ハートリレー第31回 「坂上広場 あそび基地」は坂の上。
自由に、安全に遊べる“おうち”以上の場所。

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ワークショップなどイベントも

 普段の月曜日は子どもたちが自由に遊ぶ時間ですが、「月に一度くらい何かやりたいよね」という声もあったので、ワークショップやパーティーなどのイベントを企画するようにしています。

 たとえば2018年の11月はクリスマスリースづくりのワークショップ、翌月のクリスマスにはホットプレートでケーキを作ってクリスマスパーティーを楽しみました。取材のあとの1月の第4週にはキラキラフォトフレームを作るワークショップが予定されていました。

 ワークショップは有料(数百円)ですが、「いつもの遊びとは違ういろいろな発見や、体験を子どもたちに提供できる貴重な時間なのでこれからも続けていきたい」とスタッフの1人杉村さんは語っていました。

写真 クリスマスリースづくりワークショップ

クリスマスリースづくりワークショップ

写真 2018年のクリスマスはホットケーキを

2018年のクリスマスはホットケーキを作りました

個人宅ではない場所を探すのはたいへんでした

 同じマンションに引っ越して来て間もないお母さんから「家に子どもが遊びにくるのはいいんだけど、人数も時間もどんどん増えてしまって困っている」というお話を聞いたことがあり「個人宅ではなく、子どもたちが集まれて、安全に遊べる場所があればいいんだよな〜」と思ったことがこの遊び基地の出発点だそうです。

 そこから場所探しが始まり、まず近くの団地の集会室が思い浮かんで、先方に相談。なんとか借りることはできたのですが、集会室は枠がとりづらく月2回で曜日も固定できない、使用料がかかるのだけれど子どもからは徴収できない、などの問題を抱えてのスタートとなりました。それだけでなくもっと問題が発生。それは「騒音」でした。集会室は団地の居住スペースに近接していますし、団地は高齢者も多く住んでいたので、遊び声が問題になり「別の場所に移ってほしい」と言われてしまい、また場所さがしに逆戻り。

 ここで遊び場に見学に来てくれた保健師さんが、「いい場所がありますよ」と紹介してくれたのが今の場所「花物語たかつの丘」でした。さっそく見学にいって相談してみると「子どもたちの遊んでいる声は、かえってお年寄りにも喜ばれます」と快く貸していただけることになりました。「せっかくいい場所ができたので、たくさんの子どもたちに集まってほしいので、助成金で『あそび基地だより』を毎月発行して、近所にスタッフ5人でポスティングなどして活動を広めています。」と森合さん。

 子どもを思うお母さんたちの熱い気持ちが作った「坂上広場 あそび基地」。これからの活動がますます楽しみです。

写真 右から代表の森合さん、杉村さん、末崎さん。ここでは、まきちゃん、きょうちゃん、なっちゃん

右から代表の森合さん、杉村さん、末崎さん。ここでは、まきちゃん、きょうちゃん、なっちゃん

取材を終えて

「あそび基地」この言葉の響きは、遠い遠い幼い頃を思い起こさせ、ワクワクするようなネーミングです。

 かつての「あそび基地」なるものは、空地の一画であったり、川原の茂みの中であったりでしたが、先日おじゃました現代の「あそび基地」は高津区久末の丘の上にある高齢者施設の一室にありました。

 午後3時を過ぎると近くに住む小学校3・4年生ぐらいでしょうか、授業を終えた子どもたちが「あそこに行けば誰かに出会える、何か面白い遊びができる」と集まってきます。1人で来る子、友達と連れだって来る子など、いつもは高齢者施設の静かな場所が、子ども独特の活気に満ちた遊びの場となっていました。

 発足以来運営に携わっている方にお話しを聞くと、多少の御苦労はあるようですが、3時から5時までのその時間を子どもたちを見守りながら一緒に楽しんでいる様子がうかがえました。 

(ミニショップ アイメイト 大漉)

 

「坂上広場 あそび基地」のことをもっと知りたい

  • 活動場所:花物語たかつの丘 地域交流室 (高津区久末1495-1)
  • 開放日:毎週月曜日 午後3時〜5時(夏季・冬季・春季の長期休暇、祝祭日は閉所)
  • 利用料金:無料(ワークショップは有料)
  • 利用対象:小学生以上(未就学児は保護者同伴で利用可)
  • 安全について:社会福祉協議会のボランティア行事保険に加入していますが、その補償範囲を超えた事故・災害等によるケガ・盗難などについては責任を負いかねます。
  • お問合せ:メール sakauehiroba@gmail.com 電話090-4670-9049(もりあい)
  • ホームページ:https://sakauehiroba.wixsite.com/sakauehiroba

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取材先

「坂上広場 あそび基地」

 
森合 牧子さん

取材者

写真 取材者

ミニショップ アイメイト
大漉さん(右)とガイドヘルパーの関口さん

ミニショップ アイメイトは、視覚障がいを持った方々が、手編みのアクリルたわしなどの手芸作品を製作・販売する活動をしています。