第4期 麻生区区民会議報告書 〜人と人と心をつなぐ地域づくり〜 2014年(平成26年)麻生区区民会議 第4期区民会議報告書の刊行によせて 第4期区民会議は平成24年7月にスタートし、2年にわたる活動をしてきました。 ここにその活動経過と内容、提言をまとめ、報告書としてお届けいたします。 *第4期の区民会議の特徴的な取組について @区民会議の認知度をあげよう 第4期区民会議も第1〜3期までと同様に「市民自治によるまちづくり」をめざし、活動してきました。 平成17年に制定された「川崎市自治基本条例」に基づく「区民会議」ですが、4期8年を迎えている今日においても市民には広く認知されているとは言えず、低い認知度が問題になりました。 そのような現状の中で、区民会議は、今、何に取り組んでいるのか、その内容を知ってもらう。 区民は、取り組んでいる内容について、いつでも意見を述べ、共に考えてもらう。 地域メディアの活用を図り、区民会議をより多く取り上げてもらう。 また、わかりやすい区民会議ニュースを発行する。 などに努力してきました。 A区民の生活に生かされるテーマの設定を 全体テーマは第1から3期までのテーマを基本に据え、「〜人と人と心をつなぐ地域づくり〜」を継続し、取り組んできました。 区民の関心の高い身近な課題だけではなく、広い視野で麻生区のまちづくりに資するものとし、テーマを設定しました。 安全・安心のまちづくり 若者が住みたくなる魅力あるまちづくり の2つの専門部会を設け、検討会、勉強会、各種ヒアリング、モデル事業の具体化等を進めてきました。 特に、安全・安心のまちづくりにおける「モデル事業」や若者が住みたくなる魅力あるまちづくりにおける「第1回あさお子育てフェスタ(安心・楽しい・助かる)」などいずれも画期的な事業を実施し、成果をあげました。 区民の皆様の意見を伺いながら、次回への具体的な一歩の足がかりを作ることができたものと思っています。 B取組は次のステップにつながること 第3期区民会議の提言のうち、芸術・文化のまちづくりに関する内容の実現に向けて、フォローアップの取組を働きかけてきました。の結果、行政の提言内容への前向きな動きによって一部改善が示される等もありました。 1期2年での新しい取組の実現には予算や組織等困難な課題も多く、区民会議委員20名、参与9名の他、区民の力がさらに求められるところです。 2年間の真摯な検討会、勉強会、フォーラム、モデル事業等、多くのパワーと時間を使い、ここに取組と提言をまとめました。 これらの提言が今後の区政に反映されることを期待したいと思います。市制90周年、飛躍の年を迎えます。 さらに「安全・安心のまち」「若者にとって住みたくなる魅力あるまち」になりますことを期待して第4期区民会議の報告といたします。 平成26年6月 第4期麻生区区民会議 委員長 菅原敬子 目次 第1章 麻生区区民会議について   1.麻生区区民会議とは 2.第1〜3期区民会議の審議の流れ 第2章 第4期区民会議について  1.審議課題の選定と審議の流れ 2.会議の構成と役割 第3章 各部会の審議と取組について 1.企画部会 2.安全・安心のまちづくり部会 3.若者が住みたくなる魅力あるまちづくり部会 第4章 区民会議フォーラム〜大地震から助かる命を守る〜 第5章 提言 1.安全・安心のまちづくり部会・提言 2.若者が住みたくなる魅力あるまちづくり部会・提言 3.第4期区民会議を振り返って 【資料編】         第4期区民会議委員・参与名簿 第4期区民会議スケジュール 第4期区民会議関連資料 区民会議ニュース 地域情報紙掲載記事 安全・安心のまちづくり部会普及・啓発資料(家具転倒防止対策パンフレット・案)     第1章 1.麻生区区民会議とは 川崎市では、市民の参加と協働によって暮らしやすい地域社会を築いていこうという考えのもと、平成17年に「川崎市自治基本条例」を制定しました。 区民会議は、この条例が目指している「市民自治によるまちづくり」を進めるために平成18年4月から各区に設置され、麻生区でもこれまで4期(1期2年、8年間)にわたって活動してまいりました。 平成24年7月から始まった、今回の第4期区民会議では、区民による区民のための身近な会議になるように、課題の選定から提言に至るまで、区民が直面している問題を常に意識し、委員20名全員が一丸となって審議を進めてまいりました。 また、全体のテーマとして「人と人と心をつなぐ地域づくり」を掲げ、ヒアリング調査やモデル事業の実施など、机上の会議に留まらず、様々な実践的手法を取り入れ、区民や市民団体等、多くの人の声を聴き、人とのつながりを通して、地域課題の解決策を検討し、平成26年6月、提言に結びつけました。 区民:多くの区民の方に、区民会議で企画したフォーラムやフェスタ等に協力、参加頂きました。また、モデル事業、ヒアリング調査では、多くの貴重な意見を頂きました。 委員:第4期麻生区区民会議は、各分野からの団体推薦7名・公募6名・区長推薦7名の合計20名の委員で組織されました。 参与:麻生区選出の市議会議員、県議会議員は、区民会議の参与として、全体会議に出席いただき、調査、審議に必要な助言を頂きました。 区長:区民会議から解決策の提案を受け、今後、区民の自主的な取組、区民と区役所の協働、関係局区の調整、他の行政主体との連携等によって、解決を目指していきます。 2.第1〜3期区民会議の審議の流れ 第2章 第4期区民会議について 1.審議課題の選定と審議の流れ ステップ1.地域課題の把握・整理 第4期の区民会議の審議テーマは、企画部会が中心になって、市民アンケートの結果や区の統計等を参考に検討し、区民にとってより身近な課題を抽出しました。 ステップ2.審議テーマの抽出 抽出された地域課題を元に、さらに慎重な検討を重ね、区民にとって特に関心が高く、特に対策が必要な2つの審議テーマを決定しました。また、これらを包括する全体テーマとして、「人と人と心をつなぐ地域づくり」を掲げました。 ステップ3.調査審議 20名の区民会議委員は審議テーマごとに「安全・安心のまちづくり部会」と「若者が住みたくなる魅力あるまちづくり部会」の2つの専門部会に分かれ、約2年にかけて、調査、審議しました。 区民会議フォーラムやあさお子育てフェスタの開催の他、ヒアリング調査やモデル事業を積極的に進め、多くの区民や市民団体の声を聴き、審議の充実を図りました。 区民会議運営や広報活動を担う「企画部会」では、地域情報紙と連携し、区民会議の認知度向上のためPRを行いました。 企画部会と各専門部会を毎月開催し、勉強会や協力者への説明会も交えながら、区民や地域に密着した調査を進め、中身のある議論と実践を重ねました。 ステップ4.提言のとりまとめ 2年間の調査審議の集大成として、提言のとりまとめを行い、区長へ提言しました。 2.会議の構成と役割 全体会議 ※区民会議の全体総括・意思決定機関、全8回開催 企画部会 ※区民会議運営の調整、区民会議の広報活動など ※専門部会委員兼務の7名で構成、全20回開催 専門部会 安全・安心のまちづくり部会 「大地震から助かる命を守る」※10名で構成、全20回開催 専門部会 若者が住みたくなる魅力あるまちづくり部会「子育てしやすい環境づくり」「芸術文化のまちづくり」※10名で構成、全20回開催 第3章 各部会の審議と取組について 1.企画部会 企画部会は委員長や各専門部会長等を含む7名の委員で構成され、毎月第一月曜日に会議を開き、次のことを検討しました。 (1)審議・調査・提言すべき課題の整理 区民からのアンケート結果をもとに、区民の関心に合致している地域課題を抽出し、入念に選定を重ね、それぞれの課題について、二つの部会の立ち上げに取り組みました。 (2)区民会議(全体会議・各部会)の運営  各部会の審議や進行状況を、毎月確認する機会を設けました。 お互いの部会の取組状況について意見を交換し、各部会の審議の充実を図りました。 また、企画部会が区民会議全体の舵取り役を担うことで、委員間の情報共有(意思統一)が図られ、効率的な運営となりました。 (3)広報・広聴活動(PR活動・区民会議ニュース等) 区民にとって区民会議が身近な会議になるよう、積極的な広報・広聴活動を展開しました。 ア.PR活動 次のとおり多角的なPR活動を行い、会議の傍聴の呼びかけ等を行いました。 ・区内の各地域情報紙(メディ・あさお、タウンニュース、マイタウン)に働きかけ、会議の開催予定や活動経過を掲載してもらいました。 また、フォーラム等の取材協力を要請する等、協力関係を築きました。 ・市政だよりに区民会議・各部会会議の開催予定を掲載しました。 ・ホームページで全体会議開催の告知やテーマや審議内容を掲載しました。 イ.区民会議ニュースの発行   区民会議の情報を区民に届けるため、区民会議ニュースを全6回発行し、進捗状況などを周知しました。 体裁:A4(第6号はA3) モノクロ  紙 :色上質紙  部数:5,000部/回 配布先:町会・自治会(回覧)、区役所、図書館、 市民館、スポーツセンター、やまゆりなど編集・印刷・発送準備:企画部会委員が担当 発行時期と主な内容 第1号平成24年10月第1回・第2回区民会議全体会議報告 第2号平成25年3月安全・安心部会からのトピックス 第3号平成25年7月若者が〜部会からのトピックス 第4号平成25年10月区民会議フォーラムの報告 第5号平成26年2月あさお子育てフェスタ開催案内 第6号平成26年6月報告書完成(提言)、フェスタの報告 ウ.広聴活動 区民の提案意見を審議内容にフィードバックするため、次の広聴活動を行いました。 ・区役所ロビーに提案箱を設置し、随時意見を受け付けました。 ・区民会議の傍聴者に対してアンケートを実施しました。 ・区民会議ニュースの一部に意見欄を掲載し、随時意見を受け付けました。 (4)区民会議フォーラム・あさお子育てフェスタの開催 各専門部会が企画検討した内容を企画部会が中心となって調整し、開催日当日の運営や開催に向けての広報を区民会議委員全員で分担しました。 また、参加者への区民会議活動の経過を報告するため、ブースを設置しました。 (5)区民会議報告書の作成  各専門部会と連携し、約半年の期間をかけて、この「第4期区民会議報告書」の編集・作成に携わりました。 2.安全・安心のまちづくり部会 (1)調査審議テーマの方向性 「安全」「安心」にかかわる課題の中から、区民の関心が高く、区民の主体的な取組につながる「大規模地震に対する防災対策」に絞り、審議テーマを「大地震から助かる命を守る」としました。 (2)検討経過 防災に関する数々の課題の中から、公助で行き届かない部分は何か、区民自らが考え取り組んでいける課題は何か検討するため、「川崎市地震被害想定調査報告書」「麻生区地域防災計画」などの統計データのほか、 危機管理体制、防災教育、火災予防・消火対応、耐震促進、自主防災組織などに関する市・区による行政の取組を確認しました。 また、課題設定する上で前提となる大地震を「最大震度6強〜6弱・発生時間は冬の平日18時」と想定しました。 この大地震への対策のうち「事前対策」と「緊急対応」に重点を置き、「自助」「共助」「公助」「企業市民」の項目別に、既に実施されている対策及び今後考えられる対策を洗い出しました。 その中から区民会議として取り組んでいくべき具体策として、『麻生区内で想定される死者(※)を0にすること』を目標に、「3つの最優先テーマ」、「2つの優先テーマ」を設定し、検討することとしました。 ※「川崎市地震被害想定調査報告書(平成25年3月)」より、麻生区では「火災死者26人、建物倒壊死者16人」と想定 (3)区民会議フォーラム 部会での調査・審議経過を区民の皆様に報告し、防災に向けた取組を考え、行動するきっかけとなるよう、平成25年9月、「大地震から助かる命を守る」をテーマとした区民会議フォーラムを開催しました。 明治大学教授の園田眞理子氏から、安心して暮らすための知恵と心構え、東京大学教授の目黒公郎氏から、最優先テーマに関わる大地震に対する事前対策の必要性などをお話しいただきました。 このフォーラムをきっかけに、後述のモデル事業に応募していただいた世帯もあり、防災についての区民の主体的な取組を考える良い機会となりました。 (4)モデル事業 大地震で想定される死者の要因のうち、最優先テーマに関わる「建物の倒壊」「家具の転倒」「火事」でその約9割を占めています。 つまり、人的被害を防ぐには「わが家の安全対策」が最も大切です。 「大地震から助かる命を守る」に向けて、地震防災対策に関する区民の主体的な取組を促進するため、3つの最優先テーマのうち「家具の転倒防止」を中心にモデル事業を実施しました。 内容 @目的 ・モデル事業の実施結果やそこから得られた成果を取りまとめ、普及啓発資料を作成し、区民への普及啓発を通じて地震防災対策に関する取組の促進につなげる。 A進め方 ・明治大学建築学科の園田教授の監修のもと、モデル事業の進め方を検討。 ・モデル事業の成果を普及・啓発する際の区民の取組やすさなどを考慮。 B対象世帯の募集・決定(平成25年7〜9月) ・公募によりモデル事業対象世帯(マンション1棟6戸、戸建て13戸)を選定。 Cプレモデル事業・説明会(10月) ・本格実施前に、実施にかかる所要時間、工事範囲、世帯との調整内容などを把握するため、マンション及び戸建て各1戸に対し、事前調査・工事を先行実施。 ・プレモデル事業での経験を踏まえ、対象世帯全戸に対する説明会を開催。 D事前調査・工事(11〜12月) ・専門技術者を含むグループが各世帯を訪問し、住まい方や使用状況を伺いながら家具の転倒の危険性や家屋の構造を調査し、世帯の希望に合わせた固定方法などを提案。 ・実際に家具固定工事を行い、工事前後の対象世帯の意識・認識についてのアンケート調査を実施。 【事前調査・工事の具体的内容】 ・実施体制:専門技術者、区民会議委員等の4〜5名のグループ ・施工の範囲:「命を守る」ために必要な工事を行うことを前提とし、部屋や工事箇所数は限定しない。 ・工法の選択:区民が自ら取り組めるよう普及・啓発するため、技術的・工学的な合理性、材料入手の容易性、施工の容易性、経済性等を考慮して決定する。 ・金具類の選択:小さい電化製品等は工事の対象とせず、世帯が自分でできるような方法を伝える。 ・世帯との調整:事前調査時に金具サンプルを用いた説明をし、要望も踏まえて固定する家具類・移動場所・工法などを提案。希望しない部屋は工事を実施しない。 ・世帯の協力:写真撮影への同意。アンケート記入。モデル事業実施要項に定めた様式(申込書、確認書等)の記入・提出。※工事にかかる費用負担なし 結果 @工事実績 ・実施戸数19戸(マンション1棟6戸、戸建て13戸) ・実施期間平成25年10月11日〜12月21日(プレ実施を含む) ・所用時間1戸あたり2日、3〜4時間(事前調査1〜1.5時間、工事2〜2.5時間) ・参加者11名(専門技術者3名、明治大学建築学科教授、明治大学学生1名、区民会議委員6名等)※各戸に数名ずつのチーム編成で参加。 ・施工家具合計222個 ・施工数合計439箇所 ・平均施工数マンション11.2箇所、戸建て17.1箇所 A対象世帯アンケート結果 ・対象世帯数19世帯(マンション6世帯、戸建て13世帯) ・回収率100%(19世帯) ○調査結果 参加した動機は「専門家のアドバイスが受けられる」が最も多く、日常生活での変化では「家具の転倒への不安感が減り、安心して生活ができるようになった」が最も多い。 