ハートリレー第23回 生きづらさを前向きにとらえ、
みんなで集い支えあう場「喫茶ほっと」

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解決にはこだわらない、自分の状況の把握が大切

 最初のお題として出されたのは、対人関係の悩みです。「同じ活動をしているメンバーのある人のことが気になってしょうがない。その人が目立つ発言をしたりすると、どうしても気持ちがざわついてしまう。そう思う自分がいや。」という提出者の苦労に対し、みんなが質問をし、問題点を分析しました。

 「人はそれぞれ、自分とはやり方が違うと思えば良い」「また始まったと思って気にしない」「自分と同じ意見の仲間をつくる」など、思いつきレベルのものも含め、多くのアイデアが出ました。

写真 どんどんホワイトボードに書きとめていきます

どんどんホワイトボードに書きとめていきます

 「研究会では、悩みの解決にこだわっていません。あなたは今、こんな状況にいるんだよ、ということをまず把握できれば、その後の解決のルートは自分で切り開いていけるのではないでしょうか。」と、たっちゃんが言うように、自分の悩みを人に聞いてもらい、一人ではないこと、自分には乗り越える力があることを実感してもらう場です。

職・友・遊を担い、生きづらさを感じている人をサポートする場が「喫茶ほっと」

 「喫茶ほっと」の主な活動として、その名のとおり喫茶店があります。現在仲間は34人で、製菓部、喫茶部にわかれて活動をしています。それぞれの個性に合わせて、お菓子作りや販売、接客などいろいろなタイプの仕事ができるようにしているそうです。支援スタッフは現在、常勤2人、パート2人の計4人です。

写真 大人気のマフィン、クッキーセット、シフォンケーキ

大人気のマフィン、クッキーセット、シフォンケーキ

写真 明るく清潔な厨房、ここでおいしいお菓子が作られる

明るく清潔な厨房、ここでおいしいお菓子が作られる

 「人が生きていくうえで最低限必要なものは、良く知られているとおり衣・食・住ですが、豊かな生活を送るには、プラス医・職・友・遊の4つが必要とされています。喫茶ほっとはその中でも職・友・遊の3つを支える場として、生きづらさを感じている人たちが、地域の中で、自分らしく生きていけるよう、支援しています。」と語るたっちゃんも、かつては不安を感じたり、うつの症状があったそうです。当事者の目線を意識した支援を、日々の活動の中で実践している場、それが「喫茶ほっと」なんだと感じました。

写真 たっちゃんこと喜納辰洋さん

たっちゃんこと喜納辰洋さん

取材を終えて

 「喫茶ほっと」は、てくのかわさきを訪れる機会があるごとに気にはなっていましたが、 今回、ハートリレーで見学させていただき、具体的な活動を知ることができました。ここで働くメンバーが、助け合い、楽しいときを共有しながら、活き活きと働いている姿に感動しました。

 また、週に1回開かれているワークショップにも参加させていただき、心のケアもしっかりされていることにも感心いたしました。帰りには、製菓部のスタッフ手作りのマフィンを買って、家族で美味しくいただきました。今後、このような支援活動が、もっと社会に広く認知されていくことを願ってやみません。

 

(ハッピィマミィ 久米)

 

喫茶ほっとのことをもっと知りたい

  • 場所:てくのかわさき2F(高津区溝の口1-6-10)
  • 定休日:土日・祝日および保守点検日
  • HELP ME!研究会:毎週金曜日14時から2時間ほど
  • 喫茶メニュー
    コーヒー・紅茶など  ¥250
    オレンジジュース   ¥250
    スパゲティセット(サラダ付き)¥580
    ピラフセット(スープ・サラダ付き)¥580 など
  • 製菓メニュー
    クマちゃんマドレーヌ  ¥120
    紅茶マフィン          ¥150
    フルーツパウンドケーキ(ホール)    ¥1200  など
  • 設立:1996年(平成8年)
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取材先

「喫茶ほっと」

支援スタッフ
喜納 辰洋(きな たつひろ)さん

取材者

写真 取材者

ハッピィマミィ
久米 恵子(くめ けいこ)さん

ハッピィマミィは地域のママと子どもたちのための楽しいコミュニティです。