新型コロナウイルス等の感染症が、まん延している中での避難所開設には、感染の拡大を防ぐための対策が必要不可欠です。 「3つの密」の防止対策やマスクの着用、手指の消毒などを基本に 避難者の健康状態に基づいた部屋の割り振り 避難スペースでの十分な換気 ソーシャルディスタンスの確保などに取り組むことで、避難所における感染リスクを最大限に軽減できるよう運営にあたりましょう。 避難所運営に必要な物品の運び出しを行います。 備蓄倉庫の中には、キャリーカート、災害用トイレ、非常食、飲料水、間仕切り用段ボールなどがあります。 備蓄倉庫から、キャリーカートや必要な資機材を運び出します。 作業時には、作業人数を制限し、短時間で終わらせます。 指示はなるべく声を出さず、ジェスチャーで伝えましょう。 キャリーカートの中には、消毒液やマスク、ニトリル手袋などの感染症対策物品のほか ほうきとちりとり、拭き掃除用のぞうきん、使い捨てクロスなどの清掃用品 避難所の外に取り付ける案内幕や、掲示物なども入っています。 キャリーカートの中にあるものすべてを使う必要はありません。必要に応じて使いましょう。 作業にあたる際は、作業人数を制限し、短時間で終わらせる 扉を開放するなど、換気を行う 会話は最小限に抑え、指示はジェスチャーで伝える 安全で、スムーズな作業を心がけましょう。 受付の場所や、使用する部屋などは施設の管理者と事前に確認しておきましょう。 避難所の中の案内は、目に入りやすい場所に掲示します。 養生テープを活用し、床にソーシャルディスタンスの表示をします。 避難所の外には、案内幕、のぼり、バルーンライト、天候や風の状況をみて設置します。 受付は長机を設置して、備品や掲示物を用意します。 衛生用品、筆記用具のほか、 "・受付カード ・要配慮者スペース利用者名簿 ・Cゾーン避難者シート ・Dゾーン 避難者シート ・ペット届出用紙" 避難者の体調を教えてもらうための健康チェックリストは、机の上に用意します。 スムーズな受付のために、大きいサイズのものは、見えやすい位置に掲示します。 避難所内は、感染リスクを減らすため避難者の症状に応じてA・B・C・Dの4つのゾーンに分けます。 Aゾーンは、体調が良好で、特別な配慮を必要としない方が避難するゾーンです。 Bゾーンは、介護や介助が必要、妊娠中や乳幼児を連れた方などで、特別な配慮を希望する方のゾーンです。授乳室などのプライベートルームも設置しましょう。 Cゾーンは、発熱や咳などの症状がある方のゾーンです。 Dゾーンは、新型コロナウイルス感染症の経過観察の対象者や、過去14日以内に海外から帰国した方などのゾーンです。 ペットを連れた避難者にも対応できるよう、受入場所を準備します。 避難者の中にはアレルギーを持った方もいます。ペットの受入場所にはブルーシートを敷きましょう。 避難所内のレイアウトは、避難者の行動を予測して、感染症対策に配慮した配置を心がけます。 たとえば、水道やトイレは、Aゾーン・Bゾーンの方と、Cゾーン・Dゾーンの方のフロアを分け、できるだけ交わらないようにします。 避難してきた人を受け付け、健康状態によってそれぞれのゾーンに案内します。 受付担当者は、感染症対策をして対応にあたります。 設置した消毒液を使い、手指の消毒を呼びかけます。 "ソーシャルディスタンスを保ち、お互いに距離を取って並びます。 表示や拡声器を活用して案内しましょう。" 非接触型体温計で、避難者を検温します。 健康チェックリストを指差して、健康状態の意思表示をしてもらいます。 すべての避難者に受付カードを配布し、検温の結果によりCゾーン・Dゾーンに振り分ける方については、再度検温した上で受付カードのはじに体温を記載します。 "避難者を、該当するそれぞれのゾーンに案内します。 要配慮の方、ペットの飼い主には別途届出用紙を渡します。" 案内は掲示などを充実させ、なるべく声を出さずに対応します。適切に誘導しましょう。 感染リスクを軽減するための避難所運営のポイントは、大きく4つにわけられます。 