また、家具の転倒防止対策の促進への対応策としては「家具類の転倒防止器具の取り付けの斡旋・施工費用の補助などを市として制度化」が最も多く、参加者はほぼ全世帯から安心して暮らせるようになったと、工事担当者や行政への感謝の言葉が寄せられた。 B参加者意見 ・「施工」を受け持っていただいた専門技術者の方々が極めて協力的、積極的な姿勢で主体的に取り組んでいただいた。 ・大型の置時計・ショーケースなど、L字金具で固定したくない物は突っ張りジャッキで固定し、見栄えが悪くならないよう壁紙を貼った目隠し板で隠すなど、対象世帯の希望に沿うための工夫と努力には素晴らしいものがあった。 ・対象世帯には、子ども・孫と同居している、水・食料の備蓄、自分で対策に取り組んでいる、家族に熱心な人がいる等の共通点があった。 ・「何とかしなければと思うがどうしていいかわからない」「家具自体が重いからちょっとやそっとでは動かないだろう」など、自分でやることは無理と思い、実施していないのが実情らしい。 Cまとめ ○活動計画・実施体制について ・事前調査により作成した工事計画書を工事前に対象世帯に提示し、確認してもらったため、希望に応じた柔軟な工事ができた。 ・1つずつ家具を確認する作業により、対象世帯のご家族自身が個々の家具転倒の危険性を知ることができ、安全な住まい方を考えるきっかけを提供できた。 ・金具・材料の実物を見せ、家具の状況によっては、専門技術者から複数の固定方法を提案したことで、対象世帯のご家族に主体的に家具固定を考えていただくことができた。 各世帯の住まい方に合わせた満足度の高い家具転倒防止工事を実施するためには、事前調査を丁寧に行うとともに、工事日程にゆとりを持たせた計画を立てることが重要。 また、施工者には、家具固定の知識や技術だけでなく、対象世帯への説明や対話ができるスキルが求められる。 ○固定方法について ・木製家具以外を固定する方法、金具やアイデア商品以外を使った固定方法、専用バールや下地探し器、家具固定に有用な材料など、専門技術者の発想や技術を間近で見て、一般的に知られていない知識を得ることができた。 ・ホームセンターなどで簡単に安価に手に入る材料で簡単に実施できる固定方法がある一方で、マンションの躯体壁へのビス打ちなど専門的な器具や技術が必要な方法もあり、工事の難易度に幅があることがわかった。 ・マンションなど区分所有建物の場合には、工事箇所が専有部分か共有部分かによる取り扱いの違い、管理組合への届出や許可申請など、管理規約等に基づく手続きや制約があることがわかった。 ・固定方法を提案する際に丁寧な説明をすることで、どんな震度でも絶対に転倒しないという保証はないことを前提に、対象世帯には納得の行く方法を選択してもらうことができた。 固定方法は、実施しやすいもの・施工の難しいものなど、多様な方法があり、その中から適当なものを、できれば複数、選択する必要がある。 ・対象世帯について ・子どもや孫と同居しているなど、自分以外の誰かの安全を確保したいと考えることが防災対策の実施への動機付けになることがわかった。 ・防災対策への関心が高い世帯でも、なかなか意識が家具固定の行動に結びついていないことがわかった。 誰かのためと考えることが防災への動機付けになり、具体策を提示することで意識が行動に結びつく。 【課題1】区民が家具転倒防止に取り組むためのきっかけづくり ○課題解決の視点 ・取組のきっかけに何が有効かを再検討すべき ・誰(子どもなど)のための家具転倒防止かを強調すべき ・関心を持つことから実際の行動まで誘導する必要がある 【課題2】適切な取組につながる普及啓発資料の作成・活用 ○課題解決の視点 ・平易で一般的な方法のわかりやすい普及と一般的でない困難なケースに対する専門技術者による協力を考慮すべき ・誰(区民、地域組織など)が活用するか明確にした上でのツール作成が必要 【課題3】取組を推進する「組織づくり」「人材育成」 ○課題解決の視点 ・普及啓発、コミュニケーション、専門技術などいくつかの役割を担う人材や組織が必要 ・住まい手の視点に立ち、個々の状況に応じたきめ細やかな対応が必要 ・組織づくり、人材育成に関しては、公的な支援もあった方が望ましい (5)実物や写真を使った展示と実演 平成26年4月13日に開催した「あさお子育てフェスタ」において、2階エントランスホールの一角で「家具転倒防止モデル事業」の成果の普及啓発活動を行った。 タンス、テレビ等、実物の家具を設置し、揺らして転倒の可能性や怖さを実感してもらったり、写真を展示して具体的なイメージを持ってもらったり、滑り止めシートの効果を実感してもらった上で自宅で試してもらえるようサンプルを配布するなど、分かりやすい展示と実演を行った。 イベントの性格上、子ども連れのご家族が多かったので、実演には子どもが面白がり、分かりやすい説明には親御さんが興味を示すなど、普及啓発活動の第一弾としては、一定の効果があったと思われる。 実物の家具を使用した場合、実際にL字金具で固定する実演よりも、ぐらぐら揺らしたり、テーブルが滑り止めシートを敷くだけで画期的に滑りにくくなることを目の当たりにして対策の有効性を認識したりするような展示・実演が有効であることを実感した。 また、大判の写真や説明用パネルを活用することも効果的であることが分かった。 このように、今後展開していくべき普及啓発活動のあり方を検討する良い機会ともなった。 なお、今回は、モデル事業にも専門技術者として参画された篠原進氏に全面的な協力をいただき、装置や実物家具の提供、来場者に無料配布する滑り止めシートのサンプルの用意、来場者への説明など、多方面にわたって貢献していただいた。 安全・安心のまちづくり部会のメンバーは、篠原氏のアドバイスを受けて来場者への説明・実演を行いながら、徐々にコツをつかんでいった。 (6)提言内容の検討 モデル事業等を実施した経験を通じて、以下のような教訓が得られた。 @単に「家具固定の方法」を技術的に伝えるだけでなく、広く区民に対して、家具転倒防止に関して、「関心や興味を持ち、やろうという姿勢を持つ」という意識に訴えることが重要であること。 A「家具固定の方法」は、素人でもできることが大半であり、その技術やノウハウを普及啓発資料として区民に伝えることが有効であること。 ただし、専門技術者の手を借りた方がよい場合もあることも併せて伝えることが望ましいこと。 B家具転倒防止を普及させ、さらに家屋の転倒防止や火災予防・火事発生への対応も含めて総合的な地震安全対策を広く区民に浸透させていくためには、得られたノウハウ・技術に関する普及啓発活動と併せて、推進体制の整備や、公的な支援制度の充実などが求められること。 このような問題認識に基づき、普及啓発資料についてはその案を作成するとともに、区長に対する提言を取りまとめることとした。 小さな取組が大きな安全につながる −家具の転倒防止モデル事業から得られた知見−明治大学理工学部建築学科教授 園田眞理子 今般、安全・安心のまちづくり部会の「家具の転倒防止等モデル事業」のお手伝いをさせていただき、何よりも嬉しく思うのは、このモデル事業によって、防災に関する実に重要な点が次々に解き明かされたことです。 その第一として、家具の転倒防止に関して、科学的ともいえる貴重な方法やデータを明らかにすることができました。 例えば、家具の転倒防止とは、すぐに工事に取り掛かれるものではなく、その前に綿密な準備が必要でかつ重要なことがわかりました。 今回のモデル事業では、協力いただけるお宅を専門技術者と区民会議委員がチームを組んで事前訪問し、家具の種類や位置、日頃の使い方や工事にあたっての希望等を居住者の方に伺い、さらにどのような対策があるかの選択肢を示して、居住者の方と相談して決めるという方法をとりました。 