たかつハートリレー第18回で御紹介するのは、脳血管疾患の患者さんの自主グループ「野川ひまわり」です。リハビリ教室や各種レクリエーションなど、毎月3回ほどメンバーの皆さんが集まります。なによりも人と人が直接会って体操や会話を楽しむことを大切にしているグループです。
参加者が気軽に発言できる、楽しい講話タイム
冷たい冬の雨が降る午後、「子母口老人いこいの家」で12月のリハビリ教室が行われていました。あいにくの天候で、参加者はいつもより少なかったようですが、集まった人が輪になって席に着いた会場は、なんとなく暖かい空気に包まれています。
リーダーの宮田幸恵さんのあいさつのあと、最初のプログラムは佐藤保健師の講話です。この日のテーマは、もうすぐお正月ということもあり、お餅をはじめ食物を喉に詰まらせる危険性について。「お餅の次に喉に詰まらせやすい食物は?」などの質問を交え、会話を楽しみながら講話は進みます。歳を重ねると唾液が少なくなり、歯もなくなり食物を小さくする力が弱まり喉に詰まらせやすいので、食べる前にお茶などで口を湿らせるといいということや、唾液が出やすくなる首のマッサージ、詰まらせてしまったときの対処方法までを紹介する中身のギュッと詰まった講話でした。
佐藤保健師
会話を楽しみながらの講話です
「パタカラ体操」と「あいうべ体操」でリハビリタイムがスタート
話の次は理学療法士の矢島純子先生によるリハビリ体操。この日は佐藤保健師の話を受け、口の体操2種からスタートです。ひとつめは食べるために必要な筋肉をトレーニングする「パタカラ体操」。発音する時の舌の動きとその働きの説明を受けながら「パ!」「タ!」「カ!」「ラ!」と発声することで嚥下力(飲み込む力)をつけるために開発されたそうです。もうひとつは「あいうべ体操」です。「あ〜」と大きく口を開き、「い〜」と口を大きく横に広げ、「う〜」と口を強く前に突き出し、「べ〜」と舌を下に突き出すという簡単な体操ですが、口呼吸を鼻呼吸にすることで、口が閉じられ、唾液の分泌が増え、潤いが戻り、免疫力が増すという効果があるそうです。
「家に引きこもりがちな高齢者や、ゲームなどの遊びでしゃべる遊びが減ってしまった子どもたちに、ぜひ進めたい」という矢島先生のお話に「ヨダレがたくさん出る子は丈夫に育つって言うもんね〜」と宮田さんがすかさず応えるなど、ここでもいろいろな意見や感想が飛び交います。
「あいうべ体操」の口の動きを説明する
理学療法士矢島先生
「い〜」の発声はメンバーの中島さん