避難者対応、3つの密の回避、共有スペースの感染症対策、運営者の感染症対策 ポイントを詳しく見ていきます。避難者対応では、マスク着用の徹底、手指消毒の徹底、近距離での会話や大声を避ける、 施設の物品にむやみに触らないなどこれらを守ってもらうよう案内しましょう。 3つの密の回避のために避難者一人あたりのスペースを可能な限り確保します。人との間隔を1メートル以上空けるのが理想です。 そして、30分ごとを目安に窓を開けて換気を行います。窓が無い部屋の場合は、扇風機などを活用して強制換気を行います。 共有スペースでの感染症対策では、階段の手すりやドアノブなど、接触頻度が高い箇所のこまめな消毒、 トイレや洗面台の清掃は午前に1回、午後に1回行います。清掃を行うとともにトイレットペーパーなどの在庫も確認しましょう。 水道は、使う人が1メートルから2メートル離れるように設定します。 水道や、トイレの手洗い場にはハンドソープを設置します。 各部屋の出入口や、トイレの前には手指用消毒液を設置します。机などを使い、適度な高さにしましょう。 運営者の感染症対策として、マスクの着用、適宜交換、手洗い・手指消毒を徹底しましょう。 体調が悪くなったときは、ただちに業務から離れて区本部へ報告して指示を受けましょう。 また、避難者から体調不良などの報告があればすみやかに区本部の危機管理担当に連絡しましょう。 続いて、特に注意が必要なCゾーン・Dゾーンにおける対応を確認します。 Cゾーン・Dゾーンでは避難者の体調不良や、経過観察者の体調の変化に最大限に注意します。 巡回の担当者は、マスク、フェイスシールド、ニトリル手袋、ポンチョを着用し、定期的に巡回しましょう。 避難者シートは、避難者本人に記録してもらいます。 本部からの情報や、被害の状況を確認し、避難者に帰宅のルールを周知します。 アナウンスの際は、校内放送や、貼り紙などを活用しましょう。 密を避けるために、ゾーンごとに時間差を設けて帰宅させることに留意しましょう。 帰宅させる順番は、発熱・体調不良者、要配慮者、体調良好者、最後に濃厚接触者です。 避難者が出したごみは、避難者が各自で持ち帰るように案内しましょう。 避難所は、子どもたちの学び舎である学校を使用しています。 閉鎖のときも避難者と協力して使った場所の掃除や後片付けをしましょう。 よく触る箇所を中心に、施設用消毒液で拭き取り清掃を行います。 清掃の担当者はマスク、ニトリル手袋、フェイスシールド等を着用して作業します。 Cゾーン・Dゾーンの清掃は、ポンチョも着用します。 廊下やトイレも窓を全開し、換気を十分にして清掃にあたりましょう。 ペット専用スペースの床は、ほうきを使い掃き掃除をしたのち、 消毒液を使用して最後に拭き上げをします。 ごみ袋の口を縛るときは、中の空気がもれないように、固く縛ります。 清掃が終わった後は、手洗いや手指消毒を必ず行いましょう。 巡回の担当者が身につける感染対策用品の扱いも確認しましょう。 ポンチョの着脱は、専用スペースに出入りをする前に行います。決められた場所を使用しましょう。 ポンチョを脱ぐときは、汚れやウイルスのついた外側を触らないように注意します。 また、その汚れやウイルスが飛散しないように、ゆっくり脱ぎましょう。 ニトリル手袋をはずす時は、まず手袋の上から手指を消毒します。 片方ずつはずし、もう片方をはずす時は内側からめくり、外側に触れないようにはずします。 捨てる時は、ごみ袋の中身に触れないようにしましょう。中の空気が漏れないように、きつく縛ります。 感染症対策に配慮した避難所の運営は、いかに感染リスクを低くするかが重要です。 新しい避難所運営のあり方を話し合い、これからも防災意識を高めていきましょう。 各避難所の備蓄倉庫には、資機材の取り扱いを動画で紹介した二次元バーコード一覧が納められています。 また、多摩区のホームページからも同じ動画を観ることができます。 いざという時のために、ホームページの検索窓に「避難所使用物品」と入力して、表示された動画一覧からご覧ください。