この準備が綿密であるほど実際の工事は効率よく進み、また結果の満足度も高いようです。 その事前調査時間に1〜1.5時間、実際の施工時間に2〜2.5時間かかることも、19の事例を通じてわかりました。 また、転倒防止が必要な家具の数は、平均して、マンションの場合は11.2個、戸建ての場合は17.1個、1個あたりの家具に2種類程度の工事を行うと効果的なこと等がわかりました。 これらの点から、転倒防止に必要な費用(コスト)も極めて明解にはじき出せます。 さらには、家具の転倒防止は、万一への備えに留まらず、一つずつの家具を吟味する中で、その要否や使い方、置き方への問い直し等、日常的な生活の見直しにもつながるという思わぬ発見もありました。 第二には、モデル事業を通じて、チームワークが極めて大切なことと、それが地域の関係力を培う源泉になり、目にみえない防災力を高めることが実感されました。 今回の成果は、小水内公彦氏(ジェクト株式会社)と篠原進氏(家具転倒防止―経験交流サイト代表)の専門技術陣と、良き隣人としての区民会議メンバー、そしてモデル事業参加者のチームワークの賜物です。 この場を借りて、これらの方々のご尽力に深く敬意と感謝を表するとともに、日常、非常時を問わず、防災にはチームワークの良さがものをいうことを強調しておきたいと思います。 本モデル事業の成果が、麻生区に留まらず市域や市域を超えて広がることを期待しています。小さな取組が大きな安全につながります。 3.若者が住みたくなる魅力あるまちづくり部会 (1)調査審議テーマの方向性 「若者」を広くとらえると、子どもから子育て中の20〜40代まで幅広い年齢・世代が含まれますが、それぞれのまちの魅力に対する価値観も様々あると考えられます。 子どもについては、地域に対する愛着醸成、中学生から大学生までは、まちの利便性やファッション性、リーズナブル性、子育て世代については、教育の質・地域のつながりなどの子育てしやすい環境づくりが必要などの意見が出されました。 更に、高齢化・若者減少に備えて定住人口・生産年齢人口を増やすための施策検討が必要という視点から、子育て世代(20〜40代)を主な対象として、子育て支援に関する調査審議を進めることとしました。 また、区の特徴であり魅力である芸術文化の推進も、「若者が住みたくなる魅力あるまち」実現のための大切な要素であることから、第3期麻生区区民会議提言内容のフォローアップも含め、芸術文化のまちづくりについて調査審議を進めることとしました。 (2)子育てしやすい環境づくり 1)検討経過 子育て環境における現状と課題把握の第一歩として、川崎市の既往調査・データの整理を行うとともに、区に固有の現状・課題を把握するため、区民会議によるアンケート調査を実施しました。 その結果から、「未就学児」に焦点を当てた「子育て世代を支援する多様な保育の展開」にテーマを絞り、子育てにおける早い段階から麻生区に定住してもらえる環境づくりについて検討を進めることとしました。 さらに、区内子育て団体6箇所へのヒアリング、および行政所管課へのヒアリングを行い、「子育て環境」における現状と課題をまとめました。 2)現状と課題の把握 アンケート結果、および子育て団体へのヒアリングの結果、子育て現場の課題として以下が抽出されました。 川崎市子育てアンケート ○子育てで困っていること  【上位3位】 第1位:安心して遊べる場所がない 第2位:交通機関や建物がバリアフリーではない 第3位:子どもの犯罪被害 ○子育てを楽しく行うためのサービス 【上位3位】 第1位:子どもを遊ばせる場や機会 第2位:親のリフレッシュの場や機会の提供 第3位:子育て中の親同士の仲間づくり 「こどもコンサートアンケート結果」 ○子育てで困っていること 【上位3位】 第1位:保育園がいっぱいで入所できない 第2位:いざというときに子どもを預かってくれる人がいない 同2位:保育料や教育費の負担が大きい ○行政に期待すること 【上位3位】 第1位:近くで遊べる公園や広場の充実 第2位:子どもと遊べるスポーツ・芸術・文化各施設や活動の充実 第3位:保育園の受入定数の拡大 ヒアリング結果 @子育て支援団体:計6箇所 A行政関係各課:3課 (こども支援室、児童家庭課、生涯学習支援課)  抽出課題項目一覧 ※【 】は課題のキーワード A 子育て支援・保育サービス 【安心・助かる】 ・サービス時間の延長や土日の開館など、不足の声が挙げられている。 B 預けられる場所・病後児保育 【安心・助かる】 ・現行システムでは、前申請が必要だったり、緊急で預けられる施設がない。 C 子育て相談 【安心・助かる】 ・平成25年7月より児童家庭課に保育士が設置されており、相談業務を展開している。 D 公園・遊ぶ場所 【助かる・楽しい】 ・家族が楽しく遊べる公園や、安心して遊べる場所がない、という意見が多い。 E 情報発信 【安心・助かる】 ・子育て支援の情報不足、情報の錯綜などが挙げられている。 F 親同士の交流 【安心・楽しい】 ・親同士が気軽に集まれる場所が欲しいという意見がある。 G 保育園・文化施設 【安心・助かる】 ・保育園は1,800人が定員、26年に270人増となる。 H 児童虐待等支援の必要な児童への対応 【助かる】 ・虐待件数の比率は年々増加傾向。未就学児より小学生〜中学生 I  子育てと仕事の両立【楽しい・助かる】 ・子育てと仕事の両立できる仕組みづくり、イクメンの関心が弱い J 保育人材【助かる】 ・子育て活動の現場での人材不足。自主保育グループの活動は責任が重い。 K 保育活動団体【助かる】 ・公園の遊具が少ない。活動場所が毎回変わるので疲れる。プレーパークづくりのための法整備。公園があまり利用されていない。 3)課題解決策の検討 子育ての現場から多くの課題が挙げられた一方で、区内では行政や子育て団体等による多種多様な支援がきめ細やかに実施されていることもわかりました。 これらの情報や支援策を区民に広く周知するとともに、抽出した課題解決策のひとつとして安心して楽しみながら子育てをしていただける機会の提供が必要と考えました。 そこで、子育てフェスタの開催を提案することを視野に、方向性・内容を検証するため、モデル事業「あさお子育てフェスタ」を実施しました。 (3)芸術文化のまちづくり 1)検討経過 芸術文化活動によるまちの魅力アップ推進のため、芸術文化団体10箇所及び行政所管課へのヒアリングを行い、「若者が住みたくなる魅力あるまち」実現のための課題の把握と第3期区民会議からの提言が具体的に行政においてどのように審議・実現のプロセスにあるのかフォローアップを行うこととしました。 ○調査審議課題 1)若者が楽しめる・住みたくなる芸術文化のまちづくりに向けた課題の把握 2)3期提言のフォローアップ @文化担当官の設置 A(仮称)麻生文化会議の設置 B川崎市都市景観条例の見直しと弾力的な運用 ○既往調査の整理(平成25年2月〜5月) ・新百合ケ丘地域活性化委員会の報告書(平成24年3月) ・「新百合ケ丘駅周辺の芸術のまちづくり」に関するアンケート(平成24年3月) ○ヒアリングの実施 (平成25年5月〜8月) ・麻生区をフィールドとしている芸術文化団体および行政所管課へのヒアリング 芸術文化団体 @麻生文化協会  A日本オペラ振興会  B民藝 C区内大学 D麻生フィルハーモニー E麻生合唱団 など10箇所 行政  @市民文化室 A川崎市文化財団 B麻生区役所 C麻生市民館 2)現状と課題の把握 既往調査やヒアリングの結果、以下のような課題が抽出されました。 @ 若者や子供など多くの市民が楽しめる芸術・文化のまちづくり ・子どもと一緒に楽しめる催しがいろいろ開催されているにもかかわらず、情報提供の方法や見せ方が充分でない。 A 第3期区民会議提言内容のフォローアップ (ア)文化担当官の設置・(仮称)麻生文化会議の設置:関連団体・行政ともに、文化担当官(コーディネーター)および文化会議設置については原則、賛同しているが、どこが(だれが)担うべきか、どのような組織とするか、担うべき業務などについての意見が分かれている。 (イ)情報発信・活性化(川崎市都市景観条例見直し):(行政:提言を受けて)景観条例の一部見直し、駅コンコースの柱にポスター設置への働きかけなどの取組がスタートしている。 B 川崎市や麻生区への要望、 「しんゆり・芸術のまち」の施策の方向性について ・活動団体の練習場所の確保やホール整備の問題が挙げられているが、市民館の建て替えやホールの設置などハード面の整備は、難しい状況である。 団体の活動方針・内容によって必要な設備(防音など)、広さも様々である。                                 ・「芸術のまち」としての麻生区の地域ブランドを確立し、商業者とも相談して情報発信を図る必要がある。 3)課題解決策の検討 ヒアリングの結果、区内では子どもと一緒に楽しめる芸術・文化の催しがいろいろ開催されているにもかかわらず周知不足である状況が浮き彫りになりました。 これを踏まえて、モデル事業「あさお子育てフェスタ」の場を活用して、現状の把握と提言の方向性・内容を検証することとしました。 第3期区民会議の提言(文化担当官及び(仮称)麻生文化会議の設置等)については、原則賛同が得られ、行政サイドでも提言を受けた取組が始められていることがわかりました。 また新しい課題として、練習場所確保の問題などが挙がっており、これらを整理して提言の方向性を検討することとしました。 (4)あさお子育てフェスタ(モデル事業) 「子育てしやすいまちづくり」の課題として抽出された「親子が一緒に楽しめる場の提供」、「行政情報の提供」、「相談窓口の設置」などを解決する1つの手法となると考え、「あさお子育てフェスタ」をモデル事業として実施しました。 フェスタは、区役所4階の第1〜5会議室、予防接種ホール、及び区役所前広場にて、さまざまな遊びの場を提供する「遊び・交流の広場」や昭和音楽大学等とのコラボレーションによるミニコンサート、行政の子育て情報コーナーの設置など、様々な催しが繰り広げられました。 会場は、開始時間から終了時間まで、予想をはるかに超える大勢の親子連れで賑わい、お父さんの姿も多数見られました。 運営は、地域の子育て支援団体や主任児童委員部会の協力と熱意により準備から実施まで手際よく開催され、フェスタは大成功のうちに終わりました。 内容 ・開催期日 平成26年4月13日(日)10時30分〜15時00分 ・開催場所 麻生区役所4階会議室、予防接種ホール、区役所前広場 ・テーマ 子育てするなら麻生区で〜安心・楽しい・助かる〜 ・当日プログラム オープニング挨拶(館内放送)区民会議委員長、麻生区長 ・来場者 2,500人(パンフレット配布数769部から推定) 各会場でのプログラムの実施 【区役所前広場】 フリーマーケット、麻生プレーパークを創る会、かきまるくんとの交流】 区役所前広場では、フリーマーケット(計51区画の参加)のほか「麻生プレーパークを創る会」のブースが設置され、フェスタ開始直後から大勢の親子で賑わいました。 特に、フリーマーケットの人気は高く、アンケート結果でもフリーマーケットが良かったと回答している割合が最も高く(48.3%)、「子どもの成長は早いため役立った」という声がたくさん挙げられました。 「麻生プレーパークを創る会」のブースでは、自然素材を使った工作をしながら、出展者との会話を楽しむ家族の姿も見られるとともに、広場には時折登場した区の木「禅寺丸柿」のゆるキャラ「かきまるくん」と一緒に写真撮影をする親子の姿も多数ありました。 【区役所2F】 受付、子育て情報コーナー、保育・幼稚園児の作品展                     区役所2階では受付の他、保育・幼稚園児の作品、子育て情報コーナーを設置しました。 保育・幼稚園児の作品は、折り紙や写真による装飾などそれぞれの園の創意工夫に富んだ素晴らしいポスターがたくさん掲示され、親子の関心を集めました。 子育て情報コーナーでは、麻生区の子育て支援情報を掲示するとともに、相談員を設置し子育てに関する情報案内をしていただけるようにしました。 【予防接種ホール】 ミニコンサート、みんなで楽しくうたっておどってゴーゴー!、人形劇「虫たちのファンタジー」 予防接種ホールでは、昭和音楽大学によるミニコンサート(午前1回、午後1回)、アルテリッカボランティアによる「みんなで楽しくうたってゴーゴー!」、はるひ野保育園による「人形劇・虫たちのファンタジー」が開催され、いずれのイベントも満員御礼、会場は熱気に包まれました。 昭和音楽大学によるミニコンサートでは、普段なかなか聞くことのできない管楽器、ソプラノ、アルト、テナー、バリトンサクソフォーンのそれぞれの音色の違いが動物の泣き声を実演しながら紹介され、子どもたちに馴染みの曲を中心に演奏が展開されました。 「となりのトトロ」など、良く知っている歌については皆で一緒に歌う場面も見られました。 「みんなで楽しくうたってゴーゴー!」では、ネコやウサギ、パンダなどの着ぐるみが登場し一緒に踊る音楽パフォーマンス、「人形劇・虫たちのファンタジー」は、芋虫たちの人形や絵を駆使した独特のパフォーマンスで子どもたちを魅了しました。 【区役所4F】遊び・交流の広場                                                区役所4階「遊び・交流の広場」では、第1会議室を「遊び」、第2会議室は「アンパンマン映画『それいけ!アンパンマンルビーの願い』の上映」、第3会議室は「工作」、第4会議室は「フリースペース&情報相談コーナー」、第5会議室を「絵本コーナー&おはなし会」というテーマにてさまざまな催しが展開されました。 特に、第1〜3会議室は常に満員の状況で大変賑わいました。 第1会議室 遊びの部屋では、「親子で歌おう(英語の歌やわらべ歌など)」(エデュケアルームベリーキッズ)、「親子でバルーン遊び」(白鳥保育園)、「みんなで歌うパネルシアター&ブラックライトシアター」(和光大学)、「リトミック」(はるひ野保育園)、「手遊びうた音楽に合わせて遊ぼう!」(風の谷幼稚園)と、いずれも自宅ではなかなかできないような、大勢の親子がともに楽しめるイベントが繰り広げられ、子育てをする親もともに楽しむ機会となりました。 第2会議室 アンパンマンの映画上映は、当初2回上映の予定でしたが、人気のため午前1回、午後2回の3回上映することとなり、いずれの回も満員となりました。 大変盛況であった一方、アンケートでは会場への誘導、空調、座席の設置、音響、隣の部屋のイベントの音が漏れるなどの改善を望む声も多く挙げられました。 第3会議室 工作の部屋では、「グルグル動き回るおもちゃ工作」(健康いきがいづくり教室)、「にょろにょろヘビをつくろう!」(地域子育て支援センターおかがみ)、「簡単手作り工作」(エデュケアルームベリーキッズ)、「手作り玩具作り」(五月台ルミナス保育園)、「走る車づくり・紙粘土の家作り」(風の谷幼稚園)のコーナーが提供されました。 どの工作も大変人気で、材料がなくなってしまうコーナーもありましたが、年配の方から教えてもらう工作や、自分で作ったもので楽しそうにお友達と遊ぶ姿が印象的でした。 