ニーズに合わせて、絵本の貸出「おはなしの森文庫」をスタート
やがて学校週5日制が定着すると、子どもたちが塾や習い事で忙しくなってきました。行かせたいけれど行かせられない…。そんなお母さんたちの声を受けて、おはなし会の前後に絵本の貸出を始めました。すると、小さな頃に通っていた子どもたちが、貸出を利用する形で戻ってきたのです。今では第1木曜日の午後にも貸出を始め、学校帰りや、習い事の合間に来るようになったそうです。また、自治会の応援で専用の書庫を設けることもできました。
子ども時代に絵・ことばともにすばらしい作品に出会って感性を磨いてほしいという願いから、選りすぐりの絵本・本を揃えています。また絵本から本へと移行する小学校高学年向けの本や読みきかせのための昔話の本も揃えているところだそうです。
子ども向けの貸出ですが、お母さんが懐かしがって本を選んでいくことも。「子どもの頃好きだった本を今度は自分の子どもへ。親子が絵本でつながってくれたらうれしい。」とメンバーは目を細めます。
お気に入りの絵本をみつけて
おはなし会前後の貸出は、子どもたちのお楽しみタイム
子どもの成長を見守り、地域のつながりを広げる場
おはなし会ではいろいろなつながりが生まれます。「忙しいママに代わって初めて参加しました。子どもが毎回楽しみにしているんです。」というお父さんは、目をキラキラさせて聞き入るお子さんの表情をのぞきながら、お話に耳を傾けていました。親子のコミュニケーションの場にもなっているんですね。
子どもが赤ちゃんの頃の集まりは頻繁にあるけれど、少し大きくなるとそうした機会は少なくなるそうです。「でもおはなし会に来て、久しぶりに小さい頃に一緒に遊んだお友達やそのお母さんと再会することがあるんですよ。」というお母さん。絵本を通して子どもの興味が広がり、成長していることを感じると話してくれました。
子どもの心に届く、さまざまな工夫を続けて
おはなし会の内容は、毎月行う企画会で相談しています。「どの本をどんな順番で組み合わせるか、アイデアを出し合います。企画会は、お互いの考えに触れる、とても刺激のある楽しい時間なんですよ。」
時間を区切ったプログラムの導入は、卒業した小学校6年生と入れ替わりに0歳児が増えたことがきっかけでした。変化を作って子どもたちの興味を引き出す工夫として、前半は小さな子ども向け、後半を小学生向けに分け、手遊びやわらべ歌も入れるようにしたそうです。また、おはなし会の最初にしていたお約束は、子どもだけでなくお父さんお母さんたちにもやんわりとルールを理解してもらう工夫だそうです。
広報にも力を入れています。絵や工作の得意なメンバーが担当しているポスターは「ママがポスターを見かけたのがきっかけで通うようになりました」というお父さんもいて、効果抜群。中にはメンバーに加わった人も。「毎月ポスターが素敵で注目していたんです。思い切って仲間に入れてもらえないか聞いてみました。活動をしてみて、本当に地域っていいなあ!って思いました。」
思わず行ってみたくなる手作りポスター