロンタウン生田完成記念式典 このほか、各種行事に出席しています。 4 議会かわさき 第138号 令和5年(2023年)5月1日 令和5年 第1回 定例会 2/13 〜 3/17 主な活動状況 2月13日 本会議 令和5年度施政方針の説明、提案説明 2月27日 各会派による代表質問 2月28日 各会派による代表質問など 3月6、7、8、9日 予算審査 特別委員会 令和5年度予算案の審査 3月10、13日 常任委員会 議案の審査など 3月17日 本会議 委員長報告、討論、採決、追加議案に対する議事、人事案件に対する議事など 常任委員会 追加議案の審査 議案の賛否状況(各会派別)(○は賛成、×は反対) 市長提出議案 自…自民党(19人) 共…共産党(11人) 公…公明党(11人) み…みらい(10人) 無…無所属(1)重冨達也議員 (2)大西いづみ議員 (3)松川正二郎議員 (4)添田勝議員 (5)三宅隆介議員 (6)吉沢章子議員 (7)月本琢也議員 番 号 件  名 議決結果 自 共 公 み 無 第1号 附属機関設置条例の改正 原案可決 〇 × 〇 〇 〇 第2号 市職員定数条例の改正 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第3号 手数料条例の改正 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第4号 市税事務所条例の改正 原案可決 〇 × 〇 〇 〇 第5号 労働会館条例を廃止する条例の制定 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第6号 川崎市地球温暖化対策の推進に関する条例の改正 原案可決 〇 〇 〇 〇 ※1 第7号 こども家庭庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例の制定 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第8号 旅館業法施行条例の改正 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第9号 特別養護老人ホーム及び養護老人ホーム条例の改正 原案可決 〇 × 〇 〇 〇 第10号 小児医療費助成条例の改正 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第11号 地区計画の区域内における建築物に係る制限に関する条例の改正 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第12号 都市計画事業登戸土地区画整理事業施行条例の改正 原案可決 〇 × 〇 〇 〇 第13号 公営企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の改正 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第14号 病院局企業職員定数条例の改正 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第15号 いじめ防止対策連絡協議会等条例の改正 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第16号 包括外部監査契約の締結 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第17号 新本庁舎のキャスター付きワゴンの取得 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第18号 新本庁舎の事務用椅子の取得 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第19号 新本庁舎のロッカーの取得 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第20号 新本庁舎の議会フロア委員会室等什器の取得 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第21号 新本庁舎の執務室収納什器の取得 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第22号 (仮称)多摩区保育・子育て総合支援センター新築工事請負契約の締結 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第23号 橘処理センター建設工事請負契約の変更 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第24号 固定資産評価審査委員会委員の選任 同意 〇 〇 〇 〇 〇 第25号 高津区における町区域の設定 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第26号 高津区における住居表示の実施区域及び方法 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第27号 スポーツ・文化複合施設整備等事業の契約の変更 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第28号 消費者行政推進委員会委員の選任 同意 〇 〇 〇 〇 〇 第29号 財産の無償譲渡 原案可決 〇 × 〇 〇 〇 第30号 財産の無償譲渡 原案可決 〇 × 〇 〇 〇 第31号 等々力緑地再編整備・運営等事業の契約の締結 原案可決 〇 × 〇 〇 〇 第32号 等々力緑地の指定管理者の指定 原案可決 〇 × 〇 〇 〇 第33号 等々力緑地内施設の公共施設等運営権の設定 原案可決 〇 × 〇 〇 〇 第34号 市道路線の認定及び廃止 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第35号 (仮称)南部学校給食センター整備等事業の契約の変更 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第36号 (仮称)中部学校給食センター整備等事業の契約の変更 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第37号 (仮称)北部学校給食センター整備等事業の契約の変更 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第38号 令和5年度一般会計予算 原案可決 〇 × 〇 〇 〇 「議案第38号 令和5年度川崎市一般会計予算」等の組替えを求める動議(共産党提出) 否決 × 〇 × × × 第39号 令和5年度競輪事業特別会計予算 原案可決 〇 × 〇 〇 〇 第40号 令和5年度卸売市場事業特別会計予算 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第41号 令和5年度国民健康保険事業特別会計予算 原案可決 〇 × 〇 〇 〇 第42号 令和5年度母子父子寡婦福祉資金貸付事業特別会計予算 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第43号 令和5年度後期高齢者医療事業特別会計予算 原案可決 〇 × 〇 〇 〇 第44号 令和5年度公害健康被害補償事業特別会計予算 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第45号 