第4会議室 にこりんおもちゃ図書館、はるひの保育園、あさおオモチャとしょかん、知ろう小児医療守ろう子供達の会、ジャンケンポン、の協力により親子が自由に交流できるスペースと小児医療情報・相談コーナーを設置しました。 第5会議室 おはなしたまてばこの協力により、自由に絵本の読み聞かせができる場所の提供と講師によるおはなし会が随時開催されました。 アンケートによる検証 「あさお子育てフェスタ」の有用性、子育てしやすいまちづくりや子育て世代の芸術文化のまちづくりに対するニーズ検証のため、来場者や協力団体にアンケートを実施しました。 @あさお子育てフェスタの有用性 「あさお子育てフェスタ」の感想と継続実施の希望について聞いたところ、回答者の94.3%が「是非継続してほしい」と回答し、非常に高いニーズが検証されました。 また、「とても楽しかった」「楽しかった」を合わせて82.4%が「楽しかった」と回答しており、参加した親子がフェスタを楽しめたことが伺えるとともに、フェスタが意図した目的、@親子で楽しめる場所の提供(61.8%)、A行政の情報や取組の周知(17.9%)、B地域の子育て情報・活動団体の周知(17.6%)についても一定程度達成できたといえます。 企画内容については「育児用品フリーマーケット」が約48%で最も高く、次いで「遊び・交流の広場」が約42%となっており、この2つが特に好評でした。 また、今回、準備から当日実施まで大変熱意を持って協力いただいた地域の子育て団体18団体に行ったアンケートでは、13団体から回答があり、12団体が「参加して良かった」と回答、「悪かった」は1団体のみでした。 また、第2回目開催への参加意向について、10団体は「参加したい」と回答し、回答の無かった3団体も「時期があえば参加したい」など前向きなコメントでした。 その他「団体の宣伝ができた」「他団体と交流できた」など、本イベントに対する肯定的な意見や期待が多数寄せられました。 これらのことから、また肌で感じた当日の会場の賑わいからも「子育てしやすいまちづくり」のひとつの方法として、「あさお子育てフェスタ」は一定程度有用であるとともに、本イベントを契機に地域の子育て団体が連携し、地域での子育て支援体制の構築につながるのではという期待が持たれました。 A子育て支援ニーズの検証 これまでのヒアリング結果から抽出された課題をさらに絞り込むことを目的として、子育て支援ニーズについて聞いたところ、「いざというときに安心して預けられる場所」が50.7%で最も高く、次いで「パパ・ママ親子で一緒に遊べる身近な公園や機会」が45.9%という結果であり、特にこの2つの項目のニーズが高いことがわかりました。 麻生区には、一時保育(行政)やボランティアによる子どもの一時預かりの仕組み(社会福祉協議会)など既存の取組もありますが、事前の申し込みが必要であるなど「いざ」という緊急時への対応の充実など改善の余地があります。 また、安心して親子で遊べる場所や機会へのニーズは高く、子育て施策の検討においては重要なテーマであり、今後の検討課題であります。 B芸術文化のまちづくりに対するニーズの検証 子育て世代が麻生区の「芸術・文化のまちづくり」に何を望むかについて聞いたところ、「こどもや親が芸術・文化に触れ、楽しむことができる催しを充実させる」が29.4%で最も多く、次いで「子育て中の親が、芸術・文化を通じて子育ての悩みやストレスから解放される場を増やす」が11.8%いう結果であり、芸術文化に対する関心や意欲が高いことが確認されました。 (5)提言の内容の検討 1)子育てしやすいまちづくり @「『あさお子育てフェスタ』を契機とした地域で子育てを支援する体制の構築」 前出の通り、「あさお子育てフェスタ」で実施したアンケート結果等から「あさお子育てフェスタ」の有用性が検証されこと、またこれを契機とした地域での子育て支援体制をつくっていきたいとの期待から「『あさお子育てフェスタ』を契機とした地域で子育てを支援する体制の構築」という方向で提言をすることが確認されました。 2)芸術文化のまちづくり @「子育て世代が楽しめる、豊かな芸術文化の環境を区内区外に情報発信」 麻生区では、親子で参加できるさまざまな芸術・文化のイベントが開催されており、子育て世代の芸術文化への関心も高いことが検証されましたが、これらの情報提供の方法や見せ方に工夫や改善の必要があるということが確認されました。 また、麻生区らしい芸術・文化イベント「アルテリッカしんゆり」や今回実施した「あさお子育てフェスタ」など子どもをキーワードとした芸術・文化のまちづくりをさらに推進していくことが必要であるとの合意に達し、「子育て世代が楽しめる、豊かな芸術文化の環境を区内区外に情報発信」という内容で提言をすることとしました。 A「麻生区の『芸術のまち』構想の推進と独自のブランドづくり」 第3期のフォローアップをしたところ、平成26年度より麻生区役所地域振興課が主体となって麻生区全体の「芸術・文化のまちづくり」についての提言や意見交換を行う「(仮称)麻生芸術文化懇談会」が設置される運びとなりました。 また、川崎市アートセンターと連携し、芸術・文化関連団体の情報交換を目的とした「(仮称)あさお芸術・文化交流カフェ」の開催、ホームページのリニューアル、ソーシャルネットワーキングサービスの活用などを通じた麻生区の芸術・文化情報の発信のしくみの構築も計画されています。 新百合ケ丘景観特定地区の景観形成基準については、25年7月にパブリックコメントが実施され、26年4月に改正が行われ、これまで原則禁止となっていた立看板、広告旗(のぼり)、広告幕は、イベント開催などに際し期限を設けて設置が可能となるなど、規制が緩和されました。 また、新百合ヶ丘駅南口バスターミナルの柱に年間を通じて行政主体で柱巻き広報物を設置し、「しんゆり・芸術のまち」をアピールすることになりました。 また、練習場の不足の問題については、しんゆり21ホール(管理者:川崎市文化財団)にて、空いている時間帯を練習に利用できるよう検討するなどの取組が始まっています。 このように、区役所(行政)のイニシアチブのもと、第3期の各提言を組み入れた麻生区の芸術・文化のまちづくりの取組が進められており、今後も、これを推進するとともに、広く区民に周知していくことが必要となります。 また、麻生区の「しんゆり芸術のまち」というブランドを確立していくために、今後は上記「(仮称)麻生芸術文化懇談会」「(仮称)あさお芸術・文化交流カフェ」などと連携し、意見交換や活動を推進することを提言する方向で合意されました。 第4章 区民会議フォーラム〜大地震から助かる命を守る〜 第4期麻生区区民会議の「安全・安心のまちづくり部会」の目標である「大地震から助かる命を守る」をテーマに、区民会議フォーラムが平成25年9月7日(土)に開催されました。 はじめに、第4期区民会議における3つの専門部会の区民会議委員の紹介がなされ、その後各専門部会における具体的な取組の経過について報告がありました。 引き続き、今回の区民会議テーマである「大地震から助かる命を守る」に関する学識者による講演が行われました。 会場内には各種の展示ブースが設けられ、区民会議の紹介や様々な家具転倒防止器具の展示、区民レベルで実施されている大地震対策に関するパネル展示、区内における地域コミュニティづくりへの取組事例、防災関連の参考書籍などが紹介されました。 ・開催期日 平成25年9月7日(土) 午後1時30分〜4時45分 ・開催場所 川崎市麻生区役所4階第1・2会議室 ・当日プログラム 委員長あいさつ 区民会議報告(所属委員の紹介と活動内容等に関する報告) @企画部会(田中副部会長) A安全・安心のまちづくり部会 (村主部会長) B若者が住みたくなる魅力あるまちづくり部会(石井部会長) 講演:園田眞理子氏 「いざという時の備えは、日ごろの安心から−その知恵と心構え」 講演:目黒 公郎氏 「大地震に備えて、私たちはどのように取り組むべきか」 ・参加者人数 153人(区民会議関係者等を含む) ○講演内容(抜粋) 「いざという時の備えは、日ごろの安心から−その知恵と心構え」明治大学教授 園田眞理子氏 ・高齢者・子どもたちが暮らしやすい住環境に関して研究を進めています。 「東日本大震災」の体験から実際に本棚などの転倒を経験し、壁などに家具類を固定するという区民会議の「安全・安心のまちづくり部会」での取組は大変重要なことと実感しています。 ・家族力などソーシャルキャピタルのある人は次の行動がとれるが、ない人は次の行動に移れない。 最大の「弱者」は、このような「もの言わぬ・言えない人」であり、その人達の思いを感じ取る力が必要です。 ・コミュニティという単位の中での個人関係が希薄化しており、人と人のつながりをどうしていけばいいのかが問題となっています。 ・大学では、孤立しないで安心して住めることを目標に、住民と学生が一緒になって地域を支える活動「たま・みた・まちもりプロジェクト」に取り組んでいます。 ・未曾有の災害に備えるためには、日常的な中での備え・心構えをしておくことが重要であり、 @経験や問題などの共有化、A居住者の主体的な活動とネットワーク化、B地域力・仲間力の醸成とネットワーク化等の取組が「まちおこし」に必要です。 「大地震に備えて、私たちはどのように取り組むべきか」東京大学教授 目黒公郎氏 ・地球のハザードに関するハード・ソフトの両面から戦略的な対策について研究を進めています。 ・人々の生活を取り巻く自然環境特性(地形・気候…)や社会環境特性(政治経済文化…)などのシステムに、自然現象の地震・津波のインプットが加わり、ある時期にある基準を超えた時に初めて被害・災害というものになります。 ・防災において非常に重要なことは災害イマジネーションであり、場所・時間・役割・施設・天気・持ち物などを考えた時に、自分の周りで何が起きるのかを具体的に想像できなければ、災害への対応はできません。 ・防災対策を実現するためには、まずは自分の生命と安全を確保して、家族、地域・・・の順で対応することです。 ・首都圏でより重要なことは揺れへの対処、耐震補強。激しい揺れに対してどれだけ被害を抑止できるかの能力がなければ、事後対応では救える命も非常に限定的です。 阪神・淡路大震災の時には、犠牲者の83%が建物倒壊・家具等で圧死しました。 ・皆さんに実施していただきたいことは、災害イマジネーションを向上させて、地震が発生するまでの時間を有効に活用していただくことです。 世の中にある家具転倒防止器具はその効果が様々ですが、より有効な器具を用いることが大切となります。 ○アンケート調査結果(回答数85票) ○参加者について フォーラム参加者の約85%が60歳以上の方でした。地域問題に関心が高く、経験豊かなこの層の方々の力をいかに取り込んでいくかが、今後の区民会議の課題と考えます。 また、認知度調査では、半数近くの方が区民会議を「フォーラムで初めて知った」との回答でした。 フォーラムを通じて、多くの方々に区民会議の存在を知って頂くことができました。 ○講演内容について 「大変参考になった」との回答が約63%で、次いで「少し参考になった」が約19%、約8割強の方が参考になったと回答しました。 ○展示ブースについて(複数回答) 参考になった展示ブースを尋ねたところ、「家具固定器具実物の展示」への回答が31票で最も多く、次いで「大地震対策のハード・ソフトの現状」の22票でした。 自由記述では、「初めて見て参考になるものばかり」という意見がありました。 ○自宅での防災対策について(複数回答) 日頃行っている防災対策について尋ねたところ「飲料水や非常食の準備」という回答が63票と最も多く、次いで「家具や電化製品の転倒防止」の50票となりました。 一方で、「家族間での緊急時の連絡手段や避難先の取り決め」や「ガラスの飛散防止」の票が少く、家庭内での対策が浸透していないことがわかりました。 ○自由記述欄 ・孤独老人の実態がなかなか掴めなくて困っています。考え方の参考になりました。 ・団地でなく戸建て住宅街でも空家が目立ち、長期間住んでいない家も増えています。コミュニティの拠点となるカフェの事例は、参考になりました。 ・聞きたかったのはこれだ!!「常識」に惑わされるな!という考えは大変有効。 ・もっと多くの人に聞かせたかった。他所で今日の話を伝えます。 ・今回、初めて参加しましたが、機会があったら次回も参加したいと思いました。 第5章 提言 1.安全・安心のまちづくり部会・提言 【提言1】 家具転倒防止に向けて 1)パンフレットの作成・配布 ・家具転倒防止対策モデル事業の成果を中心として、「大地震から助かる命を守る」ための考え方や参考情報を、分かりやすく、一般区民向けにわかりやすく、コンパクトにまとめたパンフレットの案を作成したので、できるだけ速やかに、区民向け、関係者向けに広く頒布するなど、広く活用することが望まれます。 ・モデル事業の経験を通じて得られた様々な知見や情報(写真等を含む)については、整理した上で、必要な時に活用できるよう区役所で保管していくことが望まれます。 2)取組を支援するための体制の整備(推進団体、コーディネーター) ・普及啓発、技術的支援、相談対応等を担う市民レベルや民間の支援団体が立ち上がることが望 まれます。そのために、市や区は必要な支援を行うことが期待されます。 ・区民の具体的な取組が円滑に実施されるように、コーディネーター役の人材の確保・養成を進めることが望まれます。 ・地域防災組織や企業と連携し、区民の自主的な取組を支援し、普及させていくことが望まれます。 3)普及啓発のための説明会、出前講座の開催 ・上記パンフレット等を活用して、モデル事業の成果を広く区民や関係団体に普及させ、意識や取組を啓発するため、家具転倒防止の説明会や出前講座等を開催することが望まれます。 そのため、市や区の関係部署との連携・協力関係と、実施体制を整えることが必要です。 4)区民の取組を支える専門技術者の協力を ・家具転倒防止方法の中には、大工等の専門技術者の協力が必要な場合もあることから、業界団体やシルバー人材センター等との連携・協力のもと、住まい方に合った方法を提案できる専門技術者の人材確保を図ることが望まれます。 5)市・区の政策的な支援と取組を ・市や区の関係部署が連携・協力し、財政的、技術的、情報面で支援する体制を整備すること望まれます。 【提言2】家屋の倒壊防止の普及 普及啓発パンフレットの配布、説明会の開催 ・「家屋の倒壊防止」のためには、耐震診断・耐震改修、あるいは耐震性に優れた建物の建築が望ましく、平成27年度末には90%以上が耐震化される見込み(川崎市耐震改修促進計画〔平成19年3月〕)です。 しかし、大地震による死者をゼロにするためには、耐震性不十分な家屋の解消を目指し、継続的に普及啓発パンフレット等の配布や説明会の開催により、「家屋の倒壊防止」の重要性を広く区民に伝え、意識や取組を啓発することが必要です。 ○今後の検討課題 ・現実的に家屋が倒壊しても命を守る方法として、「耐震シェルター」などが開発されており、「命を守る」ため現実的に有効な方法として、その普及を図ることを検討することが望まれます。 【提言3】火災予防・火事発生への対応 消火器等の設置推進・啓発 ・大地震後の火災発生を防止し、初期消火を可能とするため、継続的に各家庭の住宅用火災警報器や消火器の広報を行い、さらなる設置を推進することが望まれます。 ○今後の検討課題 ・火災の一タイプである「通電火災」を防止するためには、例えば「感震ブレーカー」の設置が考えられます。 