リハビリ体操はスクワットもあり、全身を使う本格的なもの
口の体操のあとは、全身を少しずつ動かすいつもの体操です。深呼吸から始まって、首、肩、手、腰、背筋から足へと徐々にほぐしていきます。麻痺の残るほうの手や足も、もう片方の手を使ったり、ボランティアの方に補助してもらいながら、可能な範囲で動かします。膝の運動やスクワットなど、ちょっときつめの体操は、みんなで声を掛け合いながら頑張ります。倒れそうになったときに踏ん張れるよう足の裏の筋肉を鍛えるタオルギャザー運動(タオルを足の指でたぐり寄せるような動き)という体操も組み込まれています。
約25分もあるかなりハードな体操ですが、みなさん真剣に取り組んでいて、少しでも動かせる範囲を広げたいという意欲が伝わってきました。
背筋を伸ばすストレッチもできる範囲で
ボランティアの補助でつま先立ち
当事者が当事者を支える、そのつながりこそ何より大切
リーダーの宮田さんとメンバーの中島さんはお二人が元気だった頃からのお友達。宮田さんが「野川ひまわり」を立ち上げて5年くらい経ったころ、中島さんも同じ病気で麻痺が残ってしまい、外に出かけるにも旦那さんに頼りっぱなしだった中島さんを、この活動に引っ張り込んだのが宮田さんです。「このグループに入ってとても救われた」と穏やかな表情で語る中島さん。
介護保険の制度が変わって、片側麻痺の方に対する保障に変化があったり、活動を引き継いでくれる人がいないなど苦労も多いようですが、「どうしようもないことをおしゃべりする場になればいいし、人とつながることで気持ちが少しでも明るくなれば…」という宮田さんの思いが、「野川ひまわり」の魅力の源泉になっているように感じました。
リーダー宮田幸恵さん
体操のあとのお茶の時間
取材を終えて
私は約20年前、85歳で脳梗塞を患い左手と足が麻痺した父を3年半看病しました。何で自分がこんなことになってしまったのかという父の落ち込みは激しく、もっと若かったらリハビリにも励めるかもしれないが、この年齢では無理と言って、ただ残された人生を他人の助けを借りて生きているという状態でした。
「野川ひまわり」のリーダー宮田幸恵さんは47歳のときにクモ膜下出血を患い、そのことが原因で脳梗塞状態になられたとのことです。初期の頃、現実に立ち向かうとき、どんなにつらく、そして悲しい日々を過ごされたことかと察するにあまりあります。
それから20数年経ち、今回初めてお目にかかった宮田さんは、明るく朗らかでリーダーシップをたっぷり持った方でした。
当日はあいにくの冷たい雨のせいもあり、参加者が3名のみで、少し残念でしたが、保健師さんの講話やリハビリ体操など、私も参加させていただいてとても楽しく過ごしました。いつもはもっと、もっと賑やかなのでしょう。
自主グループの運営はとてもご苦労なことと察しますが、よき後継者を育てて、この活動が長く続きますよう祈らずにはいられません。
(サボン草 藤田)
野川ひまわりのことをもっと知りたい
- リハビリ体操をはじめゲートゴルフ・ボッチャ(脳性麻痺などにより、運動能力に障害がある競技者向けに考案された障害者スポーツ)などのスポーツや各種レクリエーション
- 活動日時:毎月第2・3・4火曜(第4火曜は不定期)
- 設立:2003年7月
- 会員:13名
- 会費:年2,000円