施策進行管理・評価票(1)

評価年度2013年度


<基本情報>

施策課題 42102000 大気環境等改善対策の推進 作成課 環境局環境対策部環境対策課
基本政策 環境を守り自然と調和したまちづくり 政策の
基本方向
生活環境を守る 基本施策 地域環境対策の推進
関係課 環境局環境対策部交通環境対策課、企画指導課 重点  

<第3期実行計画(2011(H23)〜2013(H25)年度)における施策の概要及び施策の目標>

当該施策によって
解決すべき課題
●市内の大気汚染状況は改善傾向にありますが、二酸化窒素は一部の自動車排出ガス測定局で、光化学オキシダント*は全測定局で環境基準を達成していません。2009年に環境基準が設定された微小粒子状物質(PM2.5)*への対応も必要です。
●今後、アスベスト*建材を使用した建築物等の解体作業の増加が予測されるため、2011年3月に川崎市公害防止等生活環境の保全に関する条例を改正し、建築物等の解体等作業に伴うアスベストの飛散防止対策を強化しました。今後は、大気汚染防止法と併せて改正条例の円滑な施行と適切な運用により、確実に施策の推進を図る必要があります。
施策の概要 ●大気環境改善に向けて、大気環境モニタリングの継続実施、工場・事業場等からの大気汚染物質の排出状況の監視及び指導、環境性能の優れた燃焼施設等の導入促進、PM2.5の常時監視体制の整備及び実態把握などに取り組むとともに、光化学オキシダント対策として、事業者の自主的な取組支援、他自治体との広域的な連携について検討を進めます。
●悪臭、騒音及び振動問題については、迅速かつ適切な対応を図ります。
●アスベスト対策については、建築物等の解体等作業が法令の規定に基づき適正に実施されるよう事業者の監視指導を実施します。
●中小企業者に対する公害防止設備の新設等に伴う資金の融資あっせん・利子補給制度を継続して実施します。
施策の目標 ●大気汚染については、国の環境基準や市の環境目標値等の達成とその維持を目指します。
●悪臭、騒音及び振動については、苦情件数の減少を目指します。
●アスベスト対策については、法令に基づく立入検査を実施し、解体等作業における適正な事前調査の実施率の向上を目指します。

<成果の説明>

解決すべき課題に対する当該年度の成果 ●大気環境モニタリングを継続実施し、PM2.5の自動測定機を3ヶ所増設し市内14ヶ所で常時監視できるよう体制を整備し、実態把握などに取り組みました。
●工場・事業所等からの大気汚染物質の排出状況の把握及び指導を行い、発生源自動監視システム*の更新を行いました。
●光化学オキシダント*の原因であるVOC*の排出削減のために、VOC排出抑制取組ガイドを改訂するとともに、神奈川県・横浜市と合同で事業者向けにVOC等化学物質対策講演会を開催しました。
●アスベスト対策については、改正条例を2011年10月から施行し、新規に対象となった石綿含有成形板の解体工事に全件立入を行うなど、解体等作業に対し適切な監視指導を実施しました。
●悪臭・騒音振動等に関する苦情は適切に現地調査を行い、原因の確認・事業者指導等を行いました。
●融資あっせん・利子補給制度については、事業者向けのパンフレットに掲載する等広報を行いました。
●福島第一原発事故への対応として、市内3地点で空間放射線量の常時監視及び夏季と冬季に市内の河川12地点、地下水3地点、海水3地点、土壌3地点での放射性物質のモニタリング調査を実施し、結果をホームページ等に公表しました。
残された課題,新たな課題,社会環境の変化等 ●光化学オキシダントは、光化学スモッグ注意報が未だに発令されているなど、今後も国や他自治体と連携した更なる対策が必要です。
●PM2.5は広域における問題であり、実態及び生成メカニズムの把握やVOCの削減などの更なる取組の検討が必要です。
●アスベスト対策については、アスベスト使用の有無の事前調査が不十分となり、届出や作業が不適正に実施されている事例があるため、事業者への指導が必要です。
●福島第一原発事故の影響による市民の不安に対応する必要があります。
評価結果及びその評価区分とした理由 2011 2012 2013 ●2013年度は、大気中の硫黄酸化物や二酸化窒素については市内全測定局で環境基準を達成しており、一定の成果をあげていますが、浮遊粒子状物質(SPM)*やPM2.5の市内全測定局での環境基準の達成や光化学スモッグ注意報の発令回数を減少させるため更なる取組を必要とするため
●アスベスト対策については、条例を適切に運用していますが、今後も引き続き立入による事業者指導の継続が必要なため
●市内放射線等の測定についても、継続した測定及び公表が必要なため
AⅡ AⅡ AⅡ

