ハートリレー第35回 「〜したい!」の実現に向けて、
利用者さんの生活の幅をぐーんと広げる「作業室あゆみ」

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お出かけ、食事…、行きたいところは実現に向けて話し合います

 「作業室あゆみ」の生活方針として、室内の作業だけでなく「どんどん外へ出かけていって色々な人とたくさん触れ合おう」ということがあります。外出先をどこにするかということを決めるのは利用者さんです。行きたかったところ、テーマパークやレストランをみんなで出し合って可能な限り自分たちの力で出かける楽しみを続けています。
 室内にはテレビ局に行ったり、動物園で動物と触れ合ったり、大好きなお肉を食べにランチ外出をした時の様子がアルバム風にして貼られています。どの写真も実現できた喜びと笑顔に溢れている素敵なものばかりでした。

 

室内に貼られている楽しかった外出やイベントの思い出シート

室内に貼られている楽しかった外出やイベントの思い出シート

明るく!楽しく!元気よく!

 北身館の館長であり「作業室あゆみ」発足から関わられている青砥さんと、利用者さんの日々のサポートの責任者の先﨑(せんざき)さんにお話を伺いました。
 「養護学校の卒業後に日中活動できるように、旧高津保健所跡地を借りて活動を始めたのが昭和53年。さらにその前身となる運動も父母の会によって運営されていました。そのときは知的、精神、身体と障害の種類も様々な利用者さんが同じ敷地で一緒に活動して、『狭いながらも楽しい我が家』的な素朴で温かい雰囲気が溢れていました。この会館が建設される機会に、社会福祉法人運営の作業室として、明るく!楽しく!元気よく!暮らしていける街づくりを目指して活動が続いています」と青砥さん。
 先﨑さんは「まず何よりも利用者さんのやりたいという気持ちを最優先して、みんなで話し合って生活プログラムを作っています。溝口の中心に近いのでランチなどに出かけることもどんどん増えてきていますが、もっともっとたくさんの人と触れ合えるチャンスを増やしていきたい」とおっしゃっていました。
 利用者さんの生活の幅が広がるように、利用者さんの「〜したい」に耳を傾け、形にするお手伝いをするという、お話を聞いたお二人をはじめとするスタッフの方々の熱い思いが取材する側に、ビシビシと伝わってくるようなホットな施設でした。

写真 青砥さん(左)と先﨑さん)

青砥さん(左)と先﨑さん

取材を終えて

 最初に一歩足を踏み入れた時に、とても活気のある施設だと感じました。利用者さん一人一人がすべきことを分かっていて、今日するべきことの準備をされていると思いました。施設長さんと先﨑さんから開所した35年前の話を伺い、本当にご苦労されたことを実感しました。「授産所」という言葉一つ、正しく理解されないときから、ずっと事業を継続されている姿に、これからもご奮闘いただきたいと強く感じました。作業室を見学させていただくとカラフルな絵の作品に目を奪われてしまいました。赤青緑黄とどれもきれいな作品で見ていてとても明るい気持ちになりました。活動を共にされている職員の方々の努力に頭が下がる思いでした。優しい言葉がけで上手にリードされる職員の姿を見せていただき、私自身このような取組に関心を持つべきだったと身を恥じています。これからも施設長さんをはじめ、利用される皆様がもっともっとハッピーになられることを祈りながら施設を出ました。寒い季節柄、皆様が健康を損なうことなく、今日見せて頂いたような元気な毎日であることを願っています。

(MEN'Sコグニーズ 横井)

 

「作業室あゆみ」のことをもっと知りたい

  • 場所:川崎市北部身体障害者福祉会館内 (高津区溝口1-18-16)
  • 利用日:月〜金曜日 9時〜15時半(除 祝日)
  • 定員:20名
  • 種別:第二種社会福祉事業 障害福祉サービス事業(生活介護)
  • 問合せ:社会福祉法人育桜福祉会
          「作業室あゆみ」先﨑(せんざき)電話044-811-6639

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取材先

「作業室あゆみ」

 
青砥 利幸さん、先﨑 陽子さん

取材者

写真 取材者

MEN'Sコグニーズ 横井さん
政木さん

MEN'Sコグニーズは、認知症予防のためにコグニサイズを実践する70〜80代の男性グループです。