たかつハートリレー第30回で御紹介するのは、視覚障がいを持った方々が、手編みのアクリルたわしやストラップなど手芸用品の製作・販売をしている「ミニショップ アイメイト」です。
溝口の施設などを借りて、毎週作業をしています
「ミニショップ アイメイト」の皆さんが活動をしている北部身体障害者福祉会館は南武線武蔵溝ノ口駅、東急田園都市線溝の口駅から徒歩5分ほどのところにあります。私たちが取材に訪れた日は、いつも使っている集会室の隣の一回り小さな部屋で作業が行われていました。視覚に障がいのある方4人とボランティアの方5人の合計9人で、この日も手編み、仕上げ、包装までの作業を1日行うそうです。
机の上には毛糸玉や、すでに編み上がっている作品がたくさん置かれていてとてもカラフル
アクリルたわしのデザインは10種類以上
メンバーの方に、今製作しているものについてお聞きすると、やはり「アクリルたわし」が中心だということ。活動を始めた10年前は2〜3種類だったデザインも今は10種類以上に増えています。同じ編み方でも使う毛糸の色によって、イチゴになったりぶどうになったり、ひまわりに目・鼻・口を付けるとライオンになったりといろいろバリエーションを生みだしています。
左のイチゴとぶどう、右のひまわりとライオンは同じ編み方で色とデザイン違い
今一番人気があるのは、ドレスのデザイン。一回り大きくて立体的にできているので、立たせておくこともでき、洗面所やお風呂場に置くと、とてもおしゃれな感じになるそうです。中にはたわしとして使うのがもったいないので、リビングに並べて飾っているという方もいらっしゃるようです。
一番人気のデザインはドレス。白い縁取り模様が特徴です
紅葉した葉っぱも
洗面所に置きたくなるバラの花
履いてみたくなるカラフルな草履
視覚障がい者とボランティアの絶妙な連携
色合いがきれいなドレスですが、模様になる白い毛糸を入れるタイミングや毛糸の色合せはボランティアの方がサポート。ライオンなど動物バージョンの目や鼻を付けたり、草履の鼻緒を付けたりするのもボランティアの仕事です。土台になる手編み部分を視覚障がい者が受け持ち、仕上げと袋詰めをボランティアがサポートするという連係プレーです。ボランティアの方は全員が視覚障がい者ガイドヘルパーです。仕上げだけでなく、絡み合ってもつれてしまった糸の処理や毛糸の在庫管理(特に色の管理)など、目が不自由だと難しい部分を細かくサポートしています。障がいのある方とボランティアの方の“あうん”の呼吸ともいえるチームワークが素晴らしい作業風景です。
手編みの作業はそれぞれの自宅で進めて、月2回の作業日に仕上げと袋詰めを行うそうです。作業日は朝10時から午後4時まで、昼ご飯を挟んで丸一日作業をするそうです。お昼の時間は皆さんが差し入れを持ち寄り、おしゃべりをしながら情報交換をする楽しい時間です。
視覚障がい者は左写真の手前の斉藤さん、右写真の手前から2人目の竹山さん、3人目の千葉さん