ハートリレー第37回 やらねばならないことがあることが生きがいにつながる
「特定非営利活動法人 マイWay」

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作業風景

 たかつハートリレー第37回で紹介するのは、津田山で障害者の就労支援と居場所づくりを行っている「特定非営利活動法人 マイWay(以下「マイWay」)です。
 まずは、マイWayの若年性認知症支援コーディネーターの渡辺典子さん、管理者の坂本栄一さんからお話を伺いました。

JR南武線津田山駅すぐ前に

 マイWayは、JR南武線津田山駅すぐ目の前の建物にあり、駅の目の前なのでとても便利で来やすい場所にあります。マイWayは、この建物の2階と3階にあります。

津田山駅前にあるマイWay

津田山駅前にあるマイWay

窓にロゴマークがあるのですぐにわかります。

窓にロゴマークがあるのですぐにわかります。

 マイWayは、「私も社会で活躍したい」をモットーに、障害者の就労支援のための団体です。障害者の方の自立したい、働きたいという思いを大事にし、それが少しでも実現できるように支援を行っています。また、マイWayでは、これまでに前例がない、さまざまな障害者の自立のための支援にチャレンジしています。これは当事者本人や家族からのニーズに応えたもので、既存の障害者の就労支援、自立支援の制度では、なかなかすべてのケースに対応することができないものに取組んでいます。これを本人や家族の相談を受けながら、丁寧に取組んでいるということでした。特に現在取組んでいる、若年性認知症支援コーディネーターの活動もその1つということです。
 マイWayは、2013年1月に就労移行支援事業、就労継続支援B型として活動が始まりました。その活動のなかで、若年性認知症の方が働く場を求めているということで若年性認知症家族会から相談があって、対象を広げたということです。その他にも川崎市からの委託事業も受けて相談支援センターや若年性認知症支援コーディネーターなどを行い、現在に至るということです。
 マイWayの代表者は、(株)日本ヴォーグ社の代表でもあるのですが、代表者が障害者の支援を行いたいという強い思いから、(株)日本ヴォーグ社の事業であるハンドメイドを活用した障害者の自立支援として、マイWayが発足しました。
 現在のマイWayの登録者は35名で、このうち若年性認知症の方は、7名の方が登録されているということでした。

マイWayでの利用者さんのお仕事

 利用者さんはマイWayに通所し、お仕事として軽作業にあたります。1日の流れは、9時30分に朝礼ではじまり、作業時間1時間と休憩の10分の無理のないサイクルで行われます。そして16時で終業となります。
 お仕事は、ダイレクトメール封入作業、チラシ折り、キーホルダー詰などさまざまな軽作業があります。取材に訪れた日は、ネット販売の際に景品になる商品のラベル貼りでした。
 お仕事の依頼は、これまでのお付き合いのある会社等から受託しているそうです。

作業の様子。今回は商品のラベル貼りです。

作業の様子。今回は商品のラベル貼りです。

すでにラベル貼りが終わった商品が積んでありました。

すでにラベル貼りが終わった商品が積んでありました。

自分たちで仕事をつくり出す事業、ハンドメイド部

 ハンドメイド部という事業があるのですが、これは利用者のみなさんで手づくりのアクセサリーやチャーム、マスクなどを販売する取組です。これが始まったきっかけは、コロナ禍が始まったときに仕事が停滞してできない時期が続きました。このため、これまでのように仕事が来るのを待つだけでなく、自分たちでつくって発信しようということから、手づくり品をつくってネットで販売することから始まったということです。また、高津区内の農家の方からお声がけをいただき、利用者さんとサツマイモ堀にいったのですが、その際にイモのツルをたくさんいただいて、それを使ってクリスマスリースをつくったら、思いのほか素敵なものができました。このクリスマスツリーも販売しました。

 

ハンドメイド部でつくった手づくり品

ハンドメイド部でつくった手づくり品

 コロナ禍前までは、サークル活動のような形で利用者さんのなかで好きな人がやっていましたが、今では販売するものとして取組でいるということです。

就労支援、企業とのマッチング、そのあとのフォロー

 就労支援のなかに、就職先の企業とのマッチングというのがあります。求人についてはハローワークと連携したり、川崎市で障害者雇用の推進を行っていますが、それに登録している企業を中心に回ったりしているということです。そういうところからの情報を収集して、対象者と企業とのマッチングを行っているということでした。
 就労移行支援については、定着支援サービスという事業が立ち上がって、そこを希望する人に対して行っています。具体的な内容については、就職した企業に我々が足を運んで、本人やその企業と面談したります。そのなかで日々の勤務で課題があれば把握し、必要があれば介入などを行います。企業と就労者の橋渡し的な役割であり、長期安定就労になるように支援しています。(現在、就労移行支援については、実施していません)

若年性認知症を広く知ってもらうことが大事

 若年性認知症の方の支援について概要や工夫について、お話を伺いました。 若年性認知症の方とその他の障害の方との違いですが、まずは、通常の就労支援としては、自立して仕事して生活をしたいという意向がある人を、職業訓練として支援するものです。一方で、若年性認知症の方の就労支援は、認知症になる前までは普通に仕事をしていてそれが認知症によりこれまでの仕事が難しくなった人がほとんどです。このため、できることを続けたい、社会貢献したいという思いで来ている人が多くいるのです。マイWayでは、このような思いを大事にして支援したいと思っています。 ただ、若年性認知症の方は、今でこそ就労支援B型で対応できるのですが、10年前くらいまではなかなか理解してもらえず、デイサービスのような介護保険の範囲で支援するということが中心でした。しかし、若年性認知症の方は、高齢者の認知症の人と一緒にデイサービスを利用するということが合わない。まだまだ体力もあって働けるので、就労という形が良いと思っています。若年で発症されて高齢者のデイサービスを利用されるには、ミスマッチな方がいます。もちろん、人によってはデイサービスなどを利用することも良いと思います。マイWayは、就労と介護保険の利用の中間的な位置づけだと思う。ということでした。 お話を伺って、改めてそれぞれの障害にあったきめ細かい支援が必要であるということがわかりました。

マイWayのチャレンジ

 マイWayでは、他の施設でやっていないことにチャレンジして事業にすることが多いということです。そのチャレンジした事業もマイWay自体が思いついたものというよりも、当事者やその家族から相談されたものが多いということです。また、そのような事業については、マイWayだけで取組めば良いのではなく、行政をはじめ世の中に認知してもらわないといけない。このため取組むだけでなく、積極的な発信も行っているということでした。  また、外部への発信だけでなく内部の理解や共有も重要で、「若年性認知症」を特別にするのではなく、「若年性認知症」も障害の1つである。このため、他の障害の方と一緒に関われるということを、共有していく必要がある、ということでした。

 

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取材先

「特定非営利活動法人 マイWay」

 
坂本 栄一さん、
渡辺 典子さん

取材者

写真 取材者

高津せせらぎプレーパークやレンジャー会長
鈴木 暁子さん

多摩川河川敷で月一回、高津せせらぎプレーパークを開催し、自由にのびのび遊べる子どもの遊び場、安心して過ごせる居場所をつくっています。