12棟のマンションが点在する「パークシティ溝の口」には、緑豊かな森が広がっています。たかつハートリレー第7回は、パークシティ溝の口自治会の集会室で子ども向けのおはなし会や絵本の貸出をしている「おはなしの森」さんです。
地域の子どもたちが集う、森の中のおはなし会
パークシティ溝の口には1100を超える世帯の方々が暮らしています。土曜日の午前10時、文庫が開かれ、たくさんの絵本が並べられました。どれを借りようか迷っている子、次々と手に取る子、みんな目を輝かせて本を選んでいます。その楽しげな様子に思わず笑みがこぼれました。
10時半からは、おはなし会の始まりです。スタッフはカッパのぬいぐるみを手に、子どもたちに呼びかけます。「おはなしは静かに聞こうね。あきちゃったら出てもいいよ、おやつはナシよ。みんなでお約束ね。」「はーい!」子どもたちの声が明るく響きます。
手遊びのあと、小さな子ども向けのお話が始まりました。ぞうくんが出てきたり、主人公がドキドキする冒険をしたりと、かわいらしくほのぼのするようなお話が続きます。
緑の森に囲まれた集会室で月に1度のおはなし会が行われます
みんなで楽しい時間を過ごすお約束
わらべ歌をはさんで、今度は大きな子ども向けの本。古代の生物がたくさん登場する迫力いっぱいの科学絵本などに、子どもたちは楽しそうに見入っていました。
スタッフは語りかけるように、1ページずつ大事にお話を進めます。温かくふくらみのある声が気持ち良く耳に届きました。
みんなで手遊び、わらべ歌
冒険のドキドキが、躍動感のある朗読と表情で伝わってきます
古代の生物、みてみてこんなに小さいのもいるんだね
締めくくりは中国の民話。子どもたちは、外国のお話を聴いた日に、その国の場所にシールを貼っていく「おはなしパスポート」を持っています。今日は中国にシールが一つ増えて、とてもうれしそう。お話を聴いて世界中を旅する、夢のある楽しいアイデアですね。
今日は中国のお話を聴いたよ!世界地図にシールが増えていきます
きっかけは「子どもたちは地域で育つ」という思いから
「おはなしの森」の活動が始まったのは、学校週5日制の本格実施を数年後に控えた時期でした。「土曜日を地域で過ごす子どもたちのために、何か始められないだろうか。」そんな共通の思いを抱くメンバーが自治会の秋祭りをきっかけに出会いました。「子どもたちは地域で育つ」という考えに共感する人が集まり、話がどんどん具体化。当時の自治会長も後押ししてくれた一人です。自治会の所属団体となって集会室を使ったり、敷地内で広報したりするといいよとアドバイスを受けました。地域、近隣の子どもたち、親子連れにも開かれたおはなし会の活動がスタートしました。
代表の大山さん