たかつハートリレー第25回で御紹介するのは、子育て中のパパたちの集まりの「イキメン研究所」です。活動のベースとなっている溝口の「すくらむ21」でお話しを伺いました。
研究所は主体的な地域参加から始まった
お話を伺ったのは、上席研究員の江頭さん、織田さんと、事務局長的な立場の「すくらむ21」の尾形さんの3人のイキメン。まずは「イキメン研究所」というちょっと変わった名前の活動が始まった経緯をお聞きしました。
「すくらむ21」(正式名称は川崎市男女共同参画センター)の男性向け事業として、2012年度に子育て中のパパが集い語り合う場として「パパり場」を開催していましたが、パパたちが「主催者が用意してくれた受動的な場に参加するのではなく、自分たちが主体的に関わっていく」活動に発展させようと一年後に設立したのが、「イキメン研究所」です。「パパり場」の一参加者だった江頭さんや、パパの子育てに目覚めた織田さんなど、市内から8人のパパが集まり、イキメン研究所がスタートしました。
設立当初からのメンバー江頭さん(左)と織田さん
ネーミングに込めた思い「イクメンからイキメンに…」
この研究所で研究しているのは、もちろん子育て中のパパの困り事や悩みをどう解消していくかです。ただ、「イクメンの活動に終わらずに、子育てという課題を通して男性の地域参画の入口になってほしい」と尾形さんが語るように、家庭を含む地域でもイキイキと過ごす粋な男性を増やしていきたいという思いがこの「イキメン」に込められています。参加した研究員それぞれが地域でやりたいことを見つけて、地域に出てイキイキと活動することこそが本当の目的ということです。
イキメン研究所を支えているすくらむ21の尾形さん
織田さんが所属している全国組織のNPO法人ファザーリング・ジャパンでは「子どもは地域参加へのパスポート」と言われているそうです。子どもを持ったことをチャンスと捉え、会社と家まわりのコミュニティだけでなく、社会参画の幅を広げていくことの大切さに気づくきっかけにしてほしいと織田さんはおっしゃっていました。
出前講座で講師を勤めるなど地域でイキイキ活躍中の織田さん
最初の1年間は「パパのための子育てサロン」が主な活動
イキメン研究所がまず行った活動は、地域のパパを集めて、パパの悩み事や育児での困り事を聞いたりしながら解決の道筋を探っていこうという交流の場「パパのための子育てサロン」(年4回開催)の企画、運営でした。
1年目の「パパのための子育てサロン」は、研究員のパパたちが企画・運営し、子どもと一緒に遊ぶ時間も設けながら、ワークショップを行いました。参加した地域のパパたちの育児に関しての悩み事、パートナーとの関係について、ふだん家事をどのくらいやっているかなど、いろいろな課題に関して、時にはママも交えてママの本音を聞くなどのワークを重ねたそうです。
パパのための子育てサロン第1回(右)と第4回の様子