令和5年度介護保険事業特別会計予算 原案可決 〇 × 〇 〇 〇 第46号 令和5年度港湾整備事業特別会計予算 原案可決 〇 × 〇 〇 〇 第47号 令和5年度勤労者福祉共済事業特別会計予算 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第48号 令和5年度墓地整備事業特別会計予算 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第49号 令和5年度生田緑地ゴルフ場事業特別会計予算 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第50号 令和5年度公共用地先行取得等事業特別会計予算 原案可決 〇 × 〇 〇 〇 第51号 令和5年度公債管理特別会計予算 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第52号 令和5年度病院事業会計予算 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第53号 令和5年度下水道事業会計予算 原案可決 〇 × 〇 〇 〇 第54号 令和5年度水道事業会計予算 原案可決 〇 × 〇 〇 〇 第55号 令和5年度工業用水道事業会計予算 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第56号 令和5年度自動車運送事業会計予算 原案可決 〇 × 〇 〇 〇 第57号 令和4年度一般会計補正予算 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第58号 令和4年度国民健康保険事業特別会計補正予算 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第59号 令和4年度港湾整備事業特別会計補正予算 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第60号 令和4年度墓地整備事業特別会計補正予算 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第61号 令和4年度病院事業会計補正予算 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第62号 令和4年度下水道事業会計補正予算 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第63号 国民健康保険条例の改正 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第67号 家庭的保育事業等の設備及び運営の基準等に関する条例の改正 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第68号 特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営の基準に関する条例の改正 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第69号 放課後児童健全育成事業の設備及び運営の基準に関する条例の改正 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第70号 指定通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準等に関する条例の改正 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第71号 指定障害児入所施設等の人員、設備及び運営の基準等に関する条例の改正 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第72号 児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の改正 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第73号 幼保連携型認定こども園の学級の編制、職員、設備及び運営の基準に関する条例の改正 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第74号 認定こども園の認定の要件を定める条例の改正 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第75号 余熱利用市民施設の指定管理者の指定 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第76号 王禅寺余熱利用市民施設の指定管理者の指定 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第77号 入江崎余熱利用プールの指定管理者の指定 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第78号 入江崎余熱利用プールの指定管理者の指定 原案可決 〇 〇 〇 〇 〇 第79号 教育委員会委員の任命 同意 〇 〇 〇 〇 ※2 第80号 固定資産評価員の選任 同意 〇 〇 〇 〇 〇 第81号 人権擁護委員の候補者の推薦 同意 〇 〇 〇 〇 〇 第82号 人権オンブズパーソンの選任 同意 〇 〇 〇 〇 〇 ※1(2)〜(4)賛成、(1)(5)〜(7)反対 ※2(2)〜(4)(6)(7)賛成、(1)(5)反対 ※議案第64〜66号は欠番となりました 議員提出議案 番 号 件  名 議決結果 自 共 公 み 無 第1号 市議会の個人情報の保護に関する条例の制定 原案可決 〇 〇 〇 〇 ※3 第2号 議会基本条例の改正 原案可決 〇 〇 〇 〇 ※4 第3号 介護保険条例の改正 否  決 × 〇 × × × ※3(1)(3)〜(7)賛成、(2)反対 ※4(1)(3)(4)(6)(7)賛成、(2)(5)反対 可決した意見書 ● 多子世帯における保育料の軽減措置の制限撤廃等を求める意見書 ● 出産・子育て応援交付金事業の全額国庫負担を求める意見書 採択した請願(議決結果) ● 多摩川河川敷グラウンドの水道設備設置に関する請願(趣旨採択) ● 「(仮称)京急川崎駅西口地区第一種市街地再開発事業」に伴い、同駅東側市街地の利便性向上と東西回遊性を高めるための施策を講じることを求める請願(趣旨採択) ※議決した議案、可決した意見書、採択した請願の本文は市議会ホームページに掲載しています。 川崎市議会ニュース 川崎市議会の個人情報の保護に関する条例を制定しました  川崎市議会における個人情報の適正な取扱いに関し必要な事項を定め、個人の利益を保護することを目的とした本条例が議員提案により提出され、本会議で可決されました。 およよんからのお知らせ ・4月9日(日)に行われた川崎市議会議員選挙で、60人の議員が選出されました。6月15日(木)発行の議会かわさき第139号において、顔写真入りで紹介する予定です。 ・次の定例会は、6月中旬から開かれる予定です。なお、5月下旬に議長・副議長の選挙などが行われる臨時会が開かれる予定です。 会期日程などの詳細は市議会ホームページでお知らせします。 発行 川崎市議会  編集 川崎市議会議会局 〒210-8577 川崎市川崎区宮本町1番地 電話 044-200-3377 FAX 044-200-3953 川崎市議会ホームページ https://www.city.kawasaki.jp/council/ 川崎市議会 検索