区民が自主的に取り組める新たな火災予防対策として、その活用を検討していくことが望まれます。 2.若者が住みたくなる魅力あるまちづくり部会・提言 【提言1】あさお子育てフェスタを契機とした地域の子育て支援体制の構築 1)あさお子育てフェスタの継続的開催を ・区民会議が主催し開催した「第1回あさお子育てフェスタ」は、大勢の親子の参加があり、参加者の94.3%から継続してほしいとの要望がありました。 これらの声の実現のためにも、開催結果から見えた課題も含め、創意工夫しながら、今後も麻生区で継続的に開催されることが望まれます。 ・そのためには、区役所は「第1回あさお子育てフェスタ」の参加団体を念頭に、他の関係団体、会議、個人、グループ等、より多くの地域の支援者が参加できる区民主体の体制を作る必要があります。 また、区役所内の部署における分担、連携を図り、それぞれ支援することが望まれます。 2)地域で子育てを支援するネットワークの強化 ・子育てフェスタの開催を目的に、子育て関係団体、個人、グループ等が一連につながることで、身近に子育て支援の輪が広がり、地域で子育て中の親子を支える仕組みづくりにつながり、地域の子育て力が強化されると考えます。 これまでも、様々な団体等が子育て支援の活動を行っていますが、個々の活動や情報発信には限界があり、こうした団体が協働・連携するネットワークを作り、それぞれの活動を発展させることで、地域で子育て中の親子を支える更なる力を発揮することが期待できます。 ・子育てフェスタの開催を契機に、団体間のネットワークを強化する体制づくりに取り組み、「若者が住みたくなる魅力あるまちづくり」の一環として捉え、推進することが望まれます。 【提言2】子育て世代が楽しめる豊かな芸術文化環境の区内区外への情報発信を ・ヒアリングやアンケート調査を通じて、子育て世代の芸術文化活動への関心や期待が高いことが確認されました。 子育て世代に向けた情報発信については、年齢や曜日別、内容ごとに分類した見せ方で掲示板情報やホームページを改善するなど、さらなる工夫が求められています。 今後も、「アルテリッカしんゆり」「子育てフェスタ」など、子どもをキーワードとした芸術文化のまちづくりを目に見える形で推進していくことが、若者にとって魅力あるまちづくりに結びつくものと考えます。 【提言3】麻生区の「芸術のまち」構想の推進と独自ブランドの確立を 1)活性化に向けた情報発信の強化を ・景観形成基準の緩和内容、新百合ケ丘駅南口のバスターミナル広場の柱巻ポスター広告方法、市・区等の後援取得の意義や方法等を地域へわかりやすく周知徹底し、芸術文化催事の「にぎわい」が共生する街並みが実現することを望みます。 また、芸術・文化団体から要望の多かった利用可能な練習場所などを含め、幅広い地域情報の収集と麻生区の芸術文化の発信を進めていくことが期待されます。 2)今後の芸術のまちづくりに向けて、有意義な意見交換の場を ・今後、区役所が「(仮称)麻生芸術文化懇談会」や「(仮称)あさお芸術・文化交流カフェ」などと連携しながら、麻生区の芸術・文化のまちづくりをさらに推進し、「しんゆり芸術のまち」がブランドとして確立されることを望みます。 3.第4期区民会議を振り返って ○テーマの選定 第4期の区民会議では区民にとって関心が高くかつ身近な課題を選択し、検討・審議・調査が具体的に行われ、家具転倒防止のモデル事業やあさお子育てフェスタ等で大きな成果を得られたことは大変意義のあることだったと思います。 それぞれが大きな課題を選定したが、その中からさらに検討する課題を絞り込み、継続して精力的に審議・活動を行ったことでかなりクリアな提言へ結びつけることができたと考えます。 ○課題への取り組み 安全・安心のまちづくり部会、若者が住みたくなる魅力あるまちづくり部会、2つの専門部会に分かれての検討は、綿密な調査のもとに毎月1回審議を行うとともに、その状況や成果を様々な広報手段で発信することにより、区民に見える区民会議にすることができたと思われます。 また、企画部会も、全体会議や各専門部会の調査審議活動に対して、事実上の仕切り役としてよく機能しました。 地域情報紙への働きかけによる区民会議のPRも効果があったと思われます。 ○提言の具現化 今回取り扱った課題はかなり範囲が広く、2年という短期間ではすべてにわたって検討し課題解決を見出すことは極めて困難でした。 今後、区の施策や市民活動の中で提言の具現化や次のステップへの展開に向けて取組が進められることを期待します。 取組にあたって、私たち、第4期区民会議委員はどんな協力も惜しみません。 ○情報発信と啓発活動の必要性 2つの部会は共に具体的な検討・調査を行い、家具転倒防止のモデル事業やあさお子育てフェスタ等を通じて、提言に結びつけることができました。 今後、生み出された提言を具体的に市民活動に繋げ、展開し地域社会に根付かせていくためにも、きめ細かな情報発信によって、地域住民へ啓発することが必要と思われます。 ○地域団体・ボランティア団体との連携・協働 家具転倒防止のモデル事業やあさお子育てフェスタは、関連団体・ボランティア・専門技術者・区民との連携・協力を得ることで活動範囲が広がり、区民会議の認知度の向上を図ることができました。 いずれも初めてのケースでしたが、区民会議にとって新たな可能性を示すことができたと思います。 今後、区民会議の活動が深く区民の中に浸透していくには様々な団体に呼びかけて、信頼と協力を得ていくことが必要と思われます。 ○区民会議の活性化と今後の課題 区民会議が区民により身近な会議として機能するためには、意欲ある人材の発掘とともに、会議自体の活動の活性化が必要です。 第4期区民会議では、委員が出席しやすいように、初めの段階で任期中の概ねのスケジュールを決めました。 活動に積極的に参加することによって、委員自身が区民会議の役割・意義を十分に認識することが今後も大事だと思います。 資料編  第4期区民会議委員・参与名簿  第4期区民会議スケジュール 第4期区民会議関連資料               安全・安心のまちづくり部会より 1.大地震から助かる命を守るための具体策検討シート 2.モデル事業の工事実施計画書のサンプル 3.工事実施結果の取りまとめ、工事施工写真 4.モデル事業対象世帯へのアンケート結果 5.モデル事業参加者の意見(モデル事業を振り返って) 6.モデル事業のまとめ  若者が住みたくなる魅力あるまちづくり部会より 7.子育てしやすい環境づくりに関するアンケート調査結果 8.子育て支援グループへのヒアリング結果(子育てしやすい環境づくり) 9.芸術・文化関連団体へのヒアリング結果(芸術・文化のまちづくり) 10.行政へのヒアリング結果(芸術・文化のまちづくり) 11.あさお子育てフェスタ 開催案内チラシ 12.あさお子育てフェスタ 当日配布パンフレット 13.あさお子育てフェスタ 来場者アンケート調査結果 14.あさお子育てフェスタ 協力団体アンケート調査結果 15.あさお子育てフェスタ 掲示・配付 未就学児向け催事・事業一覧 16.あさお子育てフェスタ 芸術文化イベントに関するヒアリング調査結果 麻生区区民会議ニュース 地域情報紙掲載記事 安全・安心のまちづくり部会 普及・啓発資料(家具転倒防止対策パンフレット・案)        第4期麻生区区民会議報告書 (平成26年6月) 発 行:麻生区区民会議 事務局:麻生区役所まちづくり推進部企画課 〒215-8570 川崎市麻生区万福寺1-5-1 電 話:044-965-5112 FAX:044-965-5200 E-mail:73kikaku@city.kawasaki.jp 第4期麻生区区民会議報告書 終了