A 施策が順調に推進したもの(新たな課題等 Ⅰ 無 Ⅱ 有) B 施策が一定程度推進したもの C 施策が推進していないもの


<今後の取組や方向性及び改善に向けた考え方>

2014年度以降の方向性 ●大気環境改善に向けて、PM2.5や光化学オキシダント対策について、国・周辺自治体等と連携した実態把握・情報交換・対策の検討等を行っていく予定です。
●工場・事業所からの大気汚染物質の排出状況の把握、立入指導・監視を継続して実施する予定です。
●アスベストについては、飛散防止の徹底を図るため、全件立入による事業者指導の継続やホームページによる情報提供を進めていく予定です。
●福島第一原発事故の影響による市民不安の解消を図るため、継続して空間放射線量の常時測定等を実施し、結果を公表します。

<参考指標>

参考指標名① 参考指標名② 参考指標名③
全測定局(18測定局)における二酸化窒素の環境基準達成状況 NOx対策目標量の達成状況 光化学スモッグ注意報の発令日数
指標の説明① 指標の説明② 指標の説明③
市の環境基本計画の重点目標に、二酸化窒素の環境基準(対策目標値)を2015年度までに達成することを掲げています。 環境基準(対策目標値)を達成するための市内の工場等(固定発生源)の許容排出総量として規定された目標量です。
2013年度のデータ確定は、2014年12月予定のため、実績値は空欄とします。
市の環境基本計画の重点目標に、光化学スモッグ注意報の発令日数ゼロを目指すことを掲げています。
指標の方向性① 指標の方向性② 指標の方向性③
大きいほどよい 小さいほどよい 小さいほどよい
年度 計画値 実績値 単位 年度 計画値 実績値 単位 年度 計画値 実績値 単位
2010 18 15 2010 9,330 9,348 t/年 2010   7
2011 18 17 2011 9,330 9,467 t/年 2011   4
2012 18 17 2012 9,330 9,144 t/年 2012   2
2013 18 18 2013 9,330     2013   11

<事業費>

(単位:千円)
年度 2011(H23)年度 2012(H24)年度 2013(H25)年度
予算 決算 計画事業費 予算 決算 計画事業費 予算 決算見込
事業費合計 361,609 361,797 371,987 377,616 359,219 378,866 253,910 240,656

<配下の事務事業一覧>

事務事業名 第3期実行計画
期間の達成状況
事務事業名 第3期実行計画
期間の達成状況
大気汚染防止対策事業 アスベスト対策事業
公害防止資金融資事業 悪臭防止対策事業
騒音振動対策事業 環境情報システム運営事業
地域環境・公害監視事業    

<用語説明>

光化学オキシダント:自動車及び工場等から排出される窒素酸化物や炭化水素は太陽からの強い紫外線を受け光化学反応を起し、オゾン、パーオキシアセチルナイトレート、アルデヒドなどオキシダント(酸化力の強い物質の総称)を二次的に生成します。これらの物質からできたスモッグを光化学スモッグといいます。
微小粒子状物質(PM2.5):大気中に浮遊する粒子状物質のうち、粒径が2.5μm以下のもの。一般にSPM*よりも人為起源粒子の割合が多く、主な構成成分は、ディーゼル自動車等から排出される元素状炭素や、硫黄酸化物、窒素酸化物、揮発性有機化合物等のガス状物質が大気中で光化学反応等により粒子化する二次粒子(硫酸塩、硝酸塩、有機炭素等)などです。通常の浮遊粒子状物質よりも肺の奥まで入り込むため、呼吸器疾患を起こす確率が高いといわれています。
アスベスト:分解・変質しにくいことから環境への蓄積性が高く、その繊維は極めて細いため、吸引して肺の奥深くまではいると体外に排出されにくく、肺がんや中皮腫などの疾病を引き起こす原因になるといわれています。
発生源自動監視システム:工場・事業場の常時監視を行うため、各測定局の測定データをリアルタイムで収集・蓄積するシステムで、測定機、子局、通信回線、親局及び処理コンピュータ等で構成されています。
VOC:揮発性有機化合物( Volatile Organic Compounds)の略であり、揮発性を有し、大気中で気体となる有機化合物の総称で、塗料、接着剤、溶剤、インク、ガソリン等に含まれています。代表的な物質としてはトルエン、キシレン、酢酸エチルなどであり、主なもので約200種類あります。
浮遊粒子状物質(SPM):大気中に浮遊する粒子状物質のうち、粒径が10μm以下のもの。大気中に長期間滞留し、肺や気管等に沈着するなどして、呼吸器に影響を及ぼすおそれがあるため、環境基準が設定されています。工場等の事業活動や自動車の走行に伴い発生するほか、風による巻上げ等の自然現象によるものがあります。排出されたとき既に粒子としての性状をもつ「一次粒子」と排出時、ガス状であった化学物質が大気中で光化学反応等により粒子化する「二次粒子」に分類されています。
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