実は芋掘りの前には、スタッフが力を合わせて朝早くからツルを切り、掘りやすいよう下準備していたのでした。サツマイモのツルは、クリスマスのリースに。芋掘りの後、お母さんたちがリースづくりに参加します。
あっと言う間に時間は過ぎて、楽しい芋掘りは終了しました。みんなは収穫したサツマイモを抱えて、とても満足そうな笑顔で家路についていきました。
芋のツルがたくさん!
芋のツルのリースだよ
リースづくりの様子
「一定のルールの中で、あとは自由に」がモットー
「今の子どもは、我慢することやルールを覚える場が少なくなってきているんです。」と代表の坪内さん(写真)は言います。
「一定のルールの中であとは自由に」が活動のモットーということで、今回の芋掘りについても、「目の前のここで、2個しか掘っちゃだめ」というようなやり方ではなく、「この範囲なら、いくらでも自由に掘っていいよ」というやり方がしたかったといいます。これがヤンチャリカ幼児クラブ流の学習法なのです。
それを可能にしたのが、地域との密接なつながりです。畑の所有者の森さんは、坪内さんが幼稚園に勤務していたときの父兄で、7年来のお付き合い。こうした縁で相談したところ、快く協力してくれたのです。
年に1回春の会員募集で集まってきた子どもたちは、4~5月にはバラバラに動いていますが、次第に出欠カードを持って列を作って順番を待つようになります。挨拶したり、自分の名前を言えるようになったり、ママから離れられなかった子が最後には一人で子どもたちの輪に入れるようになったりするのです。
就学前の子どもが集まるヤンチャリカ幼児クラブでは、子どもたちが集団の中に入ることで、こうしたことを学び、成長していきます。
お母さんが地域の中で孤立しないように!が活動のきっかけ
「久末地域は、幼稚園が抽選になるほど子どもが多く、子育て中の母親も多いんですよ。」と坪内さんは話します。活動をはじめたのは平成12年のこと。きっかけは坪内さん自身が子育てに悩んでいて、相談相手がほしかったから。2番目の子どもをおんぶしながら活動を始めました。せめて幼稚園に入るまでは、親子が地域の中で孤立しないように応援したいという思いで活動してきました。
活動の最大の原動力は、子どもたちの笑顔とお母さんたちの「ありがとう」の言葉だと坪内さんは言います。この活動を通して、子どもたちだけではなくて、お母さん同士も仲良くなっていく。これこそが、この活動をはじめた想いが届いた